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TRIO検査(ERA/EMMA/ALICE)

TRIO検査(ERA/EMMA/ALICE)とは?不妊治療における3つの着床不全検査

TRIO検査(トリオ検査)は、体外受精で良好な胚を複数回移植しても妊娠に至らない「反復着床不全」の原因を探る、3つの子宮内膜検査の総称です。ERA(子宮内膜着床能検査)、EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム検査)、ALICE(感染性慢性子宮内膜炎検査)の3つを組み合わせることで、着床不全の原因を多角的に分析できます。

これまで原因不明とされてきた着床不全の約60%に「着床の窓」のずれが、約87%に子宮内細菌バランスの乱れが関与していることが研究で明らかになっています。TRIO検査では、一度の子宮内膜採取で3つの検査を同時に実施できるため、身体的負担を最小限に抑えながら、包括的な検査が可能です。妊娠率70.6%という高い成功率も報告されており、反復着床不全に悩む方にとって希望となる検査として注目されています。

TRIO検査で分かる3つの重要な要素

TRIO検査では、着床に必要な「タイミング」「環境」「健康状態」の3要素を科学的に評価します。

ERA検査個人差のある着床可能な時期を特定
EMMA検査子宮内の善玉菌バランスを確認
ALICE検査炎症の有無を調べる

3つの検査でこれまで見逃されていた着床不全の原因を明らかにできます。次世代シーケンサー(NGS)を用いた遺伝子レベルの解析により、従来の検査では検出困難だった微細な異常も発見可能となりました。

ERA検査(子宮内膜着床能検査)- 着床の窓を見つける

ERA検査の仕組みと着床の窓の重要性

ERA検査は、子宮内膜が受精卵を受け入れる最適な時期「着床の窓(インプランテーションウィンドウ)」を遺伝子レベルで特定する検査です。着床の窓は通常12〜24時間という限られた時間帯で、このタイミングがわずか12時間ずれるだけで着床が困難になることがあります。

検査では236個の着床関連遺伝子の発現パターンを解析し、子宮内膜が「受容期」か「非受容期」かを判定します。反復着床不全の方の20〜30%で着床の窓がずれていることが判明しており、個人に最適な移植タイミングを見つけることで妊娠率の向上が期待できます。検査結果は「Receptive(受容期)」「Pre-receptive(受容期前)」「Post-receptive(受容期後)」として報告され、必要に応じて移植日を前後に調整します。

ERA検査が必要な方の特徴

良好胚を3回以上移植しても妊娠しない方、40歳未満で4個以上の良好胚移植歴がある方、初回移植前に着床の窓を確認したい方などが対象となります。特に、ホルモン補充周期での凍結融解胚移植を予定している方には有効性が高く、個別化医療の観点から注目されています。

EMMA検査(子宮内膜マイクロバイオーム検査)- 子宮内フローラを整える

子宮内フローラと妊娠率の関係

EMMA検査は、子宮内膜の細菌叢(マイクロバイオーム)を解析し、妊娠に適した環境かどうかを評価する検査です。近年の研究により、子宮内は無菌ではなく、独自の細菌叢「子宮内フローラ」が存在することが判明しました。

特に重要なのがラクトバチルス属(乳酸桿菌)の割合で、この善玉菌が90%以上を占める場合、着床率・妊娠率・妊娠継続率・生児獲得率が有意に高くなります。逆に、ラクトバチルスが90%未満の場合、妊娠率が低下することが報告されています。検査では細菌の種類と量を測定し、必要に応じて乳酸菌膣錠やサプリメントによる治療で子宮内環境を改善します。

EMMA検査で検出される主な細菌と対処法

ラクトバチルス以外にも、ガードネレラ菌、プレボテラ菌、ストレプトコッカス菌など、妊娠を妨げる可能性のある細菌を検出します。検査結果に基づき、プロバイオティクス療法や抗生物質治療など、個々の状態に応じた治療法が提案されます。

ALICE検査(感染性慢性子宮内膜炎検査)- 炎症の原因を特定

慢性子宮内膜炎が着床に与える影響

ALICE検査は、慢性子宮内膜炎(CE)の原因となる病原菌を遺伝子レベルで検出する検査です。慢性子宮内膜炎は不妊症女性の約30%、反復着床不全や習慣性流産の患者では約66%に認められる重要な不妊原因です。

自覚症状がほとんどないため見逃されやすいですが、子宮内の持続的な炎症により免疫系が活性化し、受精胚を異物として攻撃してしまう可能性があります。ALICE検査では、エンテロコッカス属、腸内細菌科、ストレプトコッカス属、マイコプラズマ属など、慢性子宮内膜炎の原因菌を特定し、適切な抗生物質による治療を可能にします。

従来の検査法との違いと優位性

従来の細菌培養検査や子宮鏡検査では検出困難だった病原菌も、分子遺伝学的手法により高精度で検出可能になりました。検査結果には推奨される抗生物質の種類も記載されるため、的確な治療につながります。

TRIO検査の対象者と適応症例

TRIO検査が推奨される具体的なケース

TRIO検査は、主に以下のような方に推奨されます。

良好胚を3回以上移植しても妊娠しない反復着床不全の方

原因不明の不妊症が2年以上続いている方

化学流産を繰り返している方

35歳以上で初回体外受精を控えている方

また、貴重な凍結胚盤胞を有効活用したい方、PGT-A(着床前遺伝子検査)で正常胚と判定された胚の移植前検査としても有用です。検査により約60%で何らかの異常が見つかるため、原因不明の着床不全に悩む方には特に検討価値があります。限られた時間と費用で最大の効果を得たい方にも、3つの検査を同時に実施できるTRIO検査は効率的な選択肢となります。

TRIO検査の流れと検査方法

検査周期の準備から結果判明まで

TRIO検査は、通常の胚移植と同じホルモン補充周期で実施されます。月経開始後、エストロゲン製剤で子宮内膜を厚くし、プロゲステロン製剤を開始してから通常の移植日(5日目胚盤胞なら黄体ホルモン開始後5日目)に子宮内膜を採取します。

採取は外来で行われ、細いカテーテルを子宮内に挿入して内膜組織を吸引採取します。所要時間は5〜10分程度で、軽い生理痛のような痛みや少量の出血を伴うことがありますが、麻酔は通常必要ありません。検体は専門機関に送られ、10日〜3週間で結果が判明します。検査周期では胚移植は行わず、結果を踏まえて次周期以降の治療計画を立てます。

検査前後の注意事項

検査前は特別な準備は不要ですが、検査当日はナプキンの持参をお勧めします。検査後は1〜2周期程度の休養期間を設けることが推奨されています。

TRIO検査の費用と保険適用について

先進医療としての位置づけと混合診療

2022年4月から不妊治療の保険適用が拡大されましたが、TRIO検査は自費診療となります。また、TRIO検査は先進医療として位置づけられています。

厚生労働省認定の実施医療機関では、保険診療との併用(混合診療)が認められるため、基本的な不妊治療は保険適用を受けながら、TRIO検査のみを自費で受けることが可能です。この制度により、従来よりも経済的負担が軽減されています。

検査結果の解釈と治療への活用

3つの検査結果を統合した治療戦略

TRIO検査の結果は、各検査ごとに詳細なレポートとして提供されます。ERA検査で着床の窓のずれが判明した場合は、プロゲステロン投与のタイミングを調整します。EMMA検査で乳酸菌不足が確認されれば、膣錠やサプリメントで改善を図ります。ALICE検査で病原菌が検出された場合は、推奨される抗生物質で治療します。

複数の異常が見つかることも多く、それぞれに対する治療を組み合わせることで、総合的な子宮内環境の改善が期待できます。治療後の再検査により改善を確認してから胚移植を行うことで、妊娠率の向上につながります。異常が見つからなかった場合でも、子宮側の問題を除外できたことで、他の要因(胚の質、免疫因子など)への対策に集中できるメリットがあります。

TRIO検査のメリットと注意点

期待できる効果と限界

TRIO検査の最大のメリットは、一度の検査で着床不全の主要な原因を包括的に調べられることです。個別化医療の実現により、画一的な治療から脱却し、各患者に最適な治療戦略を立てることが可能になります。また、原因が特定されることで精神的な不安が軽減される効果も期待できます。

一方で、検査には限界もあります。すべての着床不全の原因を解明できるわけではなく、検体採取不良により再検査が必要になる場合もあります。また、検査結果が正常でも必ず妊娠するわけではないことを理解しておく必要があります。費用面でも自費診療のため経済的負担があり、検査後の治療期間も含めると時間的な投資も必要です。これらの点を十分に理解した上で、医師と相談しながら検査の実施を検討することが大切です。

よくある質問(Q&A)

Q-A

Q1: TRIO検査はいつ受けるべきですか?

A1: 一般的に良好胚を3回以上移植しても妊娠しない場合に推奨されますが、年齢や胚の数によっては早期実施も検討されます。主治医と相談して最適なタイミングを決定しましょう。

Q2: 検査は痛いですか?

A2: 子宮内膜採取時に軽い生理痛のような痛みを感じることがありますが、通常は麻酔不要で、5〜10分程度で終了します。

Q3: 3つの検査を別々に受けることはできますか?

A3: 可能ですが、TRIO検査として同時実施することで、身体的負担と通院回数を減らせます。特にEMMA・ALICEは単独実施を推奨しない医療機関が多いです。

Q4: 検査結果はどのくらいで分かりますか?

A4: 通常10日〜3週間程度で結果が判明します。混雑状況により前後する場合があります。

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