精子凍結とは
採取した精子をマイナス196℃の
液体窒素で凍結し、
半永久的に
保存できる医療技術です。
精子凍結(精子凍結保存)とは、採取した精子をマイナス196℃の液体窒素で凍結し、半永久的に保存できる医療技術です。
医学的な安全性は確立されており、1954年から実施されている歴史ある方法で、凍結保存した精子が遺伝子変化を起こしたり、生まれてくる赤ちゃんに影響が出た報告はありません。
凍結した精子は、将来的に人工授精や体外受精、顕微授精などの生殖補助医療で使用できます。現在、多くの不妊治療専門クリニックや大学病院で実施されており、不妊治療中のご夫婦だけでなく、がん治療前の方や将来に備えたい方など、さまざまな目的で活用されています。
精子凍結が適応する方
不妊治療中のご夫婦
体外受精や人工授精の治療日に、パートナーが出張や海外赴任で不在になる可能性がある場合、事前に精子を凍結しておけば治療のタイミングを逃さずに済みます。また、精子の数が少ない(乏精子症)または運動率が低い(精子無力症)場合、良好な状態のときに複数回採取して備蓄することで、治療の選択肢を広げられます。
排卵のタイミングは調整が難しいため、精子凍結によってお二人のスケジュールを柔軟に組めることは大きなメリットです。
がん治療前の妊孕性温存
抗がん剤や放射線治療は、精巣の造精機能に不可逆的なダメージを与える可能性があります。白血病、リンパ腫、精巣腫瘍などの治療を受ける前に精子を凍結保存しておけば、治療後も自分の子どもを持つ可能性を残すことができます。がん治療前の精子凍結は「妊孕性温存治療」と呼ばれ、多くの医療機関で対応しており、自治体によっては助成金制度も利用できます。
治療を遅らせることなく、当日のカウンセリングと凍結が可能です。
将来に備えた社会的凍結
精子は卵子ほど年齢の影響を受けにくいとされていますが、加齢や病気により質が低下することがあります。
若く健康なうちに精子を凍結しておくことで、将来子どもを持つ可能性を高められます。未婚・既婚に関わらず凍結可能ですが、国内で使用する際には婚姻関係が必要です。単身赴任や被曝リスクのある仕事に従事する方など、さまざまな社会的理由で選択される方が増えています。
精子凍結のメリット
治療のタイミングを逃さない
不妊治療では排卵日に合わせた正確なタイミングが重要ですが、仕事の都合で夫婦のスケジュールを合わせるのは簡単ではありません。
精子凍結により、パートナーが長期出張や海外赴任中でも、予定通りに人工授精や体外受精を実施できます。
女性の身体のリズムに合わせた最適なタイミングで治療を受けられることは、妊娠の可能性を高める重要な要素です。
計画的な家族形成が可能に
精子凍結により、ライフイベントや仕事の影響を受けにくい計画的な家族形成が可能になります。キャリアプランや経済的な準備が整うまで妊娠を先延ばしにしながらも、若く健康な時期の精子を保存しておくことで、将来の妊娠の可能性を確保できます。
がん治療後も父親になる可能性を残せる
化学療法や放射線治療は、生殖機能に深刻な影響を与える可能性があります。治療前に精子を凍結保存しておくことで、治療によって精子形成能力が失われた後でも、生物学的に自分の子どもを持つ選択肢を残せます。がん治療を受けられる方やそのご家族にとって、将来への希望を持ち続けられることは、治療に前向きに取り組む大きな支えとなります。
精子凍結のデメリットとリスク
運動率低下
凍結・融解による精子の運動率低下
精子凍結の最も大きなデメリットは、凍結・融解のプロセスで精子の運動率が低下することです。一般的に、融解後の精子の運動率は元の50〜80%程度に低下します。
精子の尾部(運動を担う部分)が凍結によるダメージを受けやすいためです。
治療制限
治療方法が制限される可能性
元々精子の状態があまり良くない場合、凍結・融解後の運動率低下により、人工授精での妊娠が難しくなる可能性があります。
新鮮精子を使った人工授精の妊娠率が1回あたり約7〜8%であるのに対し、凍結精子では約3%に低下するという報告があります。
そのため、体外受精や顕微授精への移行が必要になることがあります。
経済的負担
経済的負担がある
精子凍結には初回の凍結費用(11,000〜44,000円程度)に加えて、毎年の保管料(7,700〜33,000円程度)がかかります。
基本的に自費診療のため、長期保存する場合は累積費用が高額になります。
手続き煩雑
更新の手続きが煩雑
1年ごとに更新手続きが必要で、書類の提出と費用の支払いを忘れると自動的に破棄されてしまいます。更新期限の管理は自己責任となるため、計画的な対応が求められます。
〝妊娠を確約するものではない〟
精子を凍結保存しても、必ず妊娠できるわけではありません。
妊娠率は女性側の年齢や卵子の状態にも大きく依存します。
精子凍結はあくまで妊娠の可能性を広げる手段の一つであり、将来の妊娠を保証するものではないことを理解しておくことが大切です。
精子凍結の費用
精子凍結の流れ
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STEP 1
初診・カウンセリングと感染症検査医師から精子凍結の目的、方法、費用、保存期間、リスクについて詳しい説明を受けます。
疑問点や不安なことがあれば、この段階で遠慮なくご質問ください。同意書に署名後、安全に保存・使用するために感染症検査(B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVなど)を実施します。検査費用は1.5〜3万円程度です。
最近検査を受けている場合は省略できることもあります。 -
STEP 2
精液の採取と精子検査採精の前に、一般的に2〜7日間の禁欲期間が必要です。禁欲期間が短すぎると精子の量が少なく、長すぎると運動率が低下する可能性があるためです。採精はマスターベーションによって行い、痛みは伴いません。
クリニックの個室(採精室)で採取するか、自宅で採取して2時間以内に持参します。
採取後、精液の量、精子濃度、運動率、形態などを詳しく検査します。 -
STEP 3
精子の選別・調整・凍結処理精液検査の結果をもとに、質の良い精子を選別・濃縮します。洗浄処理を行い、凍結保護剤と混合して専用容器(ストロー、チューブ)に分注します。
1回の射精につき通常1〜5本程度に分けて凍結します。各容器には取り違え防止のため、氏名、ID、採取日、凍結日などの識別情報が記載されます。 -
STEP 4
液体窒素タンクで保存調整が完了した精子は、マイナス196℃の液体窒素タンクで凍結保存されます。
この超低温状態では細胞の代謝活動が完全に停止し、理論上は半永久的に保存が可能です。
クリニックでは厳重な管理体制のもと、安全に保管されます。
よくあるご質問
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精子凍結に痛みはありますか?
マスターベーションによる精液採取のため、痛みは一切ありません。
クリニックには個室(採精室)が用意されており、プライバシーに配慮した環境で採取できます。 -
未婚でも精子凍結できますか?
はい、可能です。独身・既婚に関わらず精子凍結を受けられます。
ただし、日本国内で凍結精子を使用する際には婚姻関係が必要です。
将来のパートナーとの不妊治療で使用することを前提として、若く健康なうちに凍結しておく選択をされる方が増えています。 -
赤ちゃんへの影響はありませんか?
医学的に安全性が立証されており、凍結保存した精子が遺伝子変化を起こしたり、胎児に影響が出た報告はありません。
1954年から実施されている確立された技術で、世界中で多くの健康な赤ちゃんが生まれています。 -
パイプカット後でも精子凍結できますか?
パイプカット(精管結紮術)後は射出精液中に精子がないため、通常の精子凍結はできません。
ただし、TESE(精巣内精子採取術)により精巣から直接精子を採取し、凍結することは可能な場合があります。 -
がん治療前に精子凍結を検討していますが、治療を遅らせる必要がありますか?
いいえ、がん治療を遅らせる必要はありません。妊孕性温存治療のために、がん治療開始を遅らせることがないことが目標です。
状況によっては予約当日のカウンセリング、精液検査、精子凍結も可能です。緊急の場合は禁欲期間なしで採取することもあります。
ただし、必ず主治医の了承を得て、治療スケジュールに影響が出ないよう調整してください
当院のサポート範囲
アクセス・診療時間
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自転車の場合
お車の場合
バスの場合
〒130-0022
東京都墨田区江東橋2丁目6−7
マーキュリービル錦糸町ビルⅡ 3~5階
※受付は4階となります。
徒歩10秒ほどのところに丸井錦糸町店駐輪場がございます。
※台数に限りがありますので必ずとめられる保証がないことご了承ください。
詳細は錦糸町マルイのホームページよりご確認ください。
東京都墨田区江東橋3-9-10
駐輪料金:2時間まで無料、その後2時間ごとに120円。
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