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【不妊治療】自己注射パーフェクトガイド|排卵誘発剤の種類から費用・副作用まで徹底解説

  • 公開日:2026.03.21
  • 更新日:2026.03.21
【不妊治療】自己注射パーフェクトガイド|排卵誘発剤の種類から費用・副作用まで徹底解説|不妊治療なら生殖医療クリニック錦糸町駅前院

不妊治療のステップアップで「自己注射」を提案されると、多くの方が不安を感じるものです。「自分で注射するなんて怖い」「痛くないの?」と心配になるのは当然のことです。しかし、自己注射は正しい方法で行えば安全性が高く、通院の負担を大幅に減らせる治療法として、国内外の多くのクリニックで採用されています。この記事では、自己注射の基本から種類、具体的な手順、痛みへの対処法、費用や副作用まで、はじめての方にもわかりやすく丁寧に解説します。

不妊治療の自己注射とは?基本をやさしく解説

不妊治療における自己注射とは、排卵誘発剤などの注射薬を、患者さんご自身が自宅で皮下注射する方法です。体外受精や顕微授精の治療では、卵巣を刺激して複数の卵子を育てるために、排卵誘発剤の注射を連日7〜14日間ほど行う必要があります。この注射を毎回クリニックに通って受けるのは、時間的にも体力的にも大きな負担です。そこで、看護師から事前に正しい手技の指導を受けたうえで、ご自宅で注射を行えるようにしたのが自己注射の仕組みです。

自己注射が必要になる理由

体外受精の卵巣刺激法(ショート法・アンタゴニスト法など)では、月経3日目頃から毎日の注射が必要になります。仕事をしながら毎日クリニックに通うのは難しいケースが多く、自己注射を導入することで通院回数をおよそ3分の1に減らすことが可能です。海外ではすでに一般的な方法であり、日本でも年々普及が進んでいます。

通院注射との違い

自己注射と通院注射を比べた場合、排卵率や妊娠率、副作用の発生率に医学的な差はないとされています。両者の違いは「誰がどこで注射するか」という点だけです。通院注射では看護師が筋肉注射で行うことが多いのに対し、自己注射は皮下注射で、より細い針(29G)を使うため痛みも比較的少ない傾向があります。もちろん自己注射が難しいと感じた場合は、通院注射に切り替えることも可能です。

自己注射で使われる薬剤の種類

自己注射で使用する薬剤は、大きく3つのカテゴリーに分かれます。それぞれ目的と使うタイミングが異なりますので、ご自身がどの薬を使うのかを理解しておくと安心です。

hMG/rFSH注射(排卵誘発剤)

卵胞を育てるためのホルモン製剤で、自己注射のメインとなる薬剤です。代表的な製品にはペン型のゴナールエフやレコベル、シリンジ型のHMGフジ・uFSHあすかなどがあります。月経3日目頃から毎日1回、7〜10日間ほど連続して注射します。卵胞の成長具合によって投与量を医師が調整するため、途中でエコー検査のための通院が2〜3回入ります。

GnRHアンタゴニスト製剤

卵胞が十分に育つ前に排卵してしまうのを防ぐための薬剤です。セトロタイドやガニレストなどがあり、プレフィルドシリンジ(あらかじめ薬液が入った注射器)の形態で提供されます。卵胞がある程度の大きさに達した時点(主席卵胞14mm前後)から、採卵日まで毎日注射するのが一般的です。

hCG注射(トリガー注射)

採卵の約36時間前に打つ、排卵を最終的に促すための注射です。オビドレルなどのプレフィルドシリンジが使われます。この注射は時間厳守が非常に重要で、多くのクリニックでは採卵時間によって変わりますが採卵2日前の22時〜22時30分頃に指定されます。自宅で決められた時間に正確に打てることが自己注射の大きなメリットの一つです。

ペン型とシリンジ型の違いを比較

自己注射の器具は大きくペン型とシリンジ型に分かれます。それぞれの特徴を表にまとめました。

比較項目ペン型(ゴナールエフ等)シリンジ型(HMG製剤等)
操作の簡単さ◎ ダイヤルで量を設定し刺すだけ△ 溶解・吸い上げ・針交換が必要
針の太さ29G(極細)で痛みが少ない26〜27Gでやや太め
薬液の準備不要(カートリッジ内蔵)粉薬を溶解液で溶かす工程あり
保管方法冷蔵保管(凍結不可)常温保管が可能な製品が多い
費用(保険3割)約2,000〜5,000円/本約1,500〜3,000円/本
向いている方初めての方・簡便さ重視の方費用を抑えたい方・手技に慣れた方

近年はペン型が主流になりつつあり、操作が簡単なため初めて自己注射を行う方にはペン型が推奨されることが多いです。ただし、使用する薬剤は医師が治療方針に基づいて決定しますので、ご自身で選択できない場合もあります。

自己注射のやり方・手順をステップで解説

ここでは、最も一般的なペン型とシリンジ型のそれぞれの手順を説明します。いずれの場合も、事前にクリニックで看護師から直接指導を受け、練習用キットで実践してから開始します。

ペン型(ゴナールエフ等)の手順

まず石けんで手をよく洗い、清潔なテーブルの上に必要物品を準備します。ペンのキャップを外し、新しい注射針をまっすぐ取り付けます。ダイヤルを医師に指定された投与量に合わせ、ペンを上向きにして空気抜きを行います。注射部位(おへその下あたり)を消毒用アルコール綿で拭き、皮膚を軽くつまんで45〜90度の角度で針を刺します。ダイヤルが「0」に戻るまでゆっくりと薬液を注入し、5〜10秒そのまま待ってから針を抜きます。最後に注射パッドで軽く押さえて完了です。

シリンジ型(HMG製剤等)の手順

シリンジ型は、まずアンプル(薬剤の入った小瓶)の首を折って開封し、溶解液をシリンジで吸い上げて粉薬に注入して溶かします。薬液が完全に溶けたら、シリンジに吸い上げ、針先を上にして気泡を抜きます。注射用の細い針に付け替えてから、ペン型と同様の方法で皮下注射を行います。工程がペン型より多いですが、看護師の指導を受ければ慣れていけるケースがほとんどです。

注射部位と注意点

注射部位は、おへそから恥骨にかけてのお腹(皮下脂肪が多い部分)が最も一般的です。太ももの外側も使用可能です。毎回同じ場所に打つと皮膚が硬くなり痛みが増すため、2〜3cm間隔でずらしながら打つことが大切です。注射前は必ず手を洗い、注射部位をアルコール綿で消毒してください。使用済みの針やシリンジは家庭ゴミとして捨てず、次回の来院時にクリニックへ持参して医療廃棄物として処分します。

自己注射のメリット

自己注射の最大のメリットは、通院回数を大幅に減らせることです。通常、排卵誘発剤の注射を通院で行うと連日の来院が必要ですが、自己注射なら中間のエコー検査日のみの通院で済み、通院回数をおよそ3分の1に削減できます。これにより交通費や待ち時間も節約でき、仕事や育児との両立がしやすくなります。また、自分の都合の良い時間帯に注射できるため、生活リズムを大きく変える必要がありません。特にhCG注射のように時間指定のある注射は、自宅で正確なタイミングに打てることが大きな利点です。精神的にも「自分で治療に取り組んでいる」という主体的な感覚が前向きな気持ちにつながるという声も聞かれます。

自己注射は痛い?怖い?不安への対処法

自己注射に対する不安で最も多いのが「痛み」と「恐怖心」です。しかし、実際に経験した方の多くが「思っていたより痛くなかった」と感じています。ここでは、痛みを軽減するコツと心理的な不安を乗り越える方法をご紹介します。

痛みを軽減するコツ

まず、冷蔵保管している薬剤は注射の15〜30分前に出しておき、常温に戻してから使いましょう。冷たい薬液は注入時に痛みを感じやすくなります。注射部位を保冷剤で数秒冷やしてから刺すと、皮膚の感覚が鈍くなり痛みが和らぎます。また、皮膚をしっかりつまんでから刺すことで、つまむ感覚に意識が向き、針の痛みを感じにくくなります。深呼吸をして息をゆっくり吐くタイミングで針を刺すのも効果的です。ペン型に使われる29Gの針は髪の毛ほどの太さしかなく、多くの方が「チクっとする程度」と表現しています。

心理的な恐怖を克服する方法

注射に対する恐怖心は自然な感情であり、無理に抑え込む必要はありません。多くのクリニックでは初回に生理食塩水を使った練習の機会を設けており、実際の痛みを体験してから本番に臨めます。最初は家族やパートナーに見守ってもらいながら行うと安心感が得られます。どうしても自分で打てない場合は通院注射への切り替えもできます。「やらなければならない」と追い込まず、無理のない方法を医師と相談しましょう。

自己注射の副作用とリスク

自己注射に伴う副作用は、注射部位に起こる局所的な反応と、排卵誘発剤そのものによる全身的なリスクの2つに大きく分けられます。

注射部位の局所反応

注射した部位に赤みや腫れ、軽いかゆみ、内出血が起こることがあります。これらは一般的によくある反応で、多くの場合は数日で自然に消えます。内出血した場合は、注射後に2〜3分ほど軽く圧迫するようにしてください。翌日に紫色のあざが出ることもありますが心配は不要です。ただし、強い痛みが持続したり、注射部位が大きく腫れたりした場合は、早めにクリニックに連絡しましょう。

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)

排卵誘発剤の使用に伴う最も注意すべき副作用がOHSS(卵巣過剰刺激症候群)です。卵巣が過剰に反応して腫れ、お腹の張り、体重の急増、腹水、尿量の減少などの症状が現れます。軽度のOHSSは比較的よくみられますが、重症化すると血栓症などのリスクがあり入院が必要になる場合もあります。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方やBMIが低い方はリスクが高い傾向にあります。急激なお腹の張りや体重増加(1日で1kg以上など)を感じたら、すぐに主治医に相談してください。

自己注射の費用と保険適用

2022年4月から体外受精・顕微授精が保険適用の対象になり(女性43歳未満、回数制限あり)、自己注射も保険診療の一環として保険が使えるようになりました。保険適用の場合、3割負担での費用目安は以下のとおりです。ゴナールエフ皮下注ペン300単位で1本あたり約3,500円、HMG製剤は1本あたり約1,000円となります。これに加えて、在宅自己注射指導管理料(月1回)や注入器用注射針加算などの費用がかかります。自費診療の場合はゴナールエフ皮下注ペン450単位で約24,000円、900単位で約42,000円と高額になります。月々の自己負担額が上限を超えた場合は高額療養費制度を利用でき、年収370万〜770万円の方であれば月の上限はおよそ8万円程度です。詳しい費用は治療方針や薬剤の種類によって異なりますので、事前にクリニックで見積もりを確認しましょう。

自己注射のスケジュールと治療の流れ

自己注射のスケジュールは採用する卵巣刺激法によって異なりますが、一般的なアンタゴニスト法の例を示します。月経1〜3日目にクリニックを受診し、超音波検査と血液検査で卵巣の状態を確認したのち、排卵誘発剤(ゴナールエフ等)の自己注射を開始します。月経3日目〜9日目頃まで毎日自宅で注射を行い、途中の5〜7日目頃に一度エコー検査で卵胞の育ち具合をチェックします。卵胞が14mm前後に育った段階でGnRHアンタゴニスト製剤の注射が追加されます。卵胞が十分な大きさ(18mm前後)に達したら、採卵2日前の22時頃にhCG注射(トリガー注射)を自己注射・または点鼻し、約36時間後に採卵を行います。自己注射の期間は約7〜14日間で、その間の通院は2〜3回が目安です。

よくある質問(FAQ)

質問と回答

Q1. 自己注射を打ち忘れてしまった場合はどうすればよいですか?

A1. 排卵誘発剤(ゴナールエフ等)の場合、当日中に気づいたらすぐに注射してください。翌日以降に気づいた場合は自己判断せず、クリニックにお電話ください。hCG注射は時間厳守のため、打ち忘れた場合は必ずすぐにクリニックへ連絡が必要です。

Q2. 注射した部位から液が漏れてしまいました。大丈夫ですか?

A2. 1滴程度の漏れであれば治療効果に影響はほとんどありません。漏れを防ぐコツとして、薬液の注入後5〜10秒そのまま針を抜かずに待ち、つまんだ皮膚をゆるめてからゆっくり抜くようにしてください。

Q3. 薬剤はどのように保管すればよいですか?

A3. ペン型(ゴナールエフ等)は冷蔵庫で保管してください。ただし凍結させると使えなくなるため、冷凍庫やチルド室は避けてください。シリンジ型の粉薬や注射針は常温で清潔な場所に保管します。使用前に常温に戻すことを忘れないようにしましょう。

Q4. 飛行機に注射器を持ち込むことはできますか?

A4. 医師の診断書や処方箋のコピーがあれば、機内持ち込みが可能です。国際線の場合は事前に航空会社に確認しておくと安心です。保冷バッグに保冷剤を入れて薬剤の温度管理にもご注意ください。

Q5. 副作用で注射を中断することはありますか?

A5. 卵巣の反応が強すぎる場合やOHSSの兆候がある場合は、医師の判断で投与量を減らしたり、注射を一時中断・中止することがあります。自己判断で中断せず、必ず主治医の指示に従ってください。

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