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治療スケジュール

不妊症の定義とは?受診を考えるべきタイミングは?

医学的には、「不妊症」とは、妊娠を希望する健康な男女が避妊をせずに性交を行っているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状態を指します。この「一定期間」は一般的に「1年間」とされていますが、女性の年齢が35歳以上の場合は、妊娠率の変化を考慮して「半年」が目安とされることもあります。

ただ、これはあくまで医学的な目安であり、「1年経たないと受診してはいけない」というわけではありません。「もしかして不妊?」と不安を感じたその時が、クリニックに相談する最初のタイミングではないでしょうか。特に、月経不順や強い月経痛、過去に婦人科系の病気をされたことがある場合は、早めのご相談をおすすめします。

「受診のタイミング」と年齢の影響

不妊治療を検討する上で、年齢はとても大切な要素です。30代・40代の方は、特にこの点を意識しておく必要があります。加齢に伴い、卵子の質や染色体の状態が変化することは知られていますが、これは精子にも同様の傾向が見られます。
年齢が上がると、推奨される治療の「スケジュール」が変わってくることがあります。例えば、34歳以下であればじっくりと一般不妊治療に取り組むケースでも、30代後半や40歳以上では、より早い段階で次のステップへ進むことが望ましい場合もあります。
30代・40代で妊娠を希望される場合は、「1年」という期間を待たずに検査を受け、ご自身の体の状態を知ることが、その後の治療スケジュールをスムーズにする鍵となります。

【ステップ0】「治療スケジュール」がわかる場所。それが「初診」

不妊治療の具体的なスケジュールは「初診」から始まります。初めての受診は緊張されるかと思いますが、あらかじめ内容を知っておくことで心の準備ができます。
このステップでは、これまでの状況を医師にお伝えいただき、今後どのような検査や治療のスケジュールに進んでいくのかの全体像を打ち合わせする時間となります。

初診当日の様子(問診・内診・超音波検査)

当院の初診は以下のような手順で行われます。

  1. 来院・受付
  2. 診察室またはカウンセリングルームで看護師またはカウンセラーと問診票についての確認をさせていただきます。月経周期や最終月経日、妊娠・出産の経験、現在の健康状態やアレルギー、ライフスタイル(喫煙・飲酒など)について詳しく伺います。
  3. その後、診察室にて医師とお話しいただきます。
  4. 内診・超音波(エコー)検査:内診室にて、子宮や卵巣の状態(筋腫や嚢腫の有無、卵胞の育ち具合など)を映像で確認します。
  5. その他の検査必要に応じて、子宮頸がん検査や感染症検査(クラミジア等)、血液検査を行います。
  6. すべての検査終了後、医師から今後の検査スケジュールや治療方針の概要についてお話しします。
    • 上記は一例となります。状況によって多少前後がございます

初診時にお持ちいただくもの

初診時には下記をお持ちください。

顔写真付きの公的身分証明書(日本国籍の患者さま:運転免許証・パスポート・顔写真付きのマイナンバーカード)(外国籍の患者さま:在留カードまたはパスポート)

マイナ保険証(マイナンバーカードまたは資格確認書)

お持ちの場合:紹介状、他院での検査結果

服装は、内診(経腟超音波検査)があるため、着脱しやすいスカートなどが便利です。

パートナー(男性)と一緒に受診したほうがよいのでしょうか?

不妊の原因は女性側だけでなく、男性側にあることも少なくありません。治療は「二人で取り組むこと」がとても大切であり成果にも影響します。

初診は女性お一人でも問題ありませんが、可能であればパートナー(ご主人様)とお二人で受診されるのが理想的です。男性側の検査(精液検査など)も初期段階で必要となりますし、初めからお二人で治療方針を共有することは、精神的な支えになるだけでなく、効率的に治療スケジュールを進める上でも大きなメリットとなります。

【ステップ1】原因を特定する「不妊検査(ブライダルチェック)」のスケジュールと種類

初診で全体像をつかんだ後は、具体的な原因を探る「検査」へと進みます。不妊の原因には、排卵、卵管、子宮、免疫、男性因子など様々な要因が考えられます。これらを一つひとつ確認するため、複数の検査を組み合わせて行います。

検査の全体像:月経周期に合わせて進めるスケジュール

不妊検査の特徴は、「1日で終わるものではなく、月経周期に合わせて複数回の通院が必要」という点です。女性の体は月経周期の中でホルモン値や子宮・卵巣の状態が大きく変化します。そのため、検査も「適切な時期」に行う必要があります。

初診の後は医師と相談しながら、約1~2周期かけてひと通りのスクリーニング検査(初期検査/ブライダルチェック)を進めていくのが一般的なスケジュールとなります。

不妊検査(ブライダルチェック/スクリーニング検査)のスケジュール例

実施時期検査名目的・内容
月経周期に関係なくAMH(抗ミュラー管ホルモン)検査卵巣予備能(卵子の残り数の目安)を調べます(採血)。
感染症検査(ご夫婦)B型・C型肝炎、梅毒、HIVなどを調べます(採血)。
甲状腺機能検査甲状腺ホルモンの異常がないか調べます(採血)。
抗精子抗体検査精子の動きを妨げる抗体がないか調べます(採血)。
月経2~5日目頃
(月経期)
基礎ホルモン検査FSH、LH、E2、PRLなど、卵巣の基本機能を調べます(採血)。
超音波検査これから育つ卵胞の数を数えます。
クラミジア検査卵管閉塞の原因となる感染の有無を調べます。
月経7~11日目頃
(卵胞期)
子宮卵管造影検査(HSG)造影剤を使い、卵管の通りや子宮の形状を調べます。
月経9~14日目頃
(排卵期)
超音波検査(卵胞計測)卵胞の大きさを測り、排卵日を予測します。
尿中LH検査排卵のタイミングをより正確に予測します。
性交後検査(フーナー検査)性交後の頸管粘液中の精子の状態を調べます。
月経20~22日目頃
(黄体期)
黄体ホルモン検査排卵が正常に行われたか、着床に適した状態かを調べます(採血)。

女性側のおもな検査内容

上記のスケジュールに沿って行われる、主な検査についてご紹介します。

ホルモン検査(採血)

月経期に測定する「基礎ホルモン値」は、卵巣機能や排卵障害の有無を知る基本となります。また、黄体期にはホルモン値を測定し、着床環境が整っているかを確認します。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査

採血により「卵巣予備能(卵子の数の目安)」を測定します。時期を選ばず検査可能です。AMHの値は、治療のスケジュールを早めるべきか、どの治療法を選択すべきかの判断材料になります。なお、これは卵子の「数」の目安であり、「質」を示すものではありません。

超音波(エコー)検査

治療のスケジュールの中で最も頻繁に行われる検査です。子宮筋腫や卵巣嚢腫などの有無を確認するほか、卵胞の育ち具合や子宮内膜の厚さをリアルタイムで観察します。

子宮卵管造影検査(HSG)

卵管の通り(通過性)を調べるX線検査です。卵管が詰まっていると受精が難しくなるため、非常に重要な検査です。造影剤を注入して撮影を行いますが、この検査によって卵管の通りが良くなり、妊娠しやすくなることもあります。

男性側のおもな検査内容(精液検査)

不妊の原因の約半数は男性側にあると言われています。そのため、男性側の検査も女性側と並行して行うことが必須です。
基本となるのが「精液検査」です。精液を採取し、精子の数、運動率、形などを調べます。結果はその日の体調によって変わることもあるため、再検査を行う場合もあります。この結果は、今後の治療方針(タイミング法、人工授精、顕微授精など)を決める上でとても重要です。

【ステップ2】一般不妊治療のスケジュールと内容

検査でご自身の状態がわかったら、いよいよ具体的な「治療」へ進みます。まずは身体への負担が少ない「一般不妊治療(タイミング法・人工授精)」からスタートするのが一般的です。

タイミング法|排卵日を予測する最初のステップ

検査によって予測した「排卵日」に合わせて夫婦生活を持っていただく方法です。自己流とは異なり、超音波検査やホルモン値を基に、医師が医学的根拠を持って排卵日を特定します。特に大きな異常が見つからない場合や、軽度の排卵障害がある場合に選択されます。

人工授精(AIH)|精子を子宮内に直接注入

タイミング法で妊娠に至らない場合や、精子の状態が少し不安定な場合に検討されます。

この治療では、排卵日に合わせて採取した精液を洗浄・濃縮し、元気な精子を選別します。それをカテーテルで子宮の奥へ直接注入することで、精子が卵子に出会う確率を高めます。

一般不妊治療の「ステップアップ」を考える時期

不妊治療のスケジュールは、ひとつの方法を一定期間試して結果が出ない場合、次の段階へ進む「ステップアップ」という考え方で進められます。

タイミング法や人工授精を「いつまで続けるか」は、年齢や治療回数によって判断します。例えば30代後半以上の方であれば、人工授精を数回試した段階で、次の生殖補助医療(ART)への移行を検討することもあります。医師と相談しながら、お二人に合ったステップアップのタイミングを見極めていきましょう。

【ステップ3】生殖補助医療(ART)のスケジュールと内容

一般不妊治療で妊娠が難しい場合は、より高度な治療である「生殖補助医療(ART)」へステップアップします。代表的なものが「体外受精」と「顕微授精」で、これらも保険適用の対象です。

体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)の違い

どちらも卵子を体外に取り出し(採卵)、体の外で受精させる点は同じです。

体外受精(IVF)卵子と調整した精子を同じ容器に入れ、精子が自力で卵子に入るのを待つ、自然に近い方法です。
顕微授精(ICSI)精子の数が少ない場合などに、顕微鏡を使って1個の精子を直接卵子に注入し、受精を助ける方法です。

体外受精・顕微授精の詳しいスケジュール

生殖補助医療(ART)のスケジュールは、いくつかの段階に分かれています。

生殖補助医療 ART(体外受精・顕微授精)の6ステップ

ステップ内容詳細
排卵誘発卵巣刺激複数の卵子を育てるため、お薬(注射や内服)を使用します。
採卵/採精卵子と精子の採取超音波を見ながら卵子を取り出します(採卵)。同日に精子も採取します。
受精卵子と精子の受精IVFまたはICSIの方法で受精させます。
胚培養受精卵を育てる受精卵(胚)を培養液の中で数日間育てます。
胚移植受精卵を戻す良好に育った胚を子宮内に戻します。
妊娠判定妊娠の確認移植から約1~2週間後に判定を行います。

不妊治療のスケジュールに関するよくある質問(Q&A)

質問と回答

Q1. 検査や治療(特に卵管造影や採卵)は痛いですか?

A1. 痛みには個人差がありますが、痛みを伴う可能性のある検査はあります。特に卵管造影検査は生理痛のような痛みを感じることがあります。また、採卵は針を使うため痛みがありますが、当院では麻酔を使用して痛みを最小限に抑える工夫をしています。不安な場合は、スタッフに事前にご相談ください。

Q2. 仕事と治療は両立できますか?

A2. 仕事との両立は多くの方が悩まれるポイントです。検査や治療は月経周期に合わせて進むため、「数日後に来てください」といった急な通院が必要になることもあります。

職場の理解を得たり、休暇制度を活用したりすることが大切ですが、当院では朝8時から夜9時・土日祝日も診療しておりますのでお気軽にご相談ください。

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