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不妊治療は男性も重要!約50%が男性が原因の現実と現役胚培養士が教える精子の真実。

  • 公開日:2026.04.05
  • 更新日:2026.04.05
不妊治療は男性も重要!約50%が男性が原因の現実と現役胚培養士が教える精子の真実。|不妊治療なら生殖医療クリニック錦糸町駅前院

「今月もまた生理が来てしまった……」

トイレの中で真っ白なおりものシートを見つめ、声に出さずに涙を流した経験が、あなたにもあるのではないでしょうか。基礎体温を毎日測り、痛みを伴う検査やホルモン注射にもじっと耐え、「どうして私だけ妊娠できないんだろう」「私の体のどこかが悪いのかもしれない」と、たった一人でご自身を責め続けていませんか?

どうか、今日からはもう、あなた一人で背負い込むのはやめにしてください。 なかなか妊娠に結びつかない理由は、決してあなただけの問題ではありません。実は、不妊に悩むご夫婦の「約半分」は、ご主人側(男性)の体にも原因が隠れているのです。

「私に原因があるの?」と一人で自分を責めている奥様へ

なぜ妻ばかりが悩み、傷つく構造になっているのか

「妊活」や「不妊治療」と聞くと、どうしても女性が主体となって病院に通うもの、というイメージが社会に根付いてしまっていますよね。女性は毎月、基礎体温のグラフとにらめっこをし、生理が来るたびに体のわずかな変化に敏感になります。一方で男性は、日常生活で問題なく射精ができていれば、自分の体に生殖機能の低下が起きているとは夢にも思いません。そのため、「まずは奥さんが病院で診てもらってよ」というスタンスになりがちです。その結果、女性だけが何度も通院し、時には痛い思いをして検査を受け、それでも結果が出ない時に「私がいけないんだ」と深い自己嫌悪に陥ってしまうという、非常に辛い構造ができあがっているのです。

不妊の「約半分」は男性に原因があるという真実

しかし、医学的なデータは全く別の事実を語っています。世界保健機関(WHO)や日本生殖医学会の報告によれば、不妊に悩むカップルのうち、女性のみに原因があるケースは約41%、男性のみに原因があるケースは約24%、男女両方に原因があるケースが約24%です [※1]。これらを合わせると、全体の「約48%(ほぼ半分)」のケースにおいて、男性側に何らかの不妊原因が関与していることがわかります。妊娠は、元気な卵子と元気な精子が出会って初めて成立するものです。だからこそ、「なかなか授からない」と悩んだときは、女性だけが一人で検査を受けるのではなく、必ずご夫婦「同時」にお互いの体の状態を知ることが、赤ちゃんに出会うための最も確実な近道なのです。

夫が男性不妊になる「見えない」3つの理由

理由① 造精機能の低下と「精索静脈瘤」

男性不妊の原因の中で、圧倒的に多い(約80%)のが「造精機能障害」です。これは、精巣(睾丸)で精子をたくさん作ったり、元気に泳ぐ精子を作ったりする機能が低下している状態です。その代表的な原因疾患が「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」です。これは、精巣の周りの静脈の血流が滞ってしまい、こぶ(静脈瘤)ができる病気です。一般の健康な男性でも約15%に見られます。このこぶができると精巣の温度が上がり、精子がうまく作られなくなってしまいます。しかし、泌尿器科での日帰り手術などでこの静脈瘤を治療すると、精子の状態が劇的に改善し、自然妊娠に至るケースも少なくありません。

理由② 日常生活に潜む「熱」と「加齢」のダメージ

男性の精巣が体の外にぶら下がっているのには理由があります。精子を作る機能は「熱」に非常に弱く、体温よりも2〜3度低い環境(33〜34℃)で最も活発に働くようにできているからです。近年ブームとなっているサウナの頻繁な利用や、熱いお風呂への長時間の入浴、ピタッとしたボクサーパンツの着用、さらにはテレワークで膝の上にノートパソコンを置いて作業することなどは、精巣の温度を上げ、精子に深刻なダメージを与えます。また、「男性はいくつになっても子供が作れる」というのは幻想であり、男性も35歳や40歳を過ぎると精子の運動率が低下し、DNAのダメージが蓄積しやすくなることが明らかになっています [※1]。

理由③ 妊活のプレッシャーが引き起こす「性機能障害(ED)」

30代・40代の妊活において、ご夫婦の大きな悩みになりやすいのが、勃起障害(ED)や射精障害といった「性機能障害」です。特に多いのが「妊活ED」と呼ばれる心因性のものです。「今日が排卵日だから絶対にしなければ」「早く子供を作らなきゃ」という奥様からの(あるいはご自身への)無言のプレッシャーが極度のストレスとなり、交感神経が緊張して、いざという時に体が反応しなくなってしまうのです。これはご主人の「心が弱い」からでも、「あなたへの愛情が冷めた」からでもありません。極度の緊張からくる自然な身体反応であることを、まずは奥様が優しく理解してあげてください。

精液検査のリアル。数値に一喜一憂しないための正しい見方

検査は痛みがなく、すぐに現状がわかる大切な一歩

女性の不妊検査(卵管造影検査や採血など)が痛みを伴うことが多いのに比べ、男性の生殖機能を知るための第一歩である「精液検査」は、体への痛みや負担が全くありません。ご自宅、あるいはクリニックの専用ルーム(採精室)でマスターベーションによって精液を容器に採取し、それを私たち胚培養士が顕微鏡で詳しく調べるというシンプルなものです。この検査一つで、精子の「濃度(量)」、「運動率(元気の良さ)」、「正常形態率(奇形がないか)」といった、治療方針を決めるための極めて重要な情報が手に入ります。

WHOの基準値は「妊娠できる・できない」の絶対的ボーダーではない

検査結果の用紙には、WHO(世界保健機関)が定めた基準値(精子濃度1,600万/ml以上、運動率42%以上など)が記載されています。この数値を見て、基準より少しでも低いと「うちは男性不妊だ、もうダメだ」と絶望してしまう方がいますが、どうかパニックにならないでください。この基準値は、「1年以内に自然妊娠できた男性の下位5%の数値」を参考にした『目安』に過ぎません。また、精子の状態はその日の体調やストレス、睡眠時間によって大きく変動するため、一度の検査結果だけで全てが決まるわけではありません。少し間を空けて再検査をすると、基準値を軽々とクリアすることもよくあるのです。

数値には表れない「精子DNAの損傷」という落とし穴

近年、生殖医療の現場で「精液検査の数字以上に重要だ」と注目されているのが、「精子DNAの断片化(DNAの損傷:DFI)」です。顕微鏡で見た時の「数」や「運動率」がどんなに良くても、ストレスや加齢、喫煙などの影響で、精子の頭の中にあるDNA(遺伝情報)が細かく傷ついてしまっていることがあります。このDNAの傷が多い精子で受精した場合、受精自体はしても、その後の細胞分裂が途中で止まってしまい「胚盤胞」まで育たなかったり、初期の流産を引き起こしたりすることが医学的に明らかになっています [※1]。何度体外受精をしても上手くいかない場合、この「目に見えない精子の質」に目を向ける必要があります。

夫のプライドを傷つけずに「検査」へ誘導する魔法のコミュニケーション

なぜ男性は自分の検査を嫌がり、不機嫌になるのか

「夫に検査に行ってほしいけれど、どう伝えればいいか分からない。怒らせてしまいそうで怖い」と、診察室で涙を流される奥様は非常に多いです。男性にとって、自分の生殖機能を検査されることは、男性としてのプライドやアイデンティティを直接ジャッジされるような、底知れぬ恐怖を感じる出来事です。「もし自分に原因があって、妻を悲しませたらどうしよう」「欠陥品だと思われるのではないか」。そんな不安と恐怖の裏返しとして、不機嫌になったり、検査を先延ばしにしたりしてしまうのです。まずはその「繊細な男心」を理解してあげることが第一歩です。

夫婦の溝を深めるNGワードと、前向きにさせるOKワード

検査を勧める際、絶対にやってはいけないNGワードがあります。それは「私ばかり痛い思いをしてるんだから、あなたも検査くらい行ってよ!」と責めることです。これを言われると、男性は完全に心を閉ざしてしまいます。代わりに、「早く二人の赤ちゃんに会いたいから、治療の最短ルートを探す作戦会議に協力してくれないかな?」「男性の検査は痛くないから、私の体の負担を減らすためにもお願いしたいな」というOKワードを使ってみてください。あくまで「あなたを責めているわけではなく、二人の未来のためのポジティブな提案だ」ということを伝えるのが、夫の心を動かす魔法の鍵です。

まずは「一緒にクリニックの先生の話を聞きに行く」ことから

「それでもどうしても夫が検査を渋る」という場合は、無理に検査を受けさせようとせず、まずは「私の付き添いでいいから、一緒に先生の話を聞きに行ってくれない?」と誘ってみてください。ご夫婦で診察室に入り、第三者である私たち医師から直接、「不妊の半分は男性にも原因があるんですよ」「お二人の状態を早く知ることが、奥様の負担を減らす一番の方法ですよ」と客観的にお話しすると、すっと肩の力が抜け、「じゃあ、一回検査してみようかな」と前向きになってくださる男性は本当に多いのです。

精子の質は今日から変えられる!ご夫婦で始める生活習慣の改善

何よりもまず「禁煙」と「適度な飲酒」を

もし検査で少し数値が悪かったとしても、精子の質は日々の努力で改善することができます。こども家庭庁が推進する「プレコンセプションケア(妊娠前からの健康づくり)」でも強く言われている通り、最大の敵は「タバコ」です。喫煙は精子のDNAを容赦なく破壊します。赤ちゃんを迎える準備として、ご夫婦ともに禁煙は絶対条件だと考えてください。また、過度なアルコールも精子形成に悪影響を与えます。毎日の晩酌の量を少し減らしたり、休肝日を設けたりすることから始めてみましょう。

サウナや長風呂はNG!精巣を涼しく保つ工夫

先ほどお話しした通り、精巣は「熱」に非常に弱いです。精子を元気にするためには、日常的に精巣を「涼しく保つ」工夫が必要です。 具体的には、妊活期間中はサウナや長時間の熱いお風呂は控えること。そして、下着は熱がこもりやすいブリーフやボクサーパンツよりも、風通しの良いトランクスを選ぶことをお勧めします。また、長時間のデスクワークの際は、1時間に1回は立ち上がって股間の熱を逃がすようにご主人に伝えてあげてください。

「禁欲して溜める」は逆効果。理想の射精ペースとは

「精液検査や排卵日に向けて、なるべく長く我慢(禁欲)して精子をたくさん溜めたほうがいいですよね?」という質問をよく受けますが、これは生殖医療の観点からは大きな間違いです。体内で作られた精子は、長く留まっているとどんどん古く老化し、酸化ストレスによってDNAが傷ついてしまいます [※1]。一番元気で新鮮な精子を届けるためには、禁欲期間は「1〜3日程度」と短めにするのが理想的です。定期的に射精して、常にフレッシュな状態を保つことが大切です。

精子の発育を助けるサプリメント(亜鉛・抗酸化物質・葉酸)

忙しい毎日の食事だけで必要な栄養を摂るのが難しい場合は、サプリメントの力を借りるのも賢い選択です。 男性に特にお勧めしたいのが、精子を作るのを助けるミネラルである「亜鉛」や、精子を酸化ストレス(サビ)から守ってくれる「ビタミンC」「ビタミンE」「コエンザイムQ10」などの抗酸化物質です。また、女性が飲むイメージの強い「葉酸」も、実は精子のDNA合成に必須の栄養素です。妊活中はご夫婦で一緒に葉酸サプリを飲む習慣をつけると良いでしょう。

数値が悪くても希望はある。最新の生殖医療が叶える夢

負担の少ない「人工授精」で受精をサポート

もしご主人の精液検査の結果が、基準値を少し下回る「軽度の男性不妊」だった場合、いきなり体外受精に進むのではなく、「人工授精(AIH)」という負担の少ない治療から始めることが可能です。これは、ご提出いただいた精液をクリニックの培養室で遠心分離などの処理にかけ、元気に動いている精子だけをギュッと集めて、奥様の排卵のタイミングに合わせて細いチューブで子宮の奥深くへ直接届けてあげる方法です。精子が卵子に出会うまでの長い道のりをショートカットできるため、妊娠の確率をぐっと高めることができます [※3]。

たった1個の精子がいれば可能な「顕微授精(ICSI)」

精子の数が極端に少ない、あるいは動きが非常に悪い場合でも、現代の医療には「顕微授精(ICSI)」という強力な希望の光があります。これは、熟練した胚培養士が顕微鏡を見ながら、数ある精子の中から「たった1個」の形が綺麗で元気な精子を選び出し、髪の毛より細い針を使って卵子の中に直接注入して受精させる技術です。極端な話、精液の中に生きている精子が「1個」でも見つかれば、受精させ、命を育むことができるのです [※3]。

より質の高い精子を選び抜く先進医療「Zymot」と「IMSI」

さらに当院では、ただ動いている精子を選ぶだけでなく、「目に見えないDNAの損傷が少ない、本当に質の高い精子」を選び抜くための最新技術(先進医療)を導入しています。「Zymot(ザイモート)」 は、遠心分離機による物理的ダメージを与えず、特殊なフィルターを使って精子自身の「泳ぐ力」を利用して、DNA損傷の少ない元気な精子だけを集める技術です。「IMSI(イムジー)」 は、通常の顕微鏡の数倍となる超高倍率の顕微鏡を使用し、精子の頭部に微細な異常(空胞)がないかを確認し、最も状態の良い精子を選んで顕微授精を行う技術です。これらの技術を駆使することで、男性不妊の壁を越え、元気な受精卵(胚盤胞)が育つ確率を飛躍的に高めることができます。

働くご夫婦のための、生殖医療クリニック錦糸町駅前院の男性不妊サポート

男性不妊の治療を進める上で、「仕事が忙しくて通えない」「待合室で女性ばかりの中にいるのが苦痛だ」という男性の声は非常に多いです。当院(生殖医療クリニック錦糸町駅前院)は、そうしたご夫婦のストレスをゼロにするための環境を徹底的に整えています。

お忙しいご夫婦が無理なく通院できるよう、当院は朝8時から夜21時まで、土日・祝日も休まず診療を行っております。お会計の待ち時間をなくす「事後決済システム」も導入し、貴重な時間を無駄にしません。また、デリケートな男性の心理に配慮し、待合室はプライバシーを厳守する半個室。精液を採取するお部屋も完全個室のメンズルームをご用意しています。培養室には「Zymot」や「IMSI」などの最新設備を完備。女性医師の温かい診療と、臨床心理士によるメンタルケアで、ご夫婦の不安に全力で寄り添います。

男性不妊に関するQ&A 7選

質問と回答

Q1. 夫が忙しくてクリニックに行けません。検査は自宅で採ってもいいですか?

A1. はい、大丈夫ですよ。ご自宅で専用の清潔な容器に採精していただき、奥様がクリニックにお持ちいただくことも可能です。ただし、時間が経つと精子が弱ってしまうため、採取から「2時間以内」にはお持ちください。また、寒さに弱いので、タオルで包むなどして人肌くらいの温度で運んであげてくださいね。

Q2.夫が「プレッシャーで自宅でも採れないかもしれない」と悩んでいます。

A2. とてもよくあるお悩みです。いざという日に限って緊張してしまうのは自然なことです。そんな時は、ご主人の体調が良い別の日や、お休みの日にあらかじめクリニックで採精し、「精子を凍結保存」しておくという安心のバックアップ方法があります。これを準備しておくだけで、心の負担がすっと軽くなりますよ。

Q3. 夫が薄毛治療の薬(AGA治療薬)を飲んでいますが、影響はありますか?

A3. 一部のお薬(フィナステリドなど)には、男性ホルモンに働きかけることで、精子の数を減らしてしまったり、勃起しにくくしたりする副作用があることが分かっています。妊活を始める時は、飲んでいるお薬を医師に教えてください。必要に応じて、お休みする方法を一緒に考えましょう。

Q4. タイミング法で「市販の潤滑ゼリー」を使っても精子に影響はありませんか?

A4. 市販の潤滑ゼリーやローションは、精子の動きを止めたり、DNAを傷つけたりする成分が含まれていることが多いため、使用は控えてください。

Q5. 出張で禁欲期間が1週間以上空いてしまいました。治療に影響しますか?

A5. 期間が長すぎると、体の中で古い精子が溜まってしまい、動きが悪くなったりDNAが傷ついたりしやすくなります。人工授精や体外受精の成績を下げてしまう可能性があるため、治療の数日前に一度ご自身でリセット(射精)していただき、新鮮な状態にしておくことをお勧めします [※1]。

Q6. どうしても夫が検査に行ってくれません。私だけの治療ではダメでしょうか?

A6. 奥様だけのタイミング指導などを進めることは可能ですが、もしご主人側に原因があった場合、奥様が痛い思いや大変な思いをする時間が長引いてしまいます。まずは「私の体の負担を減らすためにも、一緒にお話だけ聞きに行ってほしい」と優しく頼んでみてください。当院の心理士にご相談いただければ、ご主人への上手な声かけのアドバイスもいたしますよ。

Q7. 運動率が10%未満でした。自然妊娠はもう無理ですか?

A7. 自然妊娠の確率がゼロになるわけではありませんが、かなり厳しい道のりになることは事実です。特に奥様が30代後半〜40代の場合、年齢というタイムリミットを考慮すると、自然妊娠を何年も待ち続けるよりも、顕微授精(ICSI)などの高度生殖医療へ早めにステップアップすることが、最も確実でご夫婦の負担が少ない選択となります。

【引用元・参考文献】

※1 日本生殖医学会「生殖医療 Q&A 2025」(不妊原因における男性因子の割合、男性の加齢や精子DNA断片化に関する知見など)

※2 日本産科婦人科学会「ARTデータブック 2022」(年齢別ART治療成績および出生児数のデータなど)

※3 こども家庭庁「不妊治療に関する支援について」(生殖補助医療、顕微授精、精巣内精子採取術などの概要)

※4 厚生労働省「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査研究事業」(不妊治療と仕事の両立、夫婦間の心理的サポートの重要性など)

厚生労働省「不妊治療の実態に関する調査研究 概要版」(不妊治療の実施状況・保険適用に関する実態等)

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