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妊活の食べ物、迷ったらこれ!専門医が教える「卵子の質」を高める食事術と栄養素/「着床」を助ける最強の栄養習慣

  • 公開日:2026.02.15
  • 更新日:2026.02.15
妊活の食べ物、迷ったらこれ!専門医が教える「卵子の質」を高める食事術と栄養素/「着床」を助ける最強の栄養習慣|不妊治療なら生殖医療クリニック錦糸町駅前院

毎日の食事に悩むあなたへ。専門医からのメッセージ

「妊活にいい食べ物はなんですか?」「コーヒーはやっぱりダメですか?」 診察室で、患者様からこのようなご質問をいただくことが本当に多くなりました。インターネットを開けば、「これを食べれば妊娠する!」といった情報があふれ、逆に「あれもダメ、これもダメ」という制限に、食事そのものがストレスになってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

生殖医療専門医として、まずお伝えしたいことがあります。それは、「これを食べれば必ず妊娠する」という魔法の食材は存在しないということ。けれど、「体のベースを整え、卵子や精子が本来持っている力を引き出す食事」は確実に存在します。

特に30代、40代の妊活においては、加齢に伴う卵子の質の変化やホルモンバランスのゆらぎと向き合う必要があります。だからこそ、日々の食事が大きな味方になるのです。この記事では、医学的なエビデンス(根拠)に基づき、本当に体が必要としている栄養素と、無理なく続けられる食習慣についてお話しします。焦る気持ちを少し横に置いて、まずはご自身の体をいたわる食事から始めてみましょう。

妊活における食事の基本|「何を食べるか」より大切な「体の土台作り」

適正体重(BMI)の維持が妊娠への近道

妊活において「何を食べるか」と同じくらい重要なのが、「適正体重を維持すること」です。痩せすぎも太りすぎも、ホルモンバランスを乱し、妊娠率を低下させる要因になります。医学的な指標であるBMI(体重kg ÷ (身長m)2)において、18.5以上25未満の範囲が最も妊娠しやすいとされています。

BMIが18.5未満の「痩せ」の方は、栄養不足により脳が「今は妊娠に適した状態ではない」と判断し、排卵障害を引き起こすことがあります。逆にBMI25以上の「肥満」の方は、インスリン抵抗性などの代謝異常が起きやすく、卵子の質の低下や排卵障害のリスクが高まります。 30代・40代は基礎代謝が落ちやすく、体重管理が難しくなる年代ですが、極端なダイエットや過食は避け、バランスの良い食事で適正体重をキープすることが、妊娠しやすい体への第一歩です。

「卵子の質」と食事の関係性:ミトコンドリアを元気に

「卵子の質」という言葉をよく耳にすると思いますが、これは具体的には卵子の中にある「ミトコンドリア」の機能と深く関わっています。ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場のような存在です。受精卵が分割し、成長していくためには膨大なエネルギーが必要ですが、加齢とともにミトコンドリアの機能は低下してしまいます。

食事から摂取する栄養素は、このミトコンドリアを活性化させる燃料となります。逆に、糖質の摂りすぎや酸化ストレス(体のサビ)は、ミトコンドリアを傷つけ、卵子の老化を早める原因になります。 35歳を過ぎると卵子の染色体異常の割合が増加しますが、食事によって体内の酸化ストレスを減らし、ミトコンドリアを元気に保つことは、卵子の質を維持するための数少ない有効なアプローチの一つなのです。

30代・40代が積極的に摂りたい「妊娠必須栄養素」5選

【葉酸】先天異常予防だけじゃない!卵子の質にも関与

葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害という先天異常を防ぐために、妊娠前からの摂取が強く推奨されている栄養素です。しかし、葉酸の役割はそれだけではありません。最新の研究では、葉酸が卵子の質を向上させたり、受精卵の発育を助けたりする可能性も示唆されています。

厚生労働省は、妊娠を希望する女性に対して、食事からの摂取に加えて1日400μgのサプリメント摂取を推奨しています。緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)やレバーに多く含まれていますが、葉酸は水溶性で熱に弱く、調理過程で失われやすいため、食事だけで必要量を満たすのは実は困難です。妊活を始めたら、まずは葉酸サプリメントをベースに取り入れつつ、野菜たっぷりの食事を心がけることが基本戦略となります。

【ビタミンD】日本人の8割が不足!着床環境を整えるカギ

近年、不妊治療の現場で最も注目されている栄養素の一つが「ビタミンD」です。実は、日本人女性の約7割〜8割がビタミンD不足の状態にあると言われています。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるだけでなく、子宮内膜の環境を整えて着床を助ける働きや、卵胞の発育に関与していることが分かってきています。ビタミンD濃度が十分な女性は、体外受精の妊娠率が高いという報告もあります。

ビタミンDは、日光(紫外線)を浴びることで皮膚で生成されますが、美白ケアを徹底している女性は不足しがちです。食事では、サケやサンマなどの魚類、キクラゲなどのキノコ類に多く含まれています。血液検査でご自身の濃度をチェックし、不足している場合は積極的に魚料理を取り入れたり、サプリメントで補充したりすることをお勧めします。

【鉄分・フェリチン】隠れ貧血は卵子の敵

「健康診断で貧血とは言われていないから大丈夫」と思っていませんか?一般的な血液検査で調べる「ヘモグロビン」が正常でも、貯蔵鉄である「フェリチン」の値が低い「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」の女性が非常に多いのが現状です。

鉄分は、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。卵巣や子宮も豊富な血液を必要とする臓器であり、鉄不足は卵子の質の低下や、着床環境の悪化につながる可能性があります。 レバー、赤身の肉、カツオなどの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」は吸収率が高くおすすめです。小松菜やプルーンなどの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。生理がある女性は毎月鉄分を失っているため、意識的にチャージしましょう。

【抗酸化物質(ビタミンC・E、CoQ10)】卵子の老化(酸化)を防ぐ

30代・40代の妊活における最大のテーマは「卵子の老化」です。この老化の主な原因の一つが、体内で発生する活性酸素による「酸化(サビつき)」です。この酸化ストレスに対抗してくれるのが、抗酸化物質です。

代表的なものに、ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10(CoQ10)があります。ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、アーモンドなどのナッツ類、アボカド、カボチャに豊富です。ビタミンCは果物や野菜に多く含まれます。また、コエンザイムQ10はミトコンドリアのエネルギー産生を助ける重要な成分ですが、加齢とともに体内での生成量が減ってしまいます。これらを毎日の食事やサプリメントで補うことで、卵子を酸化ダメージから守り、質を維持する助けになります。

【オメガ3脂肪酸】血流改善と炎症抑制で子宮環境をケア

オメガ3脂肪酸(DHA、EPA、α-リノレン酸)は、体内で作ることができない必須脂肪酸です。これらは血液をサラサラにして血流を改善するほか、体内の慢性的な炎症を抑える働きがあります。炎症は卵巣機能や着床環境に悪影響を与えるため、オメガ3の摂取は妊活に有効です。

多く含まれるのは、サバ、イワシ、サンマなどの青魚や、アマニ油、えごま油です。「お肉が好きで魚はあまり食べない」という方も多いかもしれませんが、週に2〜3回は魚料理をメインにすることをお勧めします。調理が面倒な場合は、サバ缶などを利用するのも良いでしょう。良質な脂質を摂ることは、女性ホルモンの材料にもなり、体全体のコンディションを整えてくれます。

医学的に推奨される「地中海式食事法」とは?

妊娠率向上を示すデータと具体的なメニュー

「結局、どのような献立が良いの?」と迷った時におすすめなのが「地中海式食事法」です。これはイタリアやギリシャなどの伝統的な食事スタイルのことで、近年の研究で、この食事法を実践している女性は体外受精の妊娠率が高いという報告があります。

具体的な特徴は以下の通りです。

  • 野菜、果物、豆類、ナッツ、全粒穀物を豊富に摂る。
  • 脂質はバターなどの動物性脂肪ではなく、オリーブオイルを主にする。
  • タンパク質は魚介類を中心にし、赤身肉(牛・豚)や加工肉は控えめにする。

日本の食卓に取り入れるなら、白米を玄米や雑穀米に変える、サラダにはドレッシングではなくオリーブオイルと塩を使う、メインを肉より魚にする、といった工夫ができます。和食との相性も良いので、難しく考えずに「魚と野菜とオリーブオイル」を意識してみましょう。

糖質との上手な付き合い方(低GI食品の活用)

「糖質制限」が流行していますが、妊活において極端な糖質制限はエネルギー不足を招くためおすすめしません。大切なのは「血糖値の急激な上昇を抑えること」です。血糖値が急上昇すると、インスリンというホルモンが大量に分泌されますが、これが卵巣の機能に悪影響を与える可能性があります(特に多嚢胞性卵巣症候群の方)。

白米、食パン、うどんなどの精製された炭水化物は血糖値を上げやすい「高GI食品」です。一方、玄米、全粒粉パン、そばなどの未精製の穀物は、食物繊維が豊富で血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」です。主食をこれらに置き換える、あるいは食事の最初に野菜から食べる(ベジファースト)を心がけるだけで、卵子の質を守ることにつながります。

不妊原因の50%は男性!パートナーに食べてほしい「精子力アップ」食材

亜鉛と抗酸化作用で精子の運動率・DNAを守る

不妊治療は女性だけの問題ではありません。WHOの調査では、不妊原因の約半数(48%)に男性側の要因が含まれていることが分かっています。男性も35歳を過ぎると精子の質が変化し、DNA損傷率が高まる傾向にあります。

男性に特に摂ってほしい栄養素は「亜鉛」です。「セックスミネラル」とも呼ばれ、精子の形成や運動率に深く関わっています。牡蠣、牛肉、レバー、納豆などに多く含まれます。また、精子は酸化ストレス(熱や活性酸素)に非常に弱いため、抗酸化作用のあるビタミンC、E、コエンザイムQ10も重要です。パートナーの食事に、ブロッコリーの副菜やナッツのおやつ、牡蠣料理などをさりげなく追加してみましょう。

男性の肥満・飲酒が与える精子への悪影響

精子の質を高めるためには、「何を食べるか」と同じくらい「生活習慣」が重要です。まず、肥満(BMI25以上)は男性ホルモン(テストステロン)を低下させ、精子の数や運動率を悪化させる要因になります。揚げ物やラーメンなどの高カロリー食を控え、適正体重を目指すことが精子力アップへの近道です。

また、過度な飲酒も精巣機能に悪影響を与えます。毎日の晩酌は休肝日を作る、量は適量(ビール1缶程度)に抑えるなどの配慮が必要です。そして、精子は熱に弱いため、長風呂やサウナは控え、下着は通気性の良いトランクスを選ぶことも効果的です。夫婦二人で健康的な食卓を囲むことが、最強の妊活になります。

要注意!妊活中に「避けるべき・控えるべき」食べ物・飲み物

トランス脂肪酸と超加工食品のリスク

妊活中に意識して避けていただきたいのが「トランス脂肪酸」です。マーガリン、ショートニング、ファストフード、スナック菓子、菓子パンなどに多く含まれています。トランス脂肪酸の過剰摂取は、排卵障害のリスクを高めるという研究報告があります。

また、ハムやソーセージなどの加工肉、インスタント食品などの「超加工食品」も、添加物や質の悪い脂質が多く含まれるため、頻繁な摂取は控えましょう。 もちろん、これらを「一口も食べてはいけない」と神経質になる必要はありませんが、日常的な食事からはなるべく減らし、素材の味を活かした食事を選ぶように心がけてください。

カフェイン・アルコールとの正しい距離感

「コーヒーは飲んでもいいですか?」という質問も非常に多いです。 カフェインについては、1日1〜2杯程度(200mg以下)であれば、妊娠率に大きな悪影響はないとされています。ただし、飲み過ぎは血管を収縮させ冷えの原因にもなるため、ノンカフェインの飲み物と併用するなどして調整しましょう。

アルコールについては、妊娠が判明したら完全にストップする必要があります。妊活中に関しては、排卵日以降(高温期)は控えた方が安心です。「お酒を飲まないとストレスが溜まる」という方は、排卵前の低温期に少量楽しむ程度にするなど、メリハリをつけると良いでしょう。ご主人も一緒に休肝日を作るなど、協力体制を作ることが大切です。

食事だけで補えない時は?サプリメントの賢い活用法

葉酸は「合成」がおすすめ?吸収率の違い

「葉酸は食事から摂るのが一番」と思われがちですが、実は葉酸には「天然葉酸(ポリグルタミン酸型)」と「合成葉酸(モノグルタミン酸型)」の2種類があり、体内での吸収率が異なります。食事に含まれる天然葉酸の吸収率は約50%と不安定ですが、サプリメントに使われる合成葉酸の吸収率は約85%と高く安定しています。

そのため、厚生労働省も妊活中の女性には、食事に加えてサプリメント(合成葉酸)で1日400μgを摂取することを推奨しています。「合成」と聞くと不安に思うかもしれませんが、体内で働く形に変換されやすいのはサプリメントの方なのです。食事で野菜をしっかり摂りつつ、ベースサプリとして葉酸を活用するのが賢い方法です。

医師が勧めるサプリメントの選び方

サプリメントを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 含有量: 葉酸400μg、ビタミンD 25μg(1000IU)など、必要な量がしっかり含まれているか。
  • マルチタイプ: 葉酸単体よりも、ビタミンB6、B12など、葉酸の働きを助ける栄養素や、鉄、亜鉛などが一緒に入っているマルチビタミン・ミネラルタイプが効率的です。
  • 品質: GMP認定工場(医薬品レベルの製造管理基準)で作られたものなど、信頼できるメーカーのものを選びましょう。

ただし、サプリメントはあくまで「補助」です。食事をおろそかにしてサプリメントに頼り切るのではなく、食事で足りない分を補うというスタンスを忘れないでください。

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