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「卵子凍結のリスク」が不安なあなたへ。専門医が明かす身体・お金・将来の妊娠の真実と知っておくべき「しないリスク」

  • 公開日:2026.03.13
  • 更新日:2026.03.13
「卵子凍結のリスク」が不安なあなたへ。専門医が明かす身体・お金・将来の妊娠の真実と知っておくべき「しないリスク」|不妊治療なら生殖医療クリニック錦糸町駅前院

「今の仕事が本当に楽しくて、キャリアを途切れさせたくない」
「いつかは絶対に子どもが欲しいけれど、まだ理想のパートナーに出会えていない」
「年齢的なタイムリミットを感じて焦っているけれど、いざ卵子凍結を調べるとリスクが怖くて踏み出せない…」

私の前に座る女性の多くが、このような切実な不安と葛藤を打ち明けてくださいます。現代を生きる女性は、キャリアの構築、ライフプランの選択、そして「妊娠の適齢期」という目に見えない時間的なプレッシャーの狭間で、常に孤独な戦いを強いられています。そんな中、将来の妊娠の可能性を残すための「卵子凍結」という選択肢を知り、自分の未来の可能性を広げたいと願うのは、ごく自然で、とても前向きなことです。

生殖医療専門医として、あなたに最初にお伝えしたいことがあります。それは、「卵子凍結は、将来の妊娠を100%約束する技術ではない」ということです。医療行為である以上、そこには必ず「リスク」が存在します。しかし、リスクがあるからといって諦める必要はありません。大切なのは、リスクの正体を医学的に正しく知り、それをどうやって自分のライフスタイルの中で最小限にコントロールするのかを理解することです。

この記事では、卵子凍結に伴う「身体へのリスク」「将来の妊娠率に関するリスク」、そして「時間やお金、心にかかる見えないリスク」について、専門医の視点で包み隠さずすべてをお話しします。これは、あなたを脅かすための文章ではありません。あなたが「卵子凍結をするリスク」と「卵子凍結をしないリスク(加齢)」を冷静に天秤にかけ、ご自身の人生において後悔のない最善の決断をするための「心のお守り」です。どうか、温かい飲み物でも飲みながら、肩の力を抜いて最後までお読みください。

卵子凍結に伴う最大の懸念「身体的リスク」と専門医の安全対策

「未受精卵子凍結」とは、体外受精を行う時と同様に、排卵誘発剤を用いて卵巣刺激を行い、卵巣に複数の卵子を発育させ、採卵し、将来の妊娠のために未受精の状態で凍結保存する医療技術です。卵子凍結を行うためには、お薬や注射を使って卵巣を刺激し、膣から針を刺して「採卵」する手術が必要不可欠です。まずは、この過程でご自身の身体に起こりうるリスクと、現代の医療がどうやってそのリスクを予防しているのかについて正しく理解しましょう。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは?予防と管理

卵子凍結における最も注意すべき身体的リスクが「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」です。通常、女性の体では毎月1個の卵子が育ちますが、卵子凍結では一度の採卵で効率よく複数の卵子を獲得するために排卵誘発剤(ホルモン注射や内服薬)を使用します。このお薬の刺激に対して卵巣が過剰に反応してしまい、卵巣が大きく腫れあがってしまうのがOHSSです。日本がん・生殖医療学会の分類によると、OHSSの重症度は様々で、軽症であれば「腹部膨満感(お腹の張り)」程度で済みますが、中等症になると「嘔気・嘔吐」を伴い、重症化すると腹水や胸水が溜まり、「腹痛や呼吸困難」を引き起こすことがあります [※1]。最悪の場合、血管内に血栓(血の塊)ができ、入院治療が必要になるケースも存在します。しかし、過度に恐れる必要はありません。現代の生殖医療では、事前のAMH(抗ミュラー管ホルモン:卵巣年齢の指標)検査や超音波検査で卵巣の反応性を予測し、OHSSのリスクが高いと判断された方には「低刺激法」や「PPOS法」といったマイルドな排卵誘発法を選択します。医師が適切な薬剤コントロールを行うことで、重症化のリスクを極めて低く抑えることが可能になっています。

採卵手術に伴う痛みや出血・感染症のリスク

採卵手術は、超音波エコーで卵巣の中の卵胞(卵子が入っている袋)を確認しながら、膣の壁越しに細い採卵針を刺して、卵胞液ごと卵子を吸い出します。「お腹に針を刺すなんて、痛くて耐えられないのではないか…」と強い恐怖を感じる方も多いでしょう。確かに、針を刺す物理的な痛みは存在します。また、膣壁や卵巣からの出血、ごく稀に骨盤内の感染症や、周囲の臓器(腸や膀胱など)を傷つけてしまうリスクもゼロではありません。しかし、痛みのリスクに対しては、局所麻酔や静脈麻酔(点滴からお薬を入れて眠っている間に終わる麻酔)を適切に使用することで、術中の痛みはほとんど感じずに終えることができます。また、術後の感染予防として抗生物質を処方し、出血の有無も術後にクリニックのベッドで休んでいただきながらしっかりと確認してからご帰宅いただくため、深刻な事態に至ることは非常に稀です。

「採卵すると将来の卵子が減る(閉経が早まる)」は誤解

「一度にたくさんの卵子を採ってしまうと、卵子の在庫が早く減ってしまい、閉経が早まるのではないか?」という不安をよく耳にしますが、これは生殖医学的に明確に否定されている誤解です。女性の体内では、毎月約1,000個もの卵子が目覚めて成長を始めますが、最終的に排卵される「主席卵胞(1個)」以外は、すべて自然に消滅(閉鎖)してしまいます。排卵誘発剤は、この「本来ならそのまま消えてなくなるはずだった卵子たち」に栄養を与えて救い出し、一緒に育てているだけなのです。つまり、将来排卵されるはずだった卵子を前借りしているわけではないため、採卵を何度行っても卵子の減少スピードが加速したり、閉経が早まったりすることはありませんのでご安心ください。

将来の妊娠に向けた「成功率と技術的リスク」の現実

卵子を無事に採卵し、凍結できたからといって安心するのはまだ早いです。卵子凍結はあくまで「妊娠への第一歩」を保存したに過ぎません。ここでは、将来、数年後に卵子を融解して使う際のリスクと、成功率の厳しい現実をお伝えします。

「卵子凍結=100%妊娠できる」わけではない理由

卵子凍結を検討する方に最も強く認識していただきたいのが、「卵子を凍結保存すれば、将来いつでも必ず妊娠できる」という誤解です。凍結した卵子を将来使用する際には、卵子を融解し、パートナーの精子と受精させ、受精卵(胚)を数日間培養し、さらに子宮に移植して着床を待つという「体外受精」のステップをすべてクリアしなければなりません。融解しても生き残らない卵子、受精しない卵子、受精しても胚盤胞まで育たない受精卵、そして移植しても着床しない、あるいは流産してしまうリスクが各段階に常に伴います。卵子凍結は「将来の確実な妊娠を保証する絶対的な保険」ではなく、「将来の妊娠の可能性を残すための選択肢」であることを深く理解しておく必要があります。

年齢の壁:30代・40代で直面する「質の低下」のリスク

将来の妊娠率を左右する最大の要因は、紛れもなく「卵子を凍結した時の年齢」です。日本産科婦人科学会でも「年齢が上がると(加齢)男女ともに妊娠しづらくなるので、すぐに治療を開始した方が良い場合もあります」と指摘されています [※2]。誰もが避けることのできない因子が加齢の問題であり、加齢が進むと、卵子の数が少なくなるだけでなく、質も低下することがわかっています。そのため、将来いざ体外受精や顕微授精を行ったとしても、受精しない、もしくは胎児に発育できないといった状況となり、妊娠・出産することが困難になるリスクが高まります。統計上、将来1人の子どもを授かるために必要な凍結卵子の数は、30代前半であれば約10〜15個、35〜37歳であれば約15〜20個、38〜40歳であれば約20〜30個が必要になると言われています。もしご自身の年齢が30代後半で、1回の採卵で数個しか凍結できなかった場合、将来その卵子で妊娠できる確率は決して高くありません。目標個数を達成するために、複数回の採卵が必要になる(=費用と身体への負担が増える)というリスクを事前に考慮しておく必要があります。

急速ガラス化法による凍結・融解時の卵子のダメージリスク

「長期間、何年も凍結しておくと、卵子が劣化してしまうのではないか」という不安もあるでしょう。 一昔前までの「緩慢凍結法」では、細胞内の水分が凍る際に氷の結晶ができ、卵子を壊してしまうリスクが高かったため、卵子の凍結は非常に難しいとされていました。しかし現在は、高濃度の凍結保護液を用いてマイナス196℃の液体窒素で一瞬にして凍らせる「急速ガラス化法」が主流となっています。この技術により、融解後の卵子の生存率は90〜95%と飛躍的に向上しました。とはいえ、生存率が100%ではない以上、「融解してみたら卵子がダメージを受けて壊れていて使えなかった」というリスクが数%存在することは事実です。

凍結卵子を使用する際は「顕微授精(ICSI)」が必須に

これはあまり知られていない重要な事実ですが、凍結した未受精卵子を将来融解して受精させる際、精子をふりかける一般的な体外受精(ふりかけ法)ではなく、ほぼ必ず「顕微授精(ICSI)」が必要になります。日本受精着床学会の定義によると、顕微授精とは、顕微鏡下で細いガラス管を使って、1個の卵子の中に1個の精子を直接注入する方法です [※3]。 なぜなら、卵子を凍結・融解するプロセスにおいて、卵子の外側を覆っている透明帯(殻)が硬くなってしまい、精子が自力で入り込むことが極めて難しくなるからです。将来、パートナーの精液の数値がどれほど良好であったとしても、顕微授精の技術と費用が別途かかることは、見落としがちなリスクです。

凍結卵子から生まれた赤ちゃんの先天性異常リスクについて

「長期間凍結した卵子から生まれた赤ちゃんには、障害が出やすいのではないか?」という点も、多くの方が懸念されるリスクです。しかし、現在までの世界的な大規模な調査や生殖医学会の報告において、新鮮な卵子を用いた体外受精と比べて、急速ガラス化法で凍結・融解した卵子を用いた場合で「先天性異常(奇形や染色体異常)の発生率が有意に高くなる」という明確な医学的エビデンスは示されていません。赤ちゃんの障害リスクは、凍結期間の長さではなく、「卵子を採取した時の母体の年齢」に強く依存します。つまり、40歳になってから自然妊娠を目指すよりも、33歳で凍結しておいた卵子を40歳の時に使って妊娠した方が、染色体異常(ダウン症など)のリスクは低くなるというのが医学的な真実です。

働く女性を悩ませる「見えないリスク(時間・経済・心理)」

身体や技術面だけでなく、卵子凍結に踏み切ることで直面する、生活面や心理面のリアルなリスクについても触れておきましょう。特に働く女性にとって、これらは非常に重い壁となります。

スケジュール調整の難しさ:通院による時間的リスク

卵子凍結の準備期間(卵巣刺激)には、月経開始から採卵までの約2週間の間に、卵胞の育ち具合を確認するため3〜5回程度の通院が必要になります。超音波検査の結果次第で「明後日また来てください」「採卵は明後日に決まりました」とスケジュールが急に決まります。厚生労働省のデータによると、働きながら不妊治療を受ける労働者は増加傾向にあるものの、不妊治療と仕事の両立ができずに16%(女性の場合は23%)の方が退職しているという厳しい現実があります [※4]。 責任ある仕事をしている30代・40代の女性にとって、この「急な休みや遅刻・早退の調整」は非常に大きな時間的リスクであり、職場への罪悪感から強いストレスを感じる要因となります。

自費診療の壁:採卵費用と長期間の保管料という経済的リスク

将来の備えとして行う「社会的適応」による卵子凍結は、病気の治療ではないため、健康保険が適用されない「全額自費診療」となります。初診検査から排卵誘発剤、採卵手術、凍結処理までの初期費用として、一般的に45万〜65万円程度の高額な費用がかかります(採卵数によって変動します)。 さらに忘れてはいけないのが「保管料」のリスクです。凍結した卵子を維持するために、クリニックへ毎年3万〜5万円程度の保管更新料を支払い続ける必要があります。もし30歳で凍結し、40歳まで10年間保管すれば、初期費用とは別に数十万円の維持費がかかるという経済的現実を理解した上で、ライフプランを立てる必要があります。

「使わなかったらどうしよう」という精神的な葛藤

卵子凍結を行った女性の多くが直面する心理的リスクが、「もし将来、自然妊娠できたり、パートナーができずに卵子を使わなかったりしたら、この高額な費用と痛い思いはすべて無駄になるのではないか」という葛藤です。実際に、海外のデータでも凍結卵子を使用する割合は10〜20%程度に留まると報告されています。しかし、「使わなかった=無駄」と捉える必要はありません。「いざという時の保険(凍結卵子)がある」という安心感が心のゆとりを生み、結果として仕事に邁進できたり、年齢のプレッシャーなく素敵なパートナーに出会えたりするケースも少なくありません。精神的なお守りとしての価値をどう評価するかが鍵となります。

リスクとストレスを徹底排除する「生殖医療クリニック錦糸町駅前院」の強み

ここまで様々なリスクをお話ししてきましたが、私たち医療機関の使命は、患者様が抱えるそれらのリスクやストレスを、システムの力と医療技術で最小限に抑え込むことです。当院では、働く女性が安心して卵子凍結に臨める環境を徹底的に追求しています。

働く女性のストレスをなくす通院システム(夜間・土日診療と事後決済)

1,000名以上の不妊治療経験者の「不満・不安の声」を分析し、当院では 朝8時から夜21時まで、土日・祝日も休まず毎日診療 を行っています。これにより、仕事の前や退勤後、休日を利用して通院でき、職場に迷惑をかける時間的リスクを大幅に減らすことができます。 さらに、15分刻みの厳密な予約システムと、診察後にお会計を待たずにすぐ帰宅できる「事後決済システム(クレジットカード自動決済)」を導入しており、クリニック滞在中の無駄な待ち時間を「ゼロ」にする工夫を徹底しています。駅からも徒歩4分という「駅チカ」の立地で、通院の負担を軽減します。

女性医師による診療と、心理カウンセラーによるメンタルサポート

「デリケートな悩みを男性医師に話すのは抵抗がある」という女性の切実な声に応え、当院の診察は 女性医師が担当 いたします。同じ女性だからこそ分かる痛みの感覚や、ライフプランの悩みに深く共感し、寄り添った診療を提供します。 また、「リスクが怖くてたまらない」「決断に迷っている」という精神的なストレスを和らげるため、当院には不妊治療特有の心理的葛藤を専門にケアする 「臨床心理士」や「助産師」 が常駐しています。半個室の待合室やリラクゼーションルームも完備し、あなたのプライバシーと心を守り抜く体制を整えています。

経済的リスクを大幅に減らす!東京都の助成金制度と活用法

高額な費用という最大の経済的リスクを軽減するため、近年では自治体による強力な支援が始まっています。これを知っているかいないかで、負担は大きく変わります。

最大30万円が補助される東京都の「卵子凍結に係る費用助成」

東京都では、将来の妊娠に備える選択肢の一つとして、都内に住む18歳から39歳までの女性を対象に「卵子凍結に係る費用」を補助する助成制度を実施しています。 この制度を利用すると、以下の助成を受けることができます。

  • 卵子凍結を実施した年度: 上限20万円
  • 次年度以降、保管更新時の調査に回答した際: 1年ごと一律2万円(最大5年間)

合計で最大30万円の助成となり、初期費用だけでなく、長期間保存するための保管料の一部もサポートしてくれます。ただし、事前に都が開催する説明会への参加が必須であり、指定された登録医療機関で治療を受けるなどの条件があります。 当院(生殖医療クリニック錦糸町駅前院)は、この東京都の「卵子凍結に係る費用助成」の登録医療機関に認定されております。対象となる方は、この制度を最大限に活用することで、経済的リスクを大幅に抑えて卵子凍結を行うことが可能です。

究極の選択「卵子凍結をしないリスク(加齢)」とどう向き合うか

これまで「卵子凍結を行う際のリスク」に焦点を当ててきましたが、最後に、もう一つの極めて重要な視点についてお話しします。それは、「卵子凍結をせずに、年齢を重ねるリスク」です。

卵子の老化とミトコンドリア機能の低下という現実

女性の卵子は、新しく作られることはありません。あなたが生まれた時から持っている卵子は、あなたと共に年齢を重ねていきます。加齢が進むと、卵子の数が少なくなるだけでなく、質も確実に低下することが医学的にわかっています。年齢とともに卵子の質が低下する最大の原因は、細胞のエネルギー工場である「ミトコンドリア」の機能低下と、酸化ストレスによるDNAの損傷です。35歳を過ぎると染色体異常の割合が増加し、たとえ将来自然妊娠や体外受精を試みても、受精卵が育たなかったり、流産を繰り返してしまったりするリスクが急激に高まります。「いつか子どもが欲しい」と願いながら、何の対策も打たずに時間を過ごすことは、取り返しのつかないリスクを抱え続けることになります。

後悔しないために。今のあなたができる最善の選択

「卵子凍結をするリスク(痛み、費用、OHSSなど)」と、「卵子凍結をしないリスク(加齢による妊娠率の低下、将来の不妊)」。この2つを天秤にかけた時、もしあなたが「将来どうしても母親になりたい」という強い願いを持っているならば、卵子凍結は、現時点で科学が提供できる最も有効なリスクヘッジ(保険)となります。過去に戻って20代の卵子を取り出すことは誰にもできません。一番若いのは「今のあなた」です。卵子凍結は魔法ではありませんが、あなたの人生の選択肢を広げ、心にゆとりをもたらす強力な武器になるはずです。

卵子凍結リスクに関するQ&A 7選

質問と回答

Q1. OHSS(卵巣過剰刺激症候群)にならないための対策はありますか?

A1. はい、あります。採卵前にAMH検査や超音波検査で卵巣の反応性を予測し、OHSSのリスクが高い方(多嚢胞性卵巣症候群の方など)には、注射の量を減らす低刺激法や、飲み薬を用いたPPOS法など、マイルドな排卵誘発法を選択します。これにより、重症化のリスクを極めて低くコントロールすることが可能です。

Q2. 採卵手術の痛みが本当に怖いです。局所麻酔と静脈麻酔の違いは何ですか?

A2. 局所麻酔は、膣の壁に直接痛み止めを打つ方法で、意識ははっきりしていますが、針を刺すチクッとした痛みは和らぎます。一方、静脈麻酔は点滴からお薬を入れ、眠っている間に手術が終わる方法です。痛みに弱い方や恐怖心が強い方、採卵数が多いと予想される方には、当院では静脈麻酔を推奨しており、多くの方が「気づいたら終わっていた」とおっしゃいます。

Q3. 凍結した卵子を使う時、なぜ顕微授精(ICSI)が必要なのですか?

A3. 卵子を凍結・融解するプロセスにおいて、卵子の外側を覆っている透明帯という殻が硬く変化してしまいます。そのため、精子をふりかけるだけの通常の体外受精では、精子が自力で殻を破って入り込むことができず、受精障害が起こるリスクが高くなります。これを防ぐため、確実に1個の精子を卵子に注入する顕微授精(ICSI)が必要不可欠となります。

Q4. 長期間凍結しておくと、卵子の質が落ちて妊娠率が下がりませんか?

A4. 現在主流となっている急速ガラス化法による凍結技術では、マイナス196℃の液体窒素の中で細胞の活動が完全に停止するため、理論上半永久的に保存が可能です。5年、10年と凍結期間が長くなっても、卵子が劣化して妊娠率が下がることはありません。卵子の質は、「凍結した期間」ではなく「凍結した時のあなたの年齢」で決まります。

Q5. 東京都の助成金をもらうためには、どんな条件がありますか?

A5. 対象となるのは「都内在住の18歳から39歳までの女性」です。また、事前に東京都が主催する説明会へ参加することや、指定された登録医療機関で採卵・凍結を行うこと、その後の調査に協力することなどが条件となります。当院は登録医療機関に認定されていますので、まずはご相談ください。

Q6. 働きながら卵子凍結のスケジュールをこなせるか不安です。

A6. お仕事を辞めたり、長期で休んだりする必要はありません。排卵誘発の期間中(約2週間)に数回の通院が必要ですが、当院のように朝早く(8時〜)や夜遅く(〜21時)、土日祝日も診療しているクリニックを選べば、出勤前や退勤後を利用して通院できます。

Q7. すでにパートナー(夫・事実婚)がいるのですが、卵子凍結をするべきですか?

A7. すでにパートナーがいらっしゃるのであれば、「未受精卵の卵子凍結」ではなく、精子と受精させた状態の「受精卵凍結(胚凍結)」を強くお勧めします。未受精の卵子に比べ、受精卵(胚)まで育ててから凍結する方が、融解後の生存率や将来の妊娠率が圧倒的に高くなるためです。当院ではもちろん胚凍結にも対応しております。

正しい知識を味方につけ、未来の選択肢を広げましょう

ここまで、卵子凍結に伴う様々なリスクについて、生殖医療専門医の立場から包み隠さずお話ししてきました。 少し怖くなってしまった方もいらっしゃるかもしれません。しかし、冒頭でもお伝えした通り、リスクの正体を知ることは、あなた自身を守り、最善の選択をするための第一歩です。

OHSSや痛みのリスクは、医師の技術と麻酔でコントロールできます。 経済的・時間的リスクは、東京都の助成金や当院のシステム(夜間・土日診療、事後決済)を活用することで大幅に軽減できます。 そして何より、「卵子凍結をしないことで、将来妊娠の可能性が閉ざされてしまう加齢のリスク」としっかり向き合うことが重要です。

卵子凍結をするか、しないか。そこに絶対的な正解はありません。 しかし、あなたが自分の体とライフプランについて真剣に考え、正しい知識に基づき「自分で決断した」のであれば、その選択は決して「後悔」にはならないと私は信じています。

もし、まだ一人で迷っているのなら、まずは当院で「AMH検査」などの初期検査を受けて、ご自身の体の現在地を知ることから始めてみませんか? 私たち生殖医療クリニック錦糸町駅前院のスタッフ一同は、あなたの不安を一つひとつ丁寧に紐解き、あなたが心から納得して未来へ進めるよう、全力で伴走させていただきます。いつでも、あなたのご相談をお待ちしております。

【参考文献・引用元】

本記事は、以下の公的機関や学会のガイドライン・提言に基づき、生殖医療専門医の視点で医学的根拠を損なうことなく執筆しております。

[※1] 一般社団法人 日本がん・生殖医療学会「ARTの現状」表1 OHSSの重症度分類

[※2] 公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症」

[※3] 一般社団法人 日本受精着床学会「生殖補助医療技術 ARTって何? Q8. 顕微授精法(ICSI)について教えてください。」

[※4] 厚生労働省「不妊治療と仕事との両立のために」に基づく調査データ

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