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ピル(低用量ピル)

低用量ピルとは? 2つの目的(OCLEP)と仕組み

低用量ピル(一般的に「ピル」と呼ばれます)は、正しく理解し使用すれば女性の健康とライフスタイルを大きくサポートする薬です。

低用量ピル(ピル)の基本的な仕組み

低用量ピルは、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲスチン)」という2種類の女性ホルモンをごく少量ずつ配合した錠剤です。
毎日1回服用することで体内のホルモンバランスを人為的にコントロールし、脳に「現在妊娠している」と似た状態であると認識させます。これにより卵巣の活動がお休みモードになることで、以下の3つの作用で妊娠を防ぎます。

排卵の抑制卵巣からの排卵(卵子が飛び出すこと)を止めます。これが最も主たる避妊の仕組みです。
子宮頸管粘液の変化子宮の入り口の粘液を粘り気のある状態に変え、精子が子宮内に進入するのを防ぎます。
子宮内膜の菲薄化受精卵が着床(ベッド)となる子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、万が一排卵・受精しても着床しにくい状態にします。

これらの作用は一時的なもので、ピルの服用を中止すれば体は元の状態に戻ります。ピルが将来の不妊の原因になることはないためご安心ください。

ピルには2種類ある:避妊目的(OC)と治療目的(LEP

ピルについて調べると価格の違う薬が見つかり混乱することがあります。この価格差の理由は、ピルが使用目的によって大きく2種類に分けられ健康保険の適用が異なるためです。

OC (Oral Contraceptives / 経口避妊薬)

目的「避妊」を主目的とするピルです。
保険避妊は病気の治療ではないため、健康保険が適用されず「自費診療」となります。
特徴費用は全額自己負担となるため、LEPよりも高額になります。

LEP (Low dose Estrogen Progestin / 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)

目的「月経困難症(ひどい生理痛)」や「子宮内膜症」の治療を主目的とするピルです。
保険医師が「治療が必要」と診断した場合、健康保険が適用され「保険診療」となります。
特徴費用は3割負担となるためOCよりも安価になります。LEPも排卵を抑制するため避妊効果は期待できますが「避妊目的です」と希望して処方してもらうことは日本の制度上できません。

成分はほぼ同じですが、日本国内では「目的」によって明確に使い分けられています。

ピルの種類(世代・相性)

ピルにはホルモンの配合バランスによっていくつかの種類があります。

相性による分類

1相性(いっそうせい)シートに含まれる実薬(ホルモンが入った錠剤)すべてのホルモン配合量が一定のタイプです。服用する順番を間違える心配がありません。
3相性(さんそうせい)自然な月経周期のホルモン変動に近づけるため、錠剤を飲む時期によってホルモン配合量が3段階に変化するタイプです。

剤形による分類

21錠タイプ21日間実薬を服用し、その後7日間は薬を飲まない「休薬期間」を設けます。
28錠タイプ21日間の実薬に加えて、飲み忘れを防ぐための「偽薬(プラセボ)」が7日分含まれています。偽薬を飲んでいる7日間に生理(正確には消退出血)が来ます。

どのピルが最適かは目的(避妊か治療か)や体質、ライフスタイルによって異なります。まずはご相談ください。

低用量ピルの効果:避妊と7つの副効用

低用量ピルには主たる目的である「避妊」以外にも、女性のQOL(生活の質)を向上させる多くの好ましい効果があります。これらは「メリット」とも呼ばれますが医学的には「副効用(ふくこうよう)」と呼ばれます。

1. 確実な避妊効果(正しい服用で99.7%

低用量ピルの最もよく知られた効果は、OC(経口避妊薬)としての確実な避妊効果です。毎日正しく服用した場合、避妊の成功率は99.7%と報告されています。

比較として、コンドームの一般的な使用における失敗率(望まない妊娠に至る割合)は2%〜18%とも言われており、いかにピルが確実な避妊方法であるかがわかります。ただし、飲み忘れがあると避妊効果は低下するため毎日の服用ルールを守ることが非常に重要です。

2. 月経痛(生理痛)の緩和

LEPの主な適応であり、ピルの副効用として最も実感しやすい効果の一つが月経痛(月経困難症)の劇的な緩和です。ピルは子宮内膜が厚くなるのを抑えるため、生理痛の原因物質である「プロスタグランジン」の産生が減少します。これにより子宮の過度な収縮が抑えられ、あのつらい生理痛や腰痛が軽減されます。

3. PMS(月経前症候群)の改善

生理前になるとイライラする、気分がひどく落ち込む、頭痛や腹痛が起こる、といったPMS(月経前症候群)に悩む女性は少なくありません。PMSは排卵後に起こる急激なホルモン変動が原因とされています。ピルは排卵を止め体内のホルモンバランスを低量で安定させるため、これらの不快なPMS症状を大幅に改善する効果が期待できます。

4. 月経周期の安定と経血量の減少

ピルを服用すると28日周期で正確に出血(消退出血)が起こるようになります。「いつ生理が来るかわからない」という月経不順(生理不順)のストレスから解放され、旅行や仕事の予定が立てやすくなります。また、子宮内膜が薄く保たれるため経血量が明らかに減少します。経血量が多い「過多月経」や、それに伴う貧血の症状改善にもつながります。

5. ニキビ・肌荒れの改善

生理前にニキビが悪化しやすいのはホルモンバランスの影響です。ピルの中には皮脂の分泌を促す男性ホルモン(テストステロン)の働きを抑える作用を持つものがあります。これにより、皮脂の過剰な分泌が抑えられニキビや肌荒れが改善するという副効用が報告されています。

6. 子宮内膜症の予防・治療

子宮内膜症は、本来子宮の内側にあるべき組織が卵巣や腹膜など別の場所で増殖してしまう病気で、激しい生理痛や不妊の原因となります。ピルは排卵を止め子宮内膜の増殖を抑えるため、子宮内膜症の進行を抑制し症状を緩和する「治療薬」として使用されます。

7. 特定のがん(卵巣がん・子宮体がん)のリスク低下

ピルの長期服用は将来的な健康にもメリットをもたらすことがわかっています。ピルを服用すると、卵巣が排卵のたびに傷つく回数が減るため卵巣がんの発生リスクが低下します。また、子宮内膜の増殖が抑えられることで子宮体がんのリスクも低下させることが報告されています。

低用量ピルの副作用と主なリスク

ピルは多くのメリット(副効用)を持つ一方で、医薬品であることから副作用やリスクも存在します。不安を煽る情報も多いですが、正しく理解しリスクを管理することが重要です。

飲み始めの「マイナートラブル」

ピルの服用を開始した直後(特に最初の1〜3ヶ月)は、体が新しいホルモンバランスに慣れるまで一時的な不快な症状が出ることがあります。これらは「マイナートラブル」と呼ばれます。

  • 吐き気、むかつき
  • 頭痛
  • 乳房の張り、痛み
  • 不正出血(生理以外の少量の出血)
  • だるさ、むくみ

これらの症状は妊娠初期の「つわり」に似た状態ですが、多くの場合、服用を継続しているうちに(3シート目=3ヶ月程度)自然に軽快していきます。不正出血が続く場合や症状が日常生活に支障をきたすほどつらい場合は、ピルの種類が体に合っていない可能性もあるため自己判断で中止せずご相談ください。

重大な副作用:「血栓症」のリスクと初期症状

ピルの副作用として最も注意すべきものが「血栓症(静脈血栓塞栓症)」です。血栓症とは血管の中で血の塊(血栓)ができ、血管を詰まらせてしまう病気です。

ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)には血液を固まりやすくする作用がわずかにあるため、ピルを服用していない人と比較すると血栓症のリスクが若干高まることが報告されています。

ただしこのリスクを過度に恐れる必要はありません。例えば、ピル服用中の血栓症リスクは「妊娠中」や「出産直後」の女性が経験する血栓症のリスクよりもはるかに低いことがわかっています。

以下のような方は血栓症のリスクが高まるためピルを処方できない(禁忌)か、慎重な処方が必要となります。

  • 40歳以上の方(特に40歳以上で初めてピルを飲む方)
  • 肥満(BMIが30以上)の方
  • 喫煙者(特に35歳以上で1日15本以上吸う方)
  • 前兆(閃輝暗点など)を伴う片頭痛のある方
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症の方
  • 血栓症の既往歴や家族歴がある方

安全に服用するため、処方前の問診でこれらのリスクを正確に医師に伝えることが重要です。

見逃してはいけない!血栓症の初期症状「ACHES(アックス)」

血栓症は早期発見が何よりも重要です。万が一、ピル服用中に以下の「ACHES(アックス)」と呼ばれる初期症状のいずれかが現れた場合は、直ちにピルの服用を中止し救急病院など(夜間や休日の場合は救急外来)を必ず受診してください。

  • A = Abdominal pain (激しい腹痛)
  • C = Chest pain (激しい胸痛、息苦しさ、押しつぶされるような痛み)
  • H = Headache (今までに経験したことのない激しい頭痛、しびれ)
  • E = Eye problems (目の痛み、見えにくい、視覚の異常)
  • S = Severe leg pain (ふくらはぎの激しい痛み・むくみ・赤み、しびれ)

「ピルを飲むと太る」は本当? 医学的根拠と対策

「ピルを飲むと太る」という噂はピルの服用をためらう最も大きな理由の一つです。この不安について、医学的な観点から詳しく解説します。

ピル自体に「脂肪を増やす」作用はない

結論から言うと、「ピルを服用すると体脂肪が直接増える」という医学的根拠はありません。かつて使用されていた中用量ピル(現代の低用量ピルよりホルモン量が多かった)のイメージや、後述する「むくみ」や「食欲増進」による一時的な体重変化が「ピル=太る」という俗説(都市伝説)として広まったと考えられます。

「太った」と感じる2つの医学的理由

では、なぜ「太った」と感じる方がいるのでしょうか。それには、ピルに含まれる2種類の女性ホルモンによる医学的に説明可能な2つの理由があります。

むくみ(水分貯留)による一時的な体重増加ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)には、体に水分を溜め込みやすくする「保水作用」があります。これにより服用初期に顔や手足が「むくむ」と感じたり、体重計の数字が1〜2kg増加したりすることがあります。これは脂肪が増えたのではなくあくまで一時的な水分の増加です。
食欲増進による摂取カロリーの増加もう一つの黄体ホルモン(プロゲスチン)には食欲を増進させる作用があります。生理前に無性に食欲がわく経験がある方もいるかもしれませんが、それに似た状態が起こることがあります。ピルのせいだとは気づかずいつもより摂取カロリーが増えてしまい、結果として体重増加につながる可能性はあります。

ピル服用中にできる体重管理・むくみ対策

「太った」と感じる原因が「むくみ」や「食欲」であるならば、対処は可能です。

これらの症状も吐き気などのマイナートラブルと同様に、服用開始後1〜3ヶ月で体が慣れると自然に落ち着くことがほとんどです。

その上で、服用初期は以下の点に気をつけてみましょう。

  • むくみ対策:塩分の多い食事を控える、カリウム(海藻、バナナなど)を適度に摂る、体を冷やさない、適度な運動やマッサージで血行を良くする。
  • 食欲対策:食欲が増していることを自覚し、食事の際はよく噛んで食べる、高カロリーな間食を避ける、食事量を調整する。

これらの対策は、ピルの重大な副作用である血栓症の予防(血行促進)にもつながる健康的な生活習慣そのものです。

低用量ピルの正しい飲み方

ピルの効果(避妊・副効用)を最大限に引き出し副作用のリスクを最小限にするためには、定められたルール通りに正しく服用を継続することが最も重要です。

ピルの基本的な飲み方

低用量ピルの基本的なルールは、「1日1回1錠を、毎日なるべく同じ時間」に水またはぬるま湯で服用することです。
「同じ時間」に飲む理由は体内のホルモン濃度を一定に保つためです。アラームをセットするなど飲み忘れを防ぐ工夫をしましょう。食事の前後などは問いませんが胃腸が弱い方で吐き気が心配な場合は、就寝前の服用にするなど生活リズムに合わせて時間を決めると続けやすくなります。

21錠タイプと28錠タイプの違い

ピルのシートには21錠タイプと28錠タイプがあります。

21錠タイプすべてが実薬(ホルモンが入った錠剤)です。21日間毎日1錠飲み、その後7日間は薬を飲まない「休薬期間」を設けます。この休薬期間中に生理(消退出血)が来ます。7日間の休薬が終わったら翌日から新しいシートの服用を開始します。
28錠タイプ21錠の実薬と、7錠の偽薬(プラセボ=ホルモンが入っていない錠剤)が1セットになっています。21日間実薬を飲んだ後、続けて7日間偽薬を飲みます。偽薬を飲んでいる間に生理が来ます。28錠すべて飲み終えたら翌日から新しいシートの服用を開始します。

28錠タイプは休薬期間中も薬を飲む習慣を続けることで、次のシートの飲み忘れを防ぐために開発されたものです。どちらのタイプでも薬の効果は同じです。

いつから飲み始める?(Day1スタート)

ピルを初めて飲む場合、月経(生理)が始まった日(Day1)から飲み始める「Day1スタート」が一般的です。この方法で飲み始めた場合その周期の初日から高い避妊効果が期待できるとされています。

もし生理初日に間に合わなかった場合でも生理開始5日目までであれば飲み始めることは可能ですが、その場合は服用後7日間が経過するまでコンドームなど他の避妊法を併用することが推奨されます。

【重要】ピルを飲み忘れた場合の対処法

ピルを毎日同じ時間に飲み続けるのは慣れるまで大変なことです。もし飲み忘れてしまった場合も、パニックにならず以下のルールに従って冷静に対処してください。これはピルを服用する上で重要な知識です。

1日(1錠)飲み忘れた場合

(最後に飲んだ時間から24時間以上、48時間未満の遅れ)

飲み忘れが1日(1錠)だけの場合、避妊効果への影響はほとんどありません。

対処法:

「気づいた時点」で、すぐに飲み忘れた1錠を服用してください。
そして、その日の分の錠剤も「いつもの通常の時間」に服用します。
(結果として、1日に2錠服用することになる場合もありますが、問題ありません)
翌日からはまた通常通り1日1錠をいつもの時間に服用を続けます。この場合アフターピル(緊急避妊薬)の服用や他の避妊法の併用は必要ありません。

2日(2錠)以上連続で飲み忘れた場合

(最後に飲んだ時間から48時間以上の遅れ)

2日(2錠)以上連続して飲み忘れた場合、排卵が再開してしまう可能性があり避妊効果は低下していると考えられます。

対処法

「気づいた時点」で直近の飲み忘れた1錠をすぐに服用します。
その日の分の錠剤も「いつもの通常の時間」に服用します。(この日も1日に2錠飲む可能性があります)。2日以上前の、古い飲み忘れの錠剤は破棄します。
【重要】 翌日以降は通常通り服用を続けますが、その後7日間連続で正しく服用できるまではコンドームを使用するなど他の避妊法を必ず併用してください。

飲み忘れた時期別の注意点

2日以上飲み忘れた場合、それがシートの「第何週」の出来事かによって追加の対処が必要になる場合があります。

シートの第1週に飲み忘れた場合

第1週(1〜7錠目)の飲み忘れは、直前の休薬期間(または偽薬期間)と合わせてホルモンが体内からなくなる期間が長くなるため、最も排卵が起こりやすく妊娠のリスクが高い時期です。

追加対処:

上記の「2日以上飲み忘れた場合」の対処法(服用再開+7日間のコンドーム併用)に加えて、飲み忘れに気づく前の5日以内に性交渉があった場合は妊娠の可能性があるため、緊急避妊ピル(アフターピル)の服用を検討する必要があります。

シートの第3週に飲み忘れた場合

第3週(15〜21錠目)に飲み忘れた場合そのまま休薬期間に入ると排卵のリスクが高まります。

追加対処:

上記の「2日以上飲み忘れた場合」の対処法(服用再開+7日間のコンドーム併用)に加えて、今のシートの実薬(21錠目まで)をすべて飲み終えたら、7日間の休薬期間(または偽薬)を取らずにすぐに次のシートの1錠目を飲み始めてください。
これは、ホルモンが体からなくなる期間(休薬期間)を設けず、連続してホルモンを投与し続けることで、卵巣が活動を再開(排卵)してしまうのを防ぐためです。

飲み忘れ対処法避妊効果1週の追加対処3週の追加対処
1日(1錠)   (〜48時間未満)気づいた時に1錠飲み、当日分も通常時間に飲む。維持される(影響小)特になし特になし
2日(2錠)以上   (48時間以上)気づいた時に直近の1錠を飲み、当日分も通常時間に飲む。低下している   (以降7日間はコンドーム併用)直前5日以内の性交渉でアフターピルを検討 今のシート終了後、休薬せず次のシートへ

ピル処方の流れと必要な検査

ピル処方の流れ(問診〜処方まで)

初めてピルを処方される場合、以下の流れで進みます。

1. 受付・問診票の記入受付後、月経周期、最終月経日、妊娠・出産の経験、既往歴、アレルギー、家族歴(血栓症など)、喫煙の有無などを問診票に詳しく記入します。
2. 血圧測定・体重測定ピルの処方には血圧の管理が重要です。また、肥満度(BMI)も血栓症リスクの判断材料となります。
3. 医師による問診問診票に基づき、医師が直接お話(月経の状態、悩み、ピル処方の目的など)を伺います。特に血栓症のリスク(喫煙、片頭痛、既往歴など)について詳しく確認します。
4. ピルの説明医師がピルの種類、効果、副作用(特に血栓症リスク)、正しい飲み方、飲み忘れた場合の対処法などを詳しく説明します。
5. 処方・会計説明に納得いただけたらピルが処方されます。

処方時に「内診」は必要?

婦人科受診の最大の障壁が「内診(診察台での診察)」への抵抗感かもしれません。

結論から申し上げますと、避妊目的(OC)や月経不順の改善などでピル処方 のみ を希望される場合、原則として内診は必須ではありません。

ただし、以下のような場合は内診や経腟超音波(エコー)検査が推奨されます。

  • ひどい生理痛(月経困難症)があり、その原因(子宮内膜症や子宮筋腫など)を調べる必要がある場合。
  • 長期間にわたる不正出血など、他の病気が隠れていないか確認する必要がある場合。

当院では、患者さまの意向を最大限尊重し不必要な内診は行いません。内診に不安がある方は遠慮なくスタッフにお声がけください。

なぜ血液検査が推奨されるのか

血液検査

ピル処方時(または服用中の定期的チェックとして)、血液検査を推奨しております。これはピルを安全に服用できる健康状態かどうかを確認するためです。

主なチェック項目は以下の通りです。

肝機能ピルは肝臓で代謝されるため、肝機能に問題がないか確認します。
凝固系(Dダイマーなど)血液が固まりやすい状態(血栓症のリスク)になっていないかをスクリーニングします。
貧血の有無過多月経の方の場合、貧血の程度を確認します。

安全な服用を継続するために、定期的な血液検査は非常に重要です。

低用量ピルの費用:保険適用と自費診療の比較

低用量ピルの服用には継続的に費用がかかります。ご自身の目的が「保険適用」になるのか「自費診療」になるのかを理解しておくことが重要です。

保険適用(LEP)の場合の費用目安

「月経困難症(ひどい生理痛)」や「子宮内膜症」の治療目的で処方されるLEPの場合、健康保険が適用され費用は3割負担となります。

薬剤費の目安(1シートあたり):約800円〜1,500円

(ヤーズ、ヤーズフレックス、ルナベル、フリウェル、ジェミーナなど、薬剤の種類によって異なります)

自費診療(OC)の場合の費用目安

「避妊」目的で処方されるOCの場合、健康保険は適用されず全額自己負担の自費診療となります。

薬剤費の目安(1シートあたり):約2,000円〜3,300円

(マーベロン、ファボワール、ラベルフィーユ、トリキュラー、アンジュなど、薬剤の種類よって異なります)

忘れてはいけない:別途かかる費用(初診料・検査料)

上記の金額は、あくまで「ピル1シート(約1ヶ月分)の薬剤費」です。

初めて処方を受ける日(または定期検診日)には、これらに加えて以下の費用が別途必要となります。

  • 初診料(保険診療の場合:約1,000円弱 / 自費診療の場合:約2,000円〜3,000円)
  • 血液検査料(約2,000円〜4,000円程度)
  • その他、超音波検査などを行った場合はその費用

低用量ピルに関するよくある質問(Q&A

Q1. ピルをやめたら、将来妊娠しにくくなりますか?

A1. いいえ、なりません。

ピルを服用していても卵巣の機能が低下することはありません。服用を中止すれば、1〜3ヶ月程度で排卵が自然に回復し妊娠可能な状態に戻ります。ピルが不妊の原因になるという医学的根拠は一切ありません。

Q2. ピルは何歳から何歳まで飲めますか?

A2. 初めての生理(初経)が来ていれば、10代(中学生・高校生)からでも服用可能です。

上限については、喫煙の有無や健康状態にもよりますが一般的には閉経(平均50歳頃)まで服用を続けることが可能です。ただし血栓症のリスクは加齢とともに上昇するため、40歳以上で初めてピルを服用する場合はリスクとベネフィットを慎重に判断する必要があります。

Q3. 授乳中でも飲めますか?

A3. 産後6ヶ月以上が経過していれば服用可能とされていますが、ピルに含まれるホルモンが母乳の量や質に影響を与える可能性がゼロではありません。産後6週以内は血栓症リスクが高いため服用できません。授乳中のピル服用については必ず医師にご相談ください。

Q4. ピルを飲めない人(禁忌)は?

A4. 以下に該当する方は血栓症などのリスクが高いため、原則としてピルを服用できません(禁忌)。

  • 妊娠中、またはその可能性がある方
  • 産後6週以内の方
  • 35歳以上で1日15本以上喫煙する方
  • 前兆(閃輝暗点など)を伴う片頭痛のある方
  • 高血圧(重度)、糖尿病(血管障害合併)の方
  • 血栓症(深部静脈血栓症、脳梗塞、心筋梗塞など)の既往歴がある方
  • 乳がん、子宮体がん、またはその疑いがある方
  • 原因不明の不正出血がある方

必ず処方前の問診で健康状態を正確に医師に伝えてください。

Q5. ピルは性感染症(STD)も予防できますか?

A5. できません。

ピルはあくまで「排卵を止める」ことで妊娠を防ぐ薬です。HIV(エイズ)、クラミジア、梅毒、淋病、HPV(ヒトパピローマウイルス)といった性感染症(STD)は一切予防できません。性感染症の予防には、ピルを服用している場合でも必ずコンドームの使用を併用してください。

最後に

当院ではピル処方に関する専門的な知識と豊富な経験を持つ女性医師が、患者さま一人ひとりのお悩みやライフスタイルに寄り添った処方を心がけています。

ピルに関するご相談、月経に関するお悩みはどうぞお気軽に当院までお問い合わせください。

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