「卵胞が少し小さいですね」「まだ育っていないので、また2日後に来てください」。
診察室でそう言われて、帰り道にスマートフォンで「卵胞とは」と検索した方も多いのではないでしょうか。卵子と何が違うのか、小さいと妊娠できないのか、AMHが低いと言われたけれど大丈夫なのか。わからない言葉が増えるたびに、不安も少しずつ大きくなっていきますよね。
実は、卵胞のことを正しく知るだけで、検査結果の受け止め方や医師への質問のしかたがぐっと変わります。
この記事では、生殖医療専門医の立場から、卵胞の基本から発育の仕組み、大きさ・数・質という3つの物差し、不妊治療での見方までを日本生殖医学会や日本産科婦人科学会などの情報をもとにやさしく解説します。
卵胞とは?卵子を包み育てる「小さな袋」
卵胞(らんぽう)とは、卵巣の中で卵子を1つずつ包み込み、成熟するまで育てる袋状の構造のことです。卵巣は親指の先ほどの大きさの臓器ですが、その中には大小さまざまな段階の卵胞がたくさん眠っています。
卵胞はただの「入れ物」ではありません。卵子に栄養を届け、成熟のタイミングを調整し、さらに女性ホルモンを分泌して子宮内膜を厚くするなど、妊娠の準備全体を指揮する司令塔のような存在です。
不妊治療で「卵胞」という言葉が頻繁に出てくるのは、超音波で直接見えるのが卵子ではなく卵胞だからです。卵子そのものは約0.1mmと小さく、超音波では写りません。そのため医師は、卵胞の大きさや数を見て、中の卵子の育ち具合を推測しているのです。
卵胞と卵子の違い
卵胞と卵子はよく混同されますが、関係を一言でいうと「卵胞=ゆりかご、卵子=赤ちゃん」です。原則として1つの卵胞の中に1つの卵子が入っています。
卵子は、精子と受精して受精卵になる「細胞」そのものです。一方の卵胞は、卵子と、その周りを取り囲む何層もの細胞、そして卵胞液とでできた構造全体を指します。
診察で「卵胞が20mmになりました」と言われたとき、20mmあるのは卵子ではなく卵胞です。卵子は卵胞の壁の一部にくっつくように存在し、排卵のときに卵胞液と一緒に外へ飛び出します。この違いを知っておくだけで検査結果の説明がぐっと理解しやすくなります。
卵胞をつくる細胞とその働き
顆粒膜細胞と莢膜細胞
卵胞の壁は主に2種類の細胞でできています。内側で卵子を直接取り囲むのが顆粒膜細胞(かりゅうまくさいぼう)、その外側を覆うのが莢膜細胞(きょうまくさいぼう)です。
莢膜細胞(きょうまくさいぼう)が男性ホルモンの一種をつくり、それを顆粒膜細胞(かりゅうまくさいぼう)が受け取って女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)に変えます。2つの細胞の連携によって、卵胞が育つほどエストロゲンが増え、子宮内膜が厚くなって着床の準備が整っていきます。卵子のすぐそばの顆粒膜細胞は卵丘細胞とも呼ばれ、卵子と栄養や信号をやり取りしています。
卵胞液
卵胞が育つと、内部に卵胞液という液体がたまり、袋がふくらんでいきます。超音波で黒く丸く見えるのは、この卵胞液のたまった空間です。卵胞液にはホルモンや栄養分が含まれ、卵子が成熟するための環境を保っています。
卵胞はどう育つ?原始卵胞から排卵までの道のり
卵胞の発育段階
原始卵胞〜前胞状卵胞:ホルモンに頼らずゆっくり育つ時期
すべての卵胞は、生まれる前からつくられている原始卵胞からスタートします。原始卵胞は直径0.03〜0.05mmほどの小さな休眠状態の卵胞で、毎日少しずつ目を覚まして発育を始めます。
目覚めた卵胞は一次卵胞、二次卵胞(前胞状卵胞)へと進みます。この段階はまだ脳からのホルモンにほとんど頼らず、卵胞自身の力でゆっくり育つ時期です。原始卵胞が排卵できる大きさになるまでには、全体で半年ほどかかると考えられています。つまり、今月排卵する卵子は、半年近く前から準備されてきたものなのです。
胞状卵胞〜主席卵胞:FSHの力で一気に育つ時期
卵胞の中に卵胞液がたまり始めた段階を胞状卵胞と呼びます。2〜10mm程度の胞状卵胞は超音波で数えることができ、後ほど紹介するAFC検査の対象になります。
月経が始まるころ、脳の下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されると、複数の胞状卵胞が一斉に育ち始めます。その中から通常は1つだけが選ばれて大きく育ち、これを主席卵胞(しゅせきらんぽう)と呼びます。選ばれなかった卵胞は途中で育つのをやめ、自然に消えていきます。これを卵胞閉鎖といいます。
排卵の仕組みとホルモンの連携
主席卵胞が大きくなるにつれ、エストロゲンの分泌がぐんと増えます。血中のエストロゲンが十分に高まると、それが脳への合図となり、下垂体から黄体化ホルモン(LH)が大量に放出されます。これをLHサージと呼びます。
LHサージを受けると、卵胞の中の卵子は最終的な成熟を遂げ、卵胞の壁が破れて卵子が飛び出します。これが排卵です。LHサージが始まってからおよそ36時間前後で排卵が起こるとされ、市販の排卵検査薬はこのLHの上昇を尿で捉えています。
不妊治療で使うhCG注射などの「トリガー」は、このLHサージを人工的に起こして排卵のタイミングを調整する方法です。
排卵後の卵胞は「黄体」に変わる
卵子が飛び出したあとの卵胞は、役目を終えて消えるわけではありません。残った顆粒膜細胞や莢膜細胞が変化して黄体(おうたい)という組織になり、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し始めます。
プロゲステロンは子宮内膜をふかふかの状態に整え、受精卵が着床しやすい環境をつくるホルモンです。妊娠しなかった場合、黄体はおよそ2週間で役目を終えて縮み、ホルモンが下がることで次の月経が起こります。妊娠した場合は、受精卵側から出るhCGの働きで黄体が維持され、胎盤ができるまで妊娠を支えます。
卵胞の大きさの目安と「卵胞チェック」
月経周期ごとの卵胞の大きさ
不妊治療の「卵胞チェック」とは、経腟超音波で卵胞の大きさを測り、排卵日を予測する検査です。月経周期28日前後の方の場合、おおよそ次のような経過をたどります。
| 時期 | 卵胞の大きさの目安 |
|---|---|
| 月経2〜5日目 | 2〜10mmの胞状卵胞が複数見える |
| 月経8日目前後 | 主席卵胞が10mm前後に |
| 排卵直前 | 自然周期でおおむね18〜24mm |
主席卵胞は選ばれてから1日に約1.5〜2mmずつ大きくなるため、測定値から排卵日を逆算できます。ただし、周期が長い方や短い方では育つスピードが異なり、同じ方でも周期ごとに差が出ます。「10日目なのにまだ小さい」と言われても、それだけで異常というわけではありません。
卵胞が大きければよいわけではない
「卵胞が小さい」と言われると不安になりますが、大きければ大きいほど良いというものでもありません。卵胞が大きすぎると、中の卵子が成熟しすぎていたり、排卵がうまく起こらなかったりすることがあります。
海外の研究では、排卵誘発剤を使った人工授精で、卵胞径19〜21mm程度のときに妊娠率が高かったという報告があります。一方で、使う薬によって適切な大きさは変わります。たとえばクロミフェンを使った周期では、卵胞がやや大きめになってから排卵することがわかっています。
大切なのは、数字そのものよりも、エストロゲンやLHの値、子宮内膜の厚さなどを組み合わせた総合判断です。数値が気になるときは、遠慮なく「この大きさは私の場合どう考えればいいですか」と聞いてみてください。
卵胞の「数」は生まれたときから減っていく
年齢と卵子の数
卵胞(卵子)の数は、生まれたときがいちばん多く、その後増えることはありません。日本生殖医学会によると、卵子のもとになる細胞は胎児期の妊娠5か月ごろに両側の卵巣で約700万個に達し、出生時には約200万個、思春期には30万個程度まで減少します。
一生のうちに実際に排卵されるのは400〜500個ほどで、全体の1%にも満たない数です。残りの多くは、毎月の発育競争で選ばれずに自然に消えていきます。37歳を過ぎると減るスピードが速まり、1,000個を下回るころに閉経を迎えるとされています。
これは誰にでも起こる自然な変化で、生活の過ごし方が悪かったからではありません。ただ、「時間が限られた資源」であることを知っておくと、治療のステップアップを考えるときの判断材料になります。
卵巣予備能を知る検査
卵巣に残っている卵胞の目安を「卵巣予備能(らんそうよびのう)」といいます。代表的な検査が次の2つです。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)
AMHは、育ち始めた小さな卵胞(前胞状卵胞〜小さな胞状卵胞)の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンです。発育中の卵胞が多いほど値が高くなるため、卵巣に残っている卵胞の数を間接的に推定できます。
月経周期による変動が少ないため、いつでも採血で測定できるのが利点です。ただし、低用量ピルを服用中はやや低めに出ることがあります。また、測定機器によって基準値が異なるため、ほかの施設の数値と単純に比べないことも大切です。体外受精では、AMHの値を参考に排卵誘発の薬の量や方法を決め、採れる卵子の数を予測します。
胞状卵胞数(AFC)
AFC(Antral Follicle Count)は、月経2〜5日目ごろに経腟超音波で両側の卵巣を観察し、2〜10mm程度の胞状卵胞を数える検査です。AMHと同じく卵巣予備能の指標で、その周期に育つ準備ができている卵胞の数を直接目で確認できます。
AMHとAFCはおおむね相関しますが、ずれることもあります。当院のような生殖医療の現場では、片方だけで判断せず、年齢やFSHの値と合わせて評価しています。
AMHで「わからないこと」
AMHは非常に役立つ検査ですが、誤解されやすい検査でもあります。生殖医療専門医として特にお伝えしたいのは次の3点です。
- AMHは「妊娠できるかどうか」を判定する検査ではない:AMHが低くても、毎月排卵があれば自然妊娠は十分に起こりえます
- AMHは卵子の「質」を表さない:数の目安であって、卵子の染色体の状態などはわかりません
- AMHは「あと何年妊娠できるか」の正確な予測ではない:閉経時期のおおまかな目安にはなりますが、個人差が大きい値です
「AMHが年齢より低い」と言われて落ち込む方は少なくありません。けれど、数値は治療方針を考えるための材料です。焦らず、主治医と一緒に次の一手を考えましょう。
卵胞と卵子の「質」は年齢の影響を受ける
加齢で卵子の質が下がる理由
不妊治療でよく聞く「卵子の質」とは、主に卵子の染色体が正常かどうかを指します。日本生殖医学会は、加齢による妊娠率の低下には卵子の数だけでなく質の低下が大きく関わると説明しています。
卵子は排卵までに2回の分裂を行い、染色体を半分の23本にします。年齢とともに、染色体をつなぎとめるたんぱく質(コヒーシンなど)が劣化し、分裂のときに染色体の分配エラーが起こりやすくなると考えられています。さらに、卵子のエネルギーをつくるミトコンドリアの機能低下や、卵子を支える顆粒膜細胞の働きの低下も関係します。
同学会の資料では、女性が21〜24歳のカップルの1周期あたりの自然妊娠率を1.00とすると、37〜39歳では0.60、40〜45歳では0.40まで下がると紹介されています。残念ながら、卵子の質の低下を防ぐ確立した方法は今のところありません。だからこそ、早めに状況を知り選択肢を検討することが大切です。
卵子が入っていない「空胞」とは
体外受精の採卵で、卵胞はあるのに卵子が回収できないことがあります。これを空胞(くうほう)と呼びます。卵子がもともと入っていない場合のほか、卵子が卵胞の壁から十分に離れていなかったり、トリガーの注射がうまく効いていなかったりする場合もあります。
空胞はどの年齢でも起こりうるもので、1回あったからといって次も同じになるとは限りません。トリガーの種類やタイミングを変えるなどの工夫で改善することもあるので、結果に落ち込みすぎず、原因について主治医と話し合ってみてください。
知っておきたい卵胞のトラブル
卵胞が育たない・排卵しない(排卵障害)
卵胞が十分に育たない、あるいは育っても排卵しない状態を排卵障害といいます。日本生殖医学会は、女性不妊の主な原因の1つとして排卵因子を挙げています。
原因には、脳からのホルモン分泌の乱れ、強いストレスや急な体重の増減、甲状腺の病気、プロラクチンというホルモンの過剰、そして次に紹介する多嚢胞性卵巣症候群などがあります。月経周期が39日以上あく、または月経が不規則な場合は、排卵がうまく起きていないサインかもしれません。
排卵障害は、原因に合わせた治療や排卵誘発剤で改善が期待できることが多い状態です。基礎体温や月経の記録を持って受診すると、診断がスムーズになります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と2024年の新診断基準
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣に小さな卵胞がたくさんできるものの、なかなか主席卵胞が育たず、排卵しにくくなる状態です。生殖年齢の女性に比較的多くみられます。
日本産科婦人科学会は2023年12月に診断基準を改定し、2024年版では「月経周期異常」「多嚢胞卵巣またはAMH高値」「男性ホルモン過剰またはLH高値」の3つをすべて満たす場合にPCOSと診断します。AMH高値を超音波所見の代わりに使えるようになったのが大きな変更点です。ただし、AMHが高いだけではPCOSとは診断されません。
PCOSの方は排卵誘発剤への反応が強く出やすく、卵巣が腫れる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)に注意が必要です。慎重に薬の量を調整できる施設で治療を受けることをおすすめします。
黄体化未破裂卵胞(LUF)
黄体化未破裂卵胞(LUF)とは、卵胞が十分に育ってLHサージも起きたのに、卵胞が破れずに卵子が外に出ないまま黄体に変わってしまう状態です。基礎体温は上がるため、本人は排卵したと思っていることが少なくありません。
子宮内膜症がある方や、一部の痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)を排卵期に使った場合などで起こりやすいとされています。排卵日のあとに超音波で卵胞が残っていないかを確認することで見つかります。毎周期起こるわけではありませんが、繰り返す場合は体外受精を検討することもあります。
不妊治療で卵胞はどう見られている?
タイミング法・人工授精での卵胞モニタリング
タイミング法や人工授精では、卵胞の大きさを超音波で追いかけ、排卵日を予測することが治療の中心になります。一般的には月経10〜12日目ごろに1回目の卵胞チェックを行い、主席卵胞の大きさに応じて1〜3日後に再診します。
卵胞の大きさに加えて、血液や尿でLHやエストロゲンの値を確認し、子宮内膜の厚さも測ります。排卵が近いと判断したら、性交のタイミングや人工授精の日を決めます。必要に応じてhCGなどの注射で排卵を促し、日程を調整することもあります。
通院の回数が増えて仕事との調整に悩む方も多いと思います。卵胞の育つスピードは周期によって変わるため、急な再診をお願いすることもありますが、それは「一番よい日」を逃さないためだと知っておいていただけると心強いです。
体外受精での卵巣刺激と採卵
体外受精では、自然の周期では1つしか育たない卵胞を、注射や内服薬で複数同時に育てる「卵巣刺激」を行うのが一般的です。より多くの卵子を得ることで、良好な受精卵を得られる可能性を高めます。
刺激の方法は、AMHやAFC、年齢、過去の反応などをもとに一人ひとり決めます。卵胞が十分に育ったらトリガーの注射を打ち、およそ34〜36時間後に採卵を行います。採卵では、腟から細い針を刺して卵胞液ごと卵子を吸い取ります。
ここで知っておきたいのは、「卵胞の数=採れる卵子の数」ではないという点です。空胞や未成熟の卵子が含まれることもあるため、採卵数は見えていた卵胞の数より少なくなることがよくあります。
保険適用の年齢・回数の要件
2022年4月から、人工授精や体外受精・顕微授精などの基本的な不妊治療に公的医療保険が適用され、窓口負担は原則3割になりました。
こども家庭庁の情報によると、体外受精などの生殖補助医療を保険で受けるには、治療開始日に女性が43歳未満であることが条件です。胚移植の回数は、初めての治療計画を立てた日に40歳未満なら1子ごとに通算6回まで、40歳以上43歳未満なら通算3回までとなっています。法律上の夫婦だけでなく、事実婚のカップルも対象です。
年齢と回数に上限があるからこそ、卵巣予備能を早めに知っておくことが、治療計画を立てるうえで役立ちます。
卵胞のために今日からできること
生活習慣で整えたいこと
残念ながら、生活習慣で卵胞の数を増やしたり、年齢による質の低下を止めたりすることはできません。けれど卵胞が育ちやすい体の環境を整えることはできます。
- 適正体重を保つ:やせすぎ、太りすぎはどちらも排卵を乱す原因になります
- 禁煙する:喫煙は卵巣の老化を早め、閉経が早まることが知られています
- 睡眠と食事を整える:極端なダイエットは避け、バランスのよい食事を心がけましょう
- 葉酸を摂る:妊娠を考え始めた段階から摂取が勧められています
こども家庭庁は2025年5月に「プレコンセプションケア推進5か年計画」を公表しました。性別を問わず、早い時期から性や健康の正しい知識を持ち、将来の妊娠も含めて健康管理を行うという考え方です。卵胞について知ることも、そのはじめの一歩といえます。
受診の目安と相談先
日本産科婦人科学会は2015年に、不妊症と考える期間を「避妊せずに1年間妊娠しない場合」に改めています。ただし、35歳以上の方は半年を目安に、月経不順がある方や子宮内膜症の手術歴がある方は期間にかかわらず早めの受診がおすすめです。
「まだ治療をするか決めていない」という段階でも、AMHやAFCで卵巣予備能を知っておくことには意味があります。将来の選択肢を考える材料になるからです。
不安な気持ちを一人で抱えないことも大切です。各自治体の不妊・不育専門相談センターや、日本不妊カウンセリング学会が認定する不妊カウンセラーや不妊治療に特化した心理士など、クリニック以外の相談先もあります。
卵胞に関するよくある質問

Q1. AMHを上げる方法はありますか?
A1. 現時点で、AMHを確実に上げる方法は確立されていません。AMHは残っている卵胞の数を反映する値なので、サプリメントや食事でその数を増やすことはできないと考えられています。
「AMHを上げる」とうたう商品も見かけますが、高額なものを続ける前に、まずは主治医に相談してください。AMHが低めの方こそ、時間を大切にして、今の卵巣の力を最大限に生かす治療計画を立てることが近道です。
Q2. 卵胞チェックは痛いですか?何回通いますか?
A2. 卵胞チェックは経腟超音波で行い、検査自体は数分で終わります。器具を挿入するときに違和感はありますが、強い痛みを伴うことはほとんどありません。緊張すると体に力が入りやすいので、ゆっくり息を吐くのがコツです。
通院回数は、自然周期やタイミング法で1周期あたり2〜3回程度が目安です。体外受精の卵巣刺激中は、薬の調整のため4〜5回ほど通院することもあります。
参考文献・引用元
- 日本生殖医学会「Q22. 女性の加齢は不妊症にどんな影響を与えるのですか?」:年齢別の自然妊娠率の比率、ART成績の加齢による低下
- 日本生殖医学会「Q24. 加齢に伴う卵子の質の低下はどのような影響があるのですか?」:卵子数(700万→200万→30万)、生涯排卵数400〜500個、染色体分配エラー、社会的卵子凍結
- 日本生殖医学会「生殖医療Q&A」一覧:不妊症の原因・検査・治療の基礎
- 日本産科婦人科学会「多囊胞性卵巣症候群の新しい診断基準(2024)」・診断基準表(PDF):3項目、AMH高値の代用、年代別カットオフ
- こども家庭庁「不妊症・不育症へ向き合いやすく 保険診療の基礎知識」:43歳未満、6回・3回、事実婚も対象
- こども家庭庁「令和4年4月から、不妊治療が保険適用されています。」(PDF)
- 日本家族計画協会「プレコンセプションケア推進5か年計画 こども家庭庁」:2025年5月22日公表、計画の基本的な考え方
- 厚生労働省「不妊治療と仕事との両立のために」:治療経験者の26.1%が両立できず離職・雇用形態変更・治療中止。通院と仕事の調整に触れる箇所で補足引用に使えます
松見 泰宇
資格・専門医
- 東京大学医学博士
- 日本産婦人科学会産婦人科指導医・専門医
- 日本生殖医学会生殖医療専門医
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
- 難病指定医
- 日本産科婦人科遺伝診療学会生殖領域遺伝カウンセリング研修会(反復流産(PGT-A)における遺伝カウンセリング)修了
- 日本産科婦人科遺伝診療学会周産期領域遺伝カウンセリング研修会(胎児の染色体異常を中心とした出生前遺伝カウンセリング)修了
- 新生児蘇生インストラクターAコース修了
- 日本産婦人科乳腺医学会講習会修了
- 日本臨床免疫学会
- 日本産科婦人科学会
- 日本生殖医学会
- 日本生殖免疫学会
- 日本不育症学会
- 日本抗加齢医学会
- 日本再生医療学会
- 日本産婦人科乳腺医学会
- 日本スポーツ協会
- 産婦人科PRP研究会
経歴
- 東京大学医学部卒業
- 東京大学大学院医学系研究科博士課程(生殖・発達・加齢医学)修了
- 博士論文「A possible role of nitric oxide in the regulation of developmental status of rat ovarian follicles(卵胞発育・閉鎖における一酸化窒素(NO)の関与)」
- 国立がん研究センター東病院 がん治療開発部
- 日本学術振興会特別研究員
- スタンフォード大学生殖生理学教室リサーチフェロー
- 成育医療研究センター特別研究員
- 東京大学大学院医学系研究科文部教官助手
- 帝京大学溝口病院講師
- 帝京大学非常勤講師
- 焼津市立総合病院、武蔵野赤十字病院など総合病院にて勤務
- 秋葉原ARTクリニック、花みずきウィメンズクリニック吉祥寺、両角レディースクリニック、木場公園クリニックなど不妊クリニックにて勤務
- 愛育病院、きりんウィメンズクリニックなど周産期医療専門病院および産科クリニックにて勤務