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医療費控除について

不妊治療にかかる費用負担を軽減できる制度のひとつが「医療費控除」です。2022年4月から不妊治療が保険適用となり、医療費控除の制度を活用することでさらに経済的な負担を減らすことができるようになりました。

不妊治療は医療費控除の対象になる?

結論から申し上げますと不妊治療は医療費控除の対象となっており、人工授精をはじめ体外受精あるいは顕微授精といった治療費用のみならず、通院にかかる交通費に至るまで幅広い費用が控除の対象として認められています。
したがって医療費控除を活用することにより、確定申告を通じて所得税の還付を受けることが可能となります。

医療費控除とは?基本の仕組みを解説

医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に世帯で支払った医療費の合計が一定額を超えた場合に、確定申告を行うことで所得税の負担を軽減できる制度です。基本的には、年間の医療費が10万円を超えた場合に適用されます(総所得金額が200万円未満の方は総所得の5%を超えた場合)。
医療費控除を受けるには確定申告が必要となりますが、会社員の方でも確定申告を行うことで還付金を受け取ることができます。還付金は申告後1〜2ヶ月程度で指定の銀行口座に振り込まれます。

2022年の保険適用で何が変わった?

2022年4月より不妊治療が保険適用となりました。これにより人工授精や体外受精、顕微授精といった治療の自己負担が原則3割となり経済的な負担が大幅に軽減されました。
保険適用には条件があり、治療開始時に女性が43歳未満であること、また体外受精・顕微授精については40歳未満で通算6回まで、40歳以上43歳未満で通算3回までという回数制限があります。保険適用外の治療であっても医療費控除の対象となりますので領収書はしっかりと保管しておきましょう。

医療費控除の対象となる不妊治療費一覧

不妊治療において医療費控除の対象となる費用は多岐にわたり、治療費そのもののみならず通院にかかる交通費なども含まれるため、以下に対象となる主な費用を詳しくご紹介します。

人工授精・体外受精・顕微授精の費用

タイミング法や人工授精(AIH)といった一般不妊治療から、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)などの生殖補助医療に至るまで、不妊治療にかかる費用は医療費控除の対象であり、採卵や胚培養、さらには胚移植にかかる費用や麻酔代などもこれに含まれます。
保険適用・自費診療にかかわらず治療目的で支払った費用であれば控除の対象となりますが、1回の体外受精で30〜60万円程度、顕微授精ではさらに高額になることもあるため、確実に申告することにより還付金を受け取りましょう。

医薬品・漢方薬の費用

不妊治療において医師から処方される薬剤についても医療費控除の対象となり、排卵誘発剤や注射薬、ホルモン補充療法に使用する薬をはじめ、内服薬や外用薬などがこれに該当します。
また治療目的で処方される漢方薬も控除の対象ですが、ドラッグストアなどで自己判断で購入したサプリメントやビタミン剤については対象外となりますので注意が必要です。

卵子凍結の保存料・保管料

がん治療などの医学的理由により卵子を凍結保存する場合にはその費用は医療費控除の対象となり、採卵から凍結保存にかかる初期費用に加え、年間の保管料も控除対象といえます。
ただし注意が必要なのは、純粋に将来に備えるための「社会的適応」による卵子凍結は自費診療となり控除対象外となる場合がある一方で、医師の診断に基づく医学的適応の場合には控除対象となりますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

通院にかかる交通費

不妊治療で病院に通院する際の交通費も医療費控除の対象となりますが、対象となるのは電車やバスといった公共交通機関を利用した際の運賃です。
領収書がない場合であっても通院日・経路・金額を記録したメモを保管しておけば申告が可能であり、遠方のクリニックに通う場合でやむを得ない理由があれば宿泊費が認められるケースもあります。ただし自家用車のガソリン代や駐車場代、あるいはタクシー代は原則として対象外ですのでご注意ください。

鍼灸・マッサージの施術費用

不妊治療の一環として受ける鍼灸やマッサージといった施術費用も医療費控除の対象となりますが、それには条件があり施術者が国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師、あるいは柔道整復師である必要があります。
妊活を謳っていたとしても、国家資格を持たない施術者によるリラクゼーション目的のマッサージや整体は対象外となりますので、施術を受ける際には資格の有無を確認しておくことをおすすめします。

医師の紹介料・紹介状作成費用

より高度な不妊治療を受けるために他の医療機関へ転院する際における、紹介状の作成費用や医師の紹介料も医療費控除の対象となります。
また助成金申請に必要な証明書の発行費用なども控除対象となります。これらは一見小さな金額に思えますが、治療期間が長くなると積み重なることから、領収書を忘れずに保管しておきましょう。

医療費控除の対象外となる費用

不妊治療に関連する費用であっても医療費控除の対象とならないものがあり、「治療目的」ではないと判断される費用については原則として控除対象外となります。以下に主な対象外費用をご紹介します。

サプリメント・ビタミン剤

妊活サプリメントや葉酸サプリ、あるいはビタミン剤などの購入費用は医療費控除の対象外です。これらは健康増進や予防目的とみなされるため、治療目的の医療費とは認められません。
不妊治療クリニックで購入したサプリメントであっても同様に対象外となりますが、医師から処方された医薬品とサプリメントは別物として区別されますので、混同しないようにしましょう。

妊娠検査薬・排卵検査薬

ドラッグストアなどで購入する妊娠検査薬や排卵検査薬は医療費控除の対象外となります。これらは自己診断のための製品であり、医師の診療や治療には該当しないためです。
タイミング法の参考にするために購入する方も多いかと思いますが、残念ながら控除対象とはなりませんのでご注意ください。

タクシー代・ガソリン代・駐車場代

通院にかかる交通費のうちタクシー代は原則として医療費控除の対象外であり、同様に自家用車で通院した際のガソリン代や駐車場代も対象となりません。
ただし例外として緊急性がある場合、あるいは体調の関係で公共交通機関を利用できないやむを得ない事情がある場合には、タクシー代が認められることもあります。その場合には領収書を保管したうえで、理由を明示できるようにしておきましょう。

リラクゼーション目的のマッサージ

疲れを癒やす目的でのマッサージやリラクゼーション目的の整体などは医療費控除の対象外です。妊活を謳っているお店であっても、国家資格を持たない施術者による施術は治療行為とはみなされないためです。
体質改善や血行促進を目的としたケアを受ける際には施術者の資格を確認したうえで、医療費控除の対象となるかどうかを事前に把握しておくことをおすすめします。

その他対象外となる費用

その他、以下のような費用も医療費控除の対象外となります。

  • 妊活セミナーや講座の参加費
  • 里帰り出産のための交通費
  • 入院時の差額ベッド代・個室代
  • 健康診断の費用
  • 医師への謝礼金
  • 保険会社への診断書作成費用

基本的に「治療に直接必要ではない費用」は対象外と覚えておくとよいでしょう。

医療費控除でいくら戻る?計算方法を解説

「医療費控除を申告するといくら戻ってくるの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。ここでは、医療費控除額と還付金の具体的な計算方法を解説します。

医療費控除額の計算式

医療費控除額は、総所得金額によって計算式が異なります。

総所得200万円以上の場合

総所得金額が200万円以上の方は、以下の計算式となります。

医療費控除額 医療費の合計 保険金等で補填された金額 - 10万円

【計算例】医療費の合計:50万円、保険金:20万円の場合

50万円 - 20万円 - 10万円 = 20万円(医療費控除額)

総所得200万円未満の場合

総所得金額が200万円未満の方は、10万円ではなく総所得の5%を差し引きます。

医療費控除額 医療費の合計 保険金等で補填された金額 総所得金額×5

【計算例】総所得:160万円、医療費の合計:30万円、保険金:10万円の場合

30万円 - 10万円 - 8万円(160万円×5%) = 12万円(医療費控除額)

還付金の計算方法と具体例

実際に戻ってくる還付金は、医療費控除額に所得税率をかけて計算します。

還付金 医療費控除額 × 所得税率

所得税率は課税所得金額によって以下のように異なります。

195万円以下5%
195万円超〜330万円以下10%
330万円超〜695万円以下20%
695万円超〜900万円以下23%
900万円超〜1,800万円以下33%

【計算例】医療費控除額:20万円、所得税率:10%の場合

20万円 × 10% = 2万円(還付金)

所得税率が高いほど還付金も多くなるため、共働きの場合は所得の高い方が申告した方が有利になるケースが多いです。

不妊治療の医療費控除を申告する方法

医療費控除を受けるためには確定申告を行う必要があります。ここでは、申告に必要な書類と具体的な申告方法を解説します。

申告に必要な書類一覧

医療費控除の申告に必要な書類は以下の通りです。

  • 確定申告書(国税庁ホームページからダウンロードまたは税務署で入手)
  • 医療費控除の明細書
  • 医療費のお知らせ(健康保険組合から届くもの)
  • マイナンバーカード(または番号確認書類+身元確認書類)
  • 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
  • 給与所得の源泉徴収票

医療費の領収書は申告時の提出は不要ですが、明細書作成時に必要となります。また、申告後5年間は保管義務がありますので大切に保管しておきましょう。

確定申告書の作成と提出方法

確定申告書は手書きで作成することもできますが、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用するとスムーズに作成できます。画面の案内に従って入力するだけで自動計算してくれるので便利です。

e-Taxでの申告方法

e-Taxを利用すれば、自宅のパソコンやスマートフォンから24時間いつでも申告が可能です。マイナンバーカードがあれば、マイナポータル連携で医療費データを自動取得することもできます。
e-Taxでの申告は書類の郵送や税務署への訪問が不要で、還付金の受け取りも早いというメリットがあります。初めての方も国税庁のホームページに詳しい手順が掲載されていますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

税務署への郵送・窓口提出

e-Tax以外にも、作成した確定申告書を管轄の税務署に郵送または直接持参して提出する方法があります。郵送の場合は申告書の控えを同封し返信用封筒を入れておくと控えを返送してもらえます。
窓口で提出する場合は書類に不備がないか確認してもらえるメリットがあります。確定申告期間中は税務署が混雑しますので時間に余裕を持って訪問することをおすすめします。

申告期限と還付申告について

医療費控除の確定申告は、医療費を支払った翌年の2月16日〜3月15日が申告期間です。ただし、医療費控除のみを目的とした「還付申告」の場合は、この期間に限らず医療費を支払った翌年の1月1日から5年間は申告が可能です。
つまり確定申告の時期を逃してしまっても、5年以内であれば還付申告によって医療費控除を受けることができます。過去の医療費について申告していなかった場合は、遡って申告することも検討してみてください。

医療費控除を申告する際の注意点

医療費控除を申告する際にはいくつかの注意点があります。事前に確認しておくことでより有利に制度を活用できます。

夫婦の医療費は合算して申告可能

医療費控除は、生計を同一にする家族の医療費を合算して申告することができます。つまり、夫婦それぞれが支払った不妊治療費を合わせて申告できるのです。
一人分の医療費だけでは10万円に届かない場合でも、夫婦や同居の家族の医療費を合算することで控除の条件を満たせるケースがあります。世帯全体の医療費を把握し漏れなく申告しましょう。
ただし、婚姻届を提出していない事実婚の場合は法律上は「生計を同一にする配偶者」とはみなされないため、医療費の合算ができない点にご注意ください。

所得が高い方が申告した方がお得?

共働き夫婦の場合、医療費控除はどちらが申告しても構いません。しかし、一般的には所得の高い方が申告した方が還付金が多くなる傾向があります。
これは、所得税率が所得に応じて高くなるためです。所得税率が20%の人と10%の人では同じ医療費控除額でも還付金が2倍違ってきます。夫婦で収入差がある場合は事前にシミュレーションして有利な方を選びましょう。

助成金・給付金を受け取っている場合

自治体からの助成金や保険会社からの給付金を受け取っている場合も医療費控除を受けることは可能です。ただし、支払った医療費から助成金・給付金の額を差し引いた金額が控除の対象となります。
例えば、治療費が30万円で助成金を10万円受け取った場合、控除計算の対象となるのは20万円(30万円-10万円)です。助成金を差し引いた後の自己負担額が10万円未満になると、医療費控除の対象外となる場合がありますのでご注意ください。

領収書は5年間保管が必要

確定申告時に領収書を提出する必要はなくなりましたが、申告後5年間は領収書を保管する義務があります。税務署から内容確認の問い合わせがあった場合に、提示を求められることがあるためです。
領収書は治療内容や金額を確認する際にも役立ちますので、月ごとにまとめてファイリングするなど、整理して保管しておくことをおすすめします。

医療費控除以外で費用負担を軽減する方法

医療費控除以外にも不妊治療の費用負担を軽減できる制度があります。これらを併用することでより効果的に経済的負担を減らすことができます。

高額療養費制度の活用

高額療養費制度は、1ヶ月(同一月内)の医療費が自己負担限度額を超えた場合に超過分が支給される制度です。2022年に不妊治療が保険適用となったことでこの制度を利用できるようになりました。
自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。例えば、70歳未満で年収約370万〜770万円の方の場合、自己負担限度額は約8万円程度です。これを超えた分は後から払い戻しを受けられます。
事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることもできます。保険適用の治療を受ける場合にはぜひ活用を検討してください。

自治体独自の助成金制度

多くの自治体では不妊治療に対する独自の助成金制度を設けています。保険適用外の先進医療や保険適用治療の自己負担分に対して助成を行う自治体もあります。
例えば東京都では、「東京都特定不妊治療費助成事業」として、先進医療にかかる費用の一部を助成しています。SEET法やタイムラプス、子宮内膜スクラッチなどが対象となっています。
助成金の内容や申請期限は自治体によって異なりますので、お住まいの市区町村のホームページや窓口で最新情報を確認してください。

民間医療保険の活用

不妊治療が保険適用になったことで民間の医療保険から給付金を受け取れる可能性が広がりました。人工授精や体外受精のための採卵などが「手術」に分類されるようになり、手術給付金の対象となるケースがあります。
また、近年は不妊治療に特化した保障を持つ医療保険も登場しています。不妊治療を始める前に現在加入している保険の保障内容を確認したり、新たな保険への加入を検討したりすることをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

質問と回答

Q1. 不妊治療や不妊検査は医療費控除の対象ですか?

A1. はい、対象です。人工授精や体外受精などの治療費はもちろん、不妊検査にかかった費用も医療費控除の対象となります。

Q2. 医療費控除の上限額はありますか?

Q2. 医療費控除対象額の上限は200万円です。年間の医療費が非常に高額になった場合でも、控除額は最大200万円までとなります。

Q3. 夫婦のどちらが申告すべきですか?

Q3. どちらでも申告可能ですが所得税率の高い方が申告した方が還付金が多くなることがあります。夫婦で収入差がある場合は事前にシミュレーションすることをおすすめします。

Q4. 助成金を受け取っていても医療費控除は受けられますか?

A4. 受けられます。ただし医療費から助成金の額を差し引いた金額が控除の対象となります。

Q5. 過去の医療費を遡って申告できますか?

A5. はい。医療費を支払った翌年から5年以内であれば還付申告として過去の医療費を申告することができます。

各種ホームページ

その他詳細については、国税庁の確定申告のページをご覧ください。

また、ご不明な点がありましたらお気軽にスタッフまでご相談ください。

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