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用語集

GLOSSARY

あ行

  • アンドロゲン・Androgen

    男性ホルモンの総称。男性生殖器の発育や機能を促進する。

  • アッシャーマン症候群

    子宮内腔の変形を伴う子宮腔内癒着症や子宮粘膜下筋腫の病態。

  • アンタゴニスト法

    卵巣刺激法の一つ。卵巣刺激によって卵胞発育をモニターし、最大卵胞径が一定の大きさを超えたら、GnRHアンタゴニストを併用して内因性のゴナドトロピンの分泌を抑制してLHサージ(排卵)を抑える。

  • アクロソーム

    精子の先体のこと。先体頂端部、先体主部はアクロソームキャップとも呼ばれる。卵子の透明帯と接着する際に起こる反応を先体反応といい卵子との受精に重要な役割を果たす。

  • アポトーシス

    プログラム細胞死とも呼ばれる。遺伝子の制御によって細胞をより良い状態に保つために起こる反応で、がん細胞の除去などに働いている。

  • アロマターゼ阻害剤

    一般的には、閉経後の乳がん治療で用いられる薬剤で、不妊治療においては排卵誘発剤としても使用される。フェマーラ、レトロゾールなど。

  • アシステッド・ハッチング(AHA)

    胚移植を実施する前に、胚の透明帯に穴を開け、孵化(ハッチング)を補助する方法。PDZと呼ばれるカッターのようなガラス針で切開する方法や、レーザーを用いて開孔する方法などがある。

  • イオノフォア(Caイオノフォア)

    卵子の活性化に用いられ、細胞膜のカルシウムイオンの透過性を向上させる。受精障害が認められる症例に使われる。

  • 異所性妊娠

    受精卵(胚)が子宮内腔以外の場所に着床して妊娠に至った状態。子宮外妊娠とも呼ばれる。

  • 一卵性双胎

    一つの受精卵(胚)に由来する双子のこと。遺伝子情報がほとんど同じであるため、外見や性別が同じになる。

  • 囲卵腔

    卵子(あるいは受精卵)の細胞と、それらを取り囲む透明帯の隙間のこと。

  • インキュベーター

    受精卵を培養・発育させる機械(恒温器)。女性のお腹の中に近い温度・湿度・気層環境などを造る。

  • 一般不妊治療

    不妊治療の初期に行われる治療法で、タイミング療法・人工授精などを指す。

  • 遺残卵胞

    前周期に、卵胞から卵子が排卵されず、卵巣内に卵胞のまま残った状態。

  • ウォルフ管

    精管や精巣上体などの生殖腺に分化する生殖管原基のこと。

  • ヴィーク分類・Veeck分類

    分割期胚の評価(グレード)に用いられる分類方法。細胞割球の数や大きさ、フラグメントの割合からグレーディングを行う。

  • 栄養膜細胞

    胚盤胞の外側の細胞。栄養外胚葉に由来し、着床後に胎盤を構成する細胞。

  • エストロゲン・Estrogen

    卵胞ホルモン。卵巣から分泌される女性ホルモンの一つ。

  • エストラジオール(E2、卵胞ホルモン)

    主に卵巣で産生される女性ホルモンで、卵胞の発育に伴い分泌量が増加する。E2と表記される。

  • エッグドネイション(卵子提供)

    生殖補助医療の一部、または医学的な研究に利用することを目的として、女性が卵子を提供するプロセスこと。

  • 黄体ホルモン(P4)

    女性ホルモンの一つで、排卵後に子宮内膜を厚くしたり、妊娠の維持に働く。プロゲステロン(P4と表記される)。

  • 黄体形成(黄体化)ホルモン(LH)

    脳下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンの一つで、卵巣に作用し排卵を促す。LHと表記される。

  • オートクラインファクター

    受精卵を培養する過程で、受精卵から分泌された成長因子がその受精卵自体に作用して成長が促される状態。自己分泌因子と呼ばれる。

  • 黄体機能不全

    排卵後に形成される黄体が機能せず黄体ホルモンが正常に分泌されない状態。不妊症や不育症の原因となる。

  • 黄体補充療法

    黄体ホルモンを投与することで、子宮内膜を厚くし妊娠しやすい状態を作る治療法。

  • オビドレル

    遺伝子組み換え技術を用いて製造されたLH製剤。

  • 黄体期

    排卵してから月経が開始するまでの期間のこと。

  • 黄体化非破裂卵胞(LUF)

    卵胞は十分に成熟しているにも関わらず、排卵せずに黄体化してしまう状態。

か行

  • ガラス化凍結保存

    受精卵(胚)の凍結保存において、細胞内の液体を結晶化させずに凍結する方法。

  • 顆粒膜細胞

    卵巣内で、卵胞の発育に伴って卵母細胞を取り囲むように増殖する上皮系細胞。

  • 核小体

    前核(PN;Pronucleus)内に観察される小球。核小体の数や極性は、良好な胚の発育と関連性があると考えられている。

  • カルマン症候群

    遺伝性疾患で、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を伴う。不妊症や無月経を引き起こす。

  • カルシウムイオノフォア

    卵子活性化法の一つ。カルシウムイオノフォアと呼ばれる、細胞膜のカルシウムイオンの透過性を高める物質が添加された薬剤によって卵子の活性化を促進し受精の反応を促進させる。

  • ガードナー分類・Gardner分類

    胚盤胞の評価(グレード)に用いられる分類方法。細胞の大きさ・状態と、栄養膜細胞・内部細胞塊の形態的な評価によってグレーディングを行う。

  • カベルゴリン

    プロラクチンの分泌を抑制する薬剤で、高プロラクチン血症の治療に用いられる。

  • 下垂体

    脳の底に位置する内分泌器官のこと。

  • Vitrification(ガラス化)法

    体外受精において、発育した良好な胚を-196℃の液体窒素中で凍結し保存する方法。

  • 環境ホルモン

    環境中に存在する、生物あるいはヒトに対してホルモンのような影響を与えるものの総称。内分泌かく乱化学物質とも呼ばれる。

  • 下垂体性無月経

    下垂体から分泌されるLHやFSHが抑制されることで、卵巣機能の低下引き起こされ、月経に異常をきたす状態。下垂体にできるプロラクチノーマなどの腫瘍が原因となることがある。

  • キャパシテーション

    精子が雌性生殖管内を移動する過程で精子に生ずる生理的な変化のこと。射出直後の精子は、受精能を有しておらず、頸管粘液から子宮内腔に移動する過程で受精能力を獲得する。

  • 奇形精子症・Teratozoospermia

    精液検査により、形態に異常のある精子が96%以上を示す場合に奇形精子症;Teratozoospermiaと診断される。

  • 基礎体温

    最小限のエネルギー消費しかしていない安静状態での体温のこと。朝目覚めたら、身体を動かさず寝たままの状態で専用の基礎体温計を舌の裏側(舌下)の付け根に当てて、口を閉じた状態で測定する。

  • 逆行性射精

    精液が膀胱に向かって逆流し、尿道口から射出することが出来ない病態。脊髄損傷や泌尿器疾患の手術後の他、糖尿病でも発症することがある。

  • ギャップジャンクション

    卵丘細胞と卵子の間に認められる特殊な細胞間接着構造。

  • 極体(Polar Body)

    卵母細胞の減数分裂の過程で放出される細胞。卵子側の受精の準備が整ったことを示し、極体が放出された卵子をMetaphaseⅡ/MⅡ(メタフェイズツー)と表記する。

  • 均衡型転座

    (受精卵・胚の)染色体の構造異常を有するもので、重複、欠失、挿入などの量的な変化が無いもの。流産の原因となり、習慣流産の夫婦に認められることがある。

  • 禁欲・禁欲期間

    射精を行った日から、次の射精を行った日までの期間のこと。WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、精液検査を行う際の禁欲期間は2~7日が望ましいとされている。

  • 機能性不妊

    検査等によって原因が特定できない不妊症のこと。原因不明不妊とも呼ばれる。

  • 機能性卵巣アンドロゲン過剰症(FOH)

    卵巣内で、男性ホルモンであるアンドロゲンが過剰に分泌されている病態のことで、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を指す。

  • 基礎体温(BBT)

    安静時の体温のこと。婦人用体温計(基礎体温計)を使って、朝起きてすぐに寝たままの状態で、舌の下に体温計を当てて測定する。月経周期中の排卵や着床のタイミングを知る上で役立つ指標となる。

  • 希発月経

    通常の月経周期(およそ28日間隔)よりも間隔が長く、39日以上3ヶ月未満に月経が起こる状態を指す。ホルモンバランスの乱れや、卵巣機能の低下などが原因で起こるとされている。

  • 基本検査

    基本検査で行う採血〔一般採血、甲状腺機能検査・クラミジア抗体検査・感染症検査(B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIV検査)、風疹抗体検査、抗ミュラー管ホルモン(AMH)、抗精子抗体〕や通水検査には、保険診療の適用にならない場合もある。

  • クアトロテスト

    胎児における、先天性疾患の可能性の有無を調べるスクリーニング検査。

  • クロミフェン、クロミフェン法

    エストロゲン受容体の拮抗剤として作用するクロミフェンを、月経周期3日目前後より連日投与して卵巣を刺激させて卵胞を発育させる方法。

  • グラーフ卵胞

    排卵直前の卵胞で、胞状卵胞中で最も発育した卵胞のこと。

  • クラインフェルター症候群

    性染色体異常に起因する疾患で、XXYの性染色体を持つ。外見は男性だが、精巣の発育不全を呈し不妊症を引き起こす。

  • クラミジア(感染)

    性感染症の一つで、クラミジア・トラコマティスという細菌が性器や咽喉に感染することに起因する。卵管の炎症や閉塞を引き起こすため不妊症の直接的な原因となる。

  • クリーンルーム

    空気中の微粒子や粉じん、微生物の混入を防ぐために、高度な清浄度規格に基づき衛生的に管理された部屋。培養室や手術室など。

  • クリーンベンチ

    清浄作業台のこと。

  • 顕微授精(ICSI)

    体外受精における媒精方法の一つで、倒立顕微鏡下良好なで精子を一個選別し、ガラス針を用いて卵子の中に直接挿入して受精させる方法。Intracytoplasmic sperm injection(ICSI)。

  • 顕微鏡下精巣内精子回収法

    非閉塞性無精子症(造精機能が低下し、精液中に精子が認められない状態)の患者に対して、陰嚢を切開して精巣から精子(精子が存在していそうな組織)を採取する手術のこと。MD-TESE。Micro-TESE。

  • 原始卵胞

    卵子になる前の、発育が休止した状態の卵胞。

  • 原因不明不妊

    検査等によって原因が特定できない不妊症のこと。機能性不妊とも呼ばれる。

  • 原発性不妊症

    過去に一度も妊娠にいたっていない不妊症のこと。

  • 血中ホルモン値

    血液中に含まれるホルモンの濃度のこと。不妊治療では、FSH、LH、E2、P4などを測定する。

  • 頚管粘液検査

    排卵日付近に頚管粘液を採取して、量や粘度(粘り具合)などから、精子が子宮内に入りやすい環境かを検査する。

  • 経口避妊薬(OC/ピル)

    卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤で、排卵を抑制したり、着床を回避したりする。

  • 月経前症候群(PMS)

    月経予定日の前後数日に、身体的あるいは精神的な不調を感じる状態。イライラやむくみ、頭痛など、症状の種類や程度は個人によってさまざま異なる。

  • 月経困難症

    月経に伴って、強い下腹部痛、腰痛、頭痛のほか、吐き気や倦怠感など日常生活に支障をきたすほど強い症状が引き起こされる病態。

  • 月経周期

    月経が開始してから、次の月経が開始するまでの日数のこと。

  • 月経前不快気分障害(PMDD)

    月経前症候群(PMS)よりも、精神症状、特にイライラや不安、気分の落ち込みなどのうつ症状の程度が大きいもの。

  • 原始卵胞

    卵巣内に潜在的に存在する、将来、成熟した卵胞になる可能性のある卵胞のこと。

  • 原発性無月経

    思春期以降、あるいは18歳になっても月経が開始しない病態。

  • ゴナドトロピン放出ホルモン

    脳の視床下部で産生されるホルモンで、性腺刺激ホルモンであるFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)の分泌を促す。性腺刺激ホルモン放出ホルモン、GnRH、と表記される。

  • ゴナドトロピン療法

    FSH、LHが低下している視床下部による無月経の患者に対して行われる治療法。

  • 抗ミュラー管ホルモン(AMH)

    発育過程にある初期の卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣の機能や卵巣の予備能(卵巣年齢)を評価する指標となる。

  • コンパクション(Compaction)

    受精卵の発育過程において、8細胞期以降に細胞どうしが結合する段階のこと。

  • 抗精子抗体

    精子の運動能や受精能を障害する抗体。女性では、血中の精子不動化抗体が不妊症と直接的に関連している。

  • 抗生物質

    細菌による感染を治療または予防するお薬で、採卵や人工授精の際に、細菌感染のリスクを予防するために抗生物質を投与することがある。

  • 抗リン脂質抗体(APA)

    リン脂質に対する自己抗体の総称のこと。

  • 抗リン脂質抗体症候群(APS)

    抗リン脂質抗体(APA)と呼ばれる自己抗体によって引き起こされる自己免疫疾患の一つ。APSでは、血栓ができやすくなることで胎盤の血流が阻害されることから妊娠の維持が困難となるため、不育症の原因となる。

  • コースティング(coasting)法

    卵巣刺激を行う過程で、卵胞が多数発育してE2値の顕著な上昇が見られた場合、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)へと移行してしまうリスクを回避するため、hMGの注射を中断してE2値を下げてから採卵を行う方法。

  • 高プロラクチン血症 (乳汁分泌ホルモン)

    乳汁分泌(母乳)に関わるホルモンであるプロラクチンが、授乳中や妊娠中では無いにも関わらず多量に分泌されている病態。不妊症や月経異常を引き起こす。

  • コルチゾール

    副腎皮質から分泌されるホルモン。糖代謝、タンパク質代謝、脂質代謝に関与しているほか、免疫抑制にも働く。

  • ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)

    下垂体から分泌されるホルモンで、黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)のことを指す。

さ行

  • 三倍体

    染色体の数的異常の一つ。正常な染色体数は二対となるが、卵子の異常や、2個以上の精子が受精する多精子受精によって生ずる。

  • サラゾピリン

    潰瘍性大腸炎の治療薬。精子の形成を阻害し、造精機能障害を引き起こす。

  • 採卵(OPU)

    体外受精において、卵巣に針を穿刺して卵子を採取すること。Ovum Pick-Up;OPUと表記する。

  • 細菌性腟症

    腟内の細菌叢(細菌のバランス)が崩れることで引き起こされる感染症。性感染症ではなく、性行為の有無に関係無く発症することがある。

  • シークエンシャルメディウム

    受精卵の培養において、受精卵の発育ステージに合わせて、培養の前半と後半とで異なる組成を持つ2種類の培養液を段階的に使用する方法。

  • 子宮奇形

    胎児期の発育段階で起きる先天的な異常のこと。重複子宮、双角子宮、中隔子宮などがある。

  • シクロフェニル

    卵胞の発育を促す薬剤で不妊治療で用いられる。クロミフェンと比較して、排卵誘発の作用がマイルドで副作用が少ない。

  • 子宮鏡検査

    子宮の内腔を内視鏡によって直接観察することで行う検査。子宮内膜ポリープや子宮内膜症などの疾患の有無を調べる。ヒステロスコピーとも呼ばれる。

  • 子宮内腔癒着症

    子宮内膜が炎症を起こして癒着した状態です。月経異常や不妊症などの原因となる。アッシャーマン症候群。

  • 子宮形態異常

    子宮の形態が異常を示す病態の総称で、重複子宮や双角子宮といった先天的なものと、子宮内膜ポリープなどの後天的なものがある。

  • 子宮内胎児発育不全

    母体要因、胎児要因、遺伝性など何らかの原因によって子宮内での胎児の発育が遅延または停止し、その週数に相当する平均的な胎児の発育が見られない状態。

  • 子宮内膜

    子宮の内側をおおう粘膜。受精卵の着床や胎児の発育に関わっている。

  • シート法・子宮内膜刺激胚移植法(SEET法)

    受精卵を培養した培養液を凍結保存しておき、胚移植の前に子宮内腔に注入することで、培養液の中に含まれる胚由来の子宮内膜胚受容能促進因子が子宮内膜を着床に適した環境に促すことを期待して実施する移植法。

  • 子宮内膜症

    通常、月経によって剥がれ落ち排出される子宮内膜組織が、腹膜や卵巣、腸などの子宮以外の場所に入り込んで炎症を起こす病気。不妊症の直接的な原因となる。

  • 子宮卵管造影

    卵管の疎通性を調べる検査の一つ。卵管狭窄や閉塞の診断に用いられる。

  • 始原生殖細胞

    精子・卵子などの生殖細胞の基礎となる細胞のこと。(PGC;primordial germ cell)

  • 自然周期採卵

    卵巣刺激をまったく行わない、あるいは最小限の卵巣刺激のみで採卵を行う方法。獲得できる卵子の数が少ない一方で、患者への負担が少なく副作用も軽度で、質の良い卵子が採れるとされる。

  • 射精障害

    勃起はするが、尿道口からの精液の射出が認められない、あるいは射出することができない病態。膣内射精障害や逆行性射精障害などがある。

  • 次世代シーケンサー

    受精卵の着床前スクリーニング検査や子宮内フローラ検査の解析などに用いられる解析装置。

  • 絨毛検査

    妊娠の初期に、胎盤の一部である絨毛を採取して胎児の染色体や遺伝子を調べる出生前検査のこと。

  • 絨毛採取法

    出生前検査の一つで、妊娠の9週目~11週目行われる。経腹壁法または経頸管法によって胎盤絨毛を採取し、胎児の染色体や遺伝子を解析する。

  • 周産期異常

    周産期(妊娠22週目以降から出生後7日未満)に胎児や新生児、母体に認められる異常や疾患のこと。

  • 受精確認

    媒精した翌日に、雌雄の二前核と第二極体放出を以て、卵子が精子と受精しているかを判断する。

  • 受精障害

    媒精を行っても受精の反応が認められない状態で、運動性や形態的な異常など精子側の要因と、活性化異常や透明帯の異常など卵子側の要因があるほか、原因が特定できないケースも多い。

  • 受精能獲得

    射出後、雌性生殖管内を移動することによって誘発される精子の生理的な機能変化。キャパシテーション。

  • 首席卵胞

    一度の月経周期の中で、卵巣中で最も大きく発育が進んだ卵胞のこと。

  • 出生前診断・出生前検査

    妊娠中の胎児の発育・発達に異常が無いかを調べる検査のことで、先天的な染色体や遺伝子の異常を調べる検査のほか、妊婦検診における超音波検査なども含まれる。

  • 絨毛性性腺刺激ホルモン・hCG

    受精卵が子宮内膜に着床した後に胎盤から分泌されるホルモンで、妊娠判定や異常妊娠を診断する際に調べる。(hCG/human Chorionic Gonadotropin:ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

  • 常染色体

    ヒトの染色体のうち、性染色体以外の44本の染色体のこと。

  • ショート法

    卵巣刺激法の一つ。月経開始とともにGnRHアゴニストの投与を開始し、3日目からFSHあるいはhMGを投与して卵巣を刺激する。内因性のゴナドトロピン分泌を抑制してLHサージ(排卵)を抑える。

  • 初期胚移植

    体外受精あるいは顕微授精によって受精させた胚を、2~3日培養してから分割期胚の状態で子宮内に移植する方法。

  • シングルメディウム

    受精卵の培養において、受精卵の発育ステージに合わせて、培養の前半と後半とで異なる組成を持つ2種類の培養液を段階的に使用する方法。

  • 人工授精(AIH)

    女性の排卵のタイミングに合わせて、パートナーの精子を子宮内に直接注入することで妊娠を図る方法。卵胞の発育状況によって投薬を行う場合もある。AIH:Artificial Insemination of Husbandと表記する。

  • 新生児一過性糖尿病

    新生児の生後1ヶ月以内に発症する糖尿病で、インスリン投与による治療を必要とする高血糖症のこと。新生児糖尿病のうちの約60%を占める。

  • 新鮮胚移植

    採卵を行った周期に、体外受精あるいは顕微授精によって受精させ、培養した胚を、凍結保存を行わずに同じ周期中に子宮内に移植する方法。

  • 子宮外妊娠

    受精卵(胚)が子宮内腔以外の場所に着床して妊娠に至った状態。異所性妊娠とも呼ばれる。

  • 出生前診断(NIPT)

    妊娠中の女性の血液を採取することで、胎児の染色体異常を調べる非侵襲性の検査のこと。

  • 子宮内膜ポリープ

    子宮内膜に形成された卵球状の腫瘤のこと。良性の腫瘍であることが多い。

  • 子宮筋腫

    子宮の筋肉層にできる腫瘍のことで、良性の腫瘍であることが多い。

  • 子宮鏡下選択的子宮卵管造影

    子宮鏡を用いて卵管の通過性を調べる検査。造影剤を注入し、X線撮影をしながら卵管の通り具合を確認する。子宮卵管造影検査(HSG)によって閉塞が疑われる場合、より詳しい評価を行うために実施される。

  • 子宮卵管造影検査(HSG)

    子宮の形や卵管の通過性を調べるために、X線透視下で造影剤を子宮から卵管に注入して行われる検査。

  • 子宮筋腫核出術

    妊孕性温存の観点から、子宮の機能を残しながら筋腫のみを取り除く手術。

  • 子宮内膜受容能検査(ERA)

    着床窓(発育した胚を子宮内膜が受け入れることができるタイミング)を遺伝子レベルで検査して、適切な胚移植の時期を調べる。

  • EMMA:子宮内膜マイクロバイオーム検査

    ⼦宮内に存在する細菌の種類と量を計測し、子宮環境が妊娠に適しているかどうかを調べる検査。

  • 子宮内フローラ

    子宮内に存在する細菌叢(子宮内に存在する細菌の集団とその割合などのバランス)のこと。乳酸菌の一種で善玉菌に分類されるラクトバチルスの、子宮内での割合が妊娠に影響すると考えられている。

  • 受精卵凍結

    体外受精または顕微授精によって得られた受精卵を、-196℃の液体窒素で凍結保存する方法。

  • 主席卵胞

    一度の月経周期の中で、卵巣中で最も大きく発育が進んだ卵胞のこと。

  • 自然周期

    排卵誘発剤などのお薬を極力を使わずに、自然な月経周期に沿って採卵や人工授精などを行う方法。体外受精の場合、採卵によって獲得できる卵子の数が少ない一方で、質の高い卵子が採れると考えられている。

  • 視床下部性無月経

    視床下部の機能障害によって、GnRHの分泌が低下することに伴い、FSH・LHの分泌も低下して無月経となる病態。

  • 視床下部

    脳の中間部分に位置し、自律神経系と内分泌系の機能調節を担う重要な中枢。

  • 子宮内容除去術

    流産や人工妊娠中絶など、子宮内の胎児あるいは胎盤を除去するために行われる手術のこと。

  • 数的異常

    染色体の数が、正常(44本+性染色体2本=46本)よりも多いまたは少ない染色体の数の異常のこと。染色体の数が1本少ない状態をモノソミー、1本多い状態をトリソミーと呼ぶ。流産や死産の直接的な原因となる。

  • ステロイド

    副腎で産生されるホルモンで、抗炎症作用や免疫抑制を示す。男性では、長期的な使用で造精機能障害を引き起こし、男性不妊の原因となる。

  • ストランド現象

    胚盤胞内の内部細胞塊(ICM;Inner Cell Mass)が、TEと不規則に接着し、糸を引くように二極化する現象。一卵性双生児が発現する要因になっていると考えられている。

  • 精液検査

    男性の精液を調べる検査。大きく4つの項目(⓵精液量、②精子濃度、③運動率、④形態評価)をWHOの基準値に沿って評価する。
    精子の正常値
    精液量 1.5ml以上、精子濃度 1500万/ml以上、運動率40%以上、前進運動率 32%以上、正常形態率 4%以上、白血球濃度 100万/ml未満(WHO2010基準)
    精子減少症
    精液中の精子の数が少ないこと。精液1ml中の精子の数が1500~2000万以下
    精子無力症
    精子運動率が40%未満、または直進する精子が32%未満をいう。
    膿精液症
    クラミジア感染などにより、精路のどこかに炎症を起こし白血球が増殖し精液が感染している状態。抗生物質にて治療する

  • 精液量

    射出した精液全体の量。WHOでは、1.4ml以上を基準値としている。

  • 精管

    精巣上体に蓄えられている精子を精嚢まで運ぶ役割を担く管状の器官。

  • 精原細胞・精祖細胞

    雄性の生殖幹細胞で、精子を造る初期細胞。

  • 精細管

    精巣内で造精を行う管状の器官で、精巣内には約1000本の精細管が集まっているとされている。

  • 精索静脈瘤

    精巣から伸びる精索組織の静脈が滞留や逆流によってうっ血し、瘤状(コブにように)に肥大している病態。精巣内温度の上昇による造精機能障害を引き起こし、男性不妊の原因となる。

  • 精子DNA断片化指数(DFI検査)

    精液中のDNAに損傷を受けている精子の割合を調べる検査で、精子の質を評価する検査のひとつ。DFI;DNA Fragment Indexとも呼ばれる。

  • 精子調整法・精子精製法

    人工授精や体外受精を実施する際に、提出された精液の中から、不純物や形態・運動性が不良な精子を取り除き、運動性や形態が優れた良好な精子を回収する方法。密度勾配法やSwim-Up法などの方法がある。

  • 精子凍結法

    採卵当日に、来院や精液の提出が難しい場合に、事前に採精した精子を凍結保存しておく方法。

  • 精子濃度

    精液中の精子の数のこと。WHOでは、1mlあたりに1600万個以上を基準値としている。

  • 精子無力症

    精液中の運動精子の割合が低い状態のこと。WHOでは精液中の精子運動率42%以上を基準値としており、基準値未満の状態を精子無力症と診断する。

  • 精巣炎

    精巣の炎症。主に細菌やウイルス感染によって起こる。

  • 性染色体

    性別を決定する染色体のことで、女性ではXX、男性ではXYの性染色体を持つ。

  • 性染色体異常

    X染色体やY染色体の数的あるいは構造的な異常を示す病態で、ターナー症候群(X染色体が1本少ないXOを示す)やクラインフェルター症候群(Xが1本多いXXYを示す)などがある。

  • 性分化

    胎児期に、胎児が持つ性染色体の情報に基づいて、性腺や性器が分化すること。

  • 性交後試験(PCT;Post-Coital Test)

    排卵日を予測してタイミングをとってもらい、性交後に来院して頸管粘液中の運動精子を測定する。ヒューナーテストとも呼ばれる。

  • 成熟卵胞

    月経周期における発育した卵胞のこと。

  • 生殖補助医療

    体外受精や顕微授精などの高度生殖医療の総称。

  • 性腺刺激ホルモン放出ホルモン

    脳の視床下部で産生されるホルモンで、性腺刺激ホルモンであるFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)の分泌を促す。性腺刺激ホルモン放出ホルモン、GnRH、と表記される。

  • 精巣腫瘍

    精巣内で発生するがんのこと。初期症状が少なく無痛性のことも多い。

  • 精巣上体精子回収法(MESA)

    閉塞性無精子症や射精障害などの患者に対して、精子を採取する方法。精巣上体管を穿刺して、精巣上体液の中から精子を採取する手術。MESA。

  • 精巣内精子回収法(TESE)

    無精子症(射精した精液中に精子が認められない)の患者に対して、精巣組織から直接的に精子を採取する方法。MESA、TESEなどの手術がある。

  • セルトリ細胞

    精巣内で精子を造り出す精細管の壁に存在する大型の細胞で、造精に必要となる栄養を与え精子の増殖や分化を促す。

  • 前核(PN)

    媒精を行った翌日に、受精卵の細胞内に現れる核のことで、精子(父親)由来の遺伝情報をもった雄性前核と、卵子(母親)由来の遺伝情報をもった雌雄の二前核の観察を以て受精しているか否かを判断する。

  • 染色体

    細胞内に存在する遺伝情報を担う遺伝子の集合体。ヒトでは、父親と母親からそれぞれ22本ずつ計44本と、性別を決定する性染色体をそれぞれ1本ずつ計2本、合計46本の染色体で構成される。

  • 染色体モザイク

    PGT-AやNIPTなどの検査において、受精卵あるいは胎児の細胞に、正常なものと異常なものが混在している可能性がある状態のこと。

  • 染色体異常

    胚あるいは胎児の染色体に数や構造上の異常が生じている病態。頻度の高いものに、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)などがある。流産原因のおよそ70%が胎児の染色体異常によるものであるとされている。

  • 染色体転座

    染色体の構造異常を有するもので、重複、欠失、挿入などの量的な変化が無いもの。

  • 先進医療

    厚生労働大臣が認可した、先進性の高いとされる医療技術の総称。

  • 先体反応

    精子と卵子との受精において、精子が卵子の透明帯と接着する際に起こる反応のこと。先体内の酵素が放出されつことで卵子の被膜と反応し、精子が卵子内への侵入できるようになる。

  • 先体

    精子頭部の先端の構造のこと。

  • 先体反応

    精子と卵子との受精において、精子が卵子の透明帯と接着する際に起こる反応のこと。先体内の酵素が放出されつことで卵子の被膜と反応し、精子が卵子内への侵入できるようになる。

  • 先天性異常

    出生した児に生じる身体的な障害、知的障害、発達面での障害の総称。

  • 先天性精管欠損(CABVD)

    精巣内から精子を送り出す精管が、出産する前の段階で正しく形成されていない病態。片側性または両側性があり、両側性の場合は無精子症となる。

  • 線毛機能不全症候群

    線毛の運動機能に異常をきたす遺伝性の疾患のこと。男性では、精子の鞭毛が線毛と似た構造をしているため精子の運動性が著しく低下または運動性を持たない病態を示す。また女性では、卵管の線毛運動の機能不全によって着床不全や子宮外妊娠のリスクが増加する。

  • 前立腺

    膀胱の下に位置する男性生殖器。尿の通り道である尿道と、精液の通り道である精管が前立腺で合流している。

  • 双胎

    2人(または2人以上を指すこともある)の胎児を同時に妊娠している状態。

  • 早発月経

    10歳未満で初めての月経が始まること。思春期早発のひとつ。

  • 桑実期胚

    受精卵の発育ステージの一つ。胚盤胞の手前の状態で、細胞同士が融合し桑の実のような形状をしていることから桑実期胚と呼ばれる。

  • 早発閉経

    一般的に、40歳未満で月経が停止してしまう状態のことをいい、日本人女性の平均的な閉経年齢がおよそ50歳であるため、10年以上早く閉経してしまう状態を指す。

  • 早発卵巣不全(POI/旧称POF)

    卵巣機能が低下し、40歳未満であるにも関わらず月経が3ヶ月以上無い無月経の状態。

  • 造精機能障害(不全)

    精巣内で精子を造り出す機能が低下して、精子形成が障害を受けている状態。男性側の不妊原因で最も多く、男性不妊症が認められるケースの約80%が造精機能障害による。

  • 続発性不妊

    1回以上妊娠の経験がある場合の不妊症を続発性不妊症という。

  • 続発性無月経

    通常どおりに来ていた月経が、3ヶ月以上停止してしまった状態を指す。妊娠中や出産後、授乳中などの生理的な無月経はこれに当たらない。

た行

  • 胎芽

    妊娠8週目までの胎児のこと。

  • 単一胚移植

    体外受精において培養・発育した胚を子宮内に移植する際、一度の移植で1個だけを移植する方法。日本産科婦人科学会では、「多胎妊娠のリスクが高い35歳未満の初回治療周期では、移植胚数を原則として1個に制限する」と定めている。

  • 単為発生

    卵子と精子が受精することなく、卵子の細胞のみで細胞の発生が進行していく状態。

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

    卵巣内で卵胞の成⻑が途中で止まり、排卵が抑制されてしまうことで、⼩さな卵胞(嚢胞)が卵巣内にたくさん出来てしまう病態。不妊症の直接的な原因となるほか、排卵障害や月経不順、多毛、肥満などの症状が現れる。

  • 多精子受精

    2個以上の精子が卵子に受精してしまう異常な受精。本来であれば、卵子には1個の精子が侵入した際に、それ以上精子が侵入しないよう多精子受精を防ぐ機構が備わっているが、その機構が上手く働かない場合などに複数の精子が侵入し異常な受精となる。

  • 多胎妊娠

    2人以上の胎児を同時に妊娠している状態のこと。

  • ダウン症候群(21トリソミー)

    染色体異常の一つで、21番目の染色体が1本多く存在する疾患。ダウン症候群とも呼ばれる。

  • タウリン

    受精卵の培養において、分化・発育を促進する効果があることが知られており、特に胚盤胞の形成と拡張に効果があるとされている。培養液中にタウリンが添加されている商品もある。

  • タイミング療法(指導)

    超音波や血液検査などのデータをもとに、排卵日を正確に予測して、妊娠しやすい時期に性交渉を行うよう指導することで妊娠を目指す方法。不妊治療の初期治療として行われる。

  • 胎児染色体異常

    胚あるいは胎児の染色体に数や構造上の異常が生じている病態。頻度の高いものに、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)などがある。流産原因のおよそ70%が胎児の染色体異常によるものであるとされている。

  • 体外成熟培養・IVM培養・In Vitro Maturation

    採卵によってMⅠやGVなどの未成熟卵子が採れた場合に、体外の培養液で未成熟卵子を成熟させる技術のこと。

  • 体外受精・IVF・In Vitro Fertilization

    体外に卵子を取りだし、精子と受精をさせてから、子宮の中に戻す一連の治療方法。媒精方法の一つとして体外受精という言葉が使われることもある。

  • ターナー症候群

    性染色体異常に起因する疾患で、女性の性染色体のうち、2本のX染色体の片側は部分的または完全に欠失した(XOを示す)状態。

  • 脱落膜化

    妊娠の成立に必要な過程で、受精卵(胚)の子宮内膜への着床を可能にするために子宮内膜の間質細胞に起こる形態的ならびに機能的変化のこと。

  • タイムラプスインキュベーター

    カメラが内蔵された培養器(インキュベーター)のことで、受精卵・胚の成長を経時的・連続的に観察することが可能。

  • 代理出産

    ホストマザー
    夫婦の受精卵を他の女性の子宮に移植し出産すること。
    サロゲートマザー
    夫の精子を他の女性に人工授精して出産すること。

  • 着床窓・インプランテーションウインドウ

    発育した胚を子宮内膜が受け入れることができる期間のことを指す。おおよそ排卵後5日目~8日目のタイミングと言われているが、個人差が大きく、このタイミングが短かったりズレていたりすることがある。

  • 着床前遺伝学的診断・検査

    高度生殖医療において、培養・発育させた受精卵(胚)の染色体や遺伝子に異常がないかを調べる検査で、PGT-A (着床前胚染色体異数性検査)、PGT-SR (着床前胚染色体構造異常検査)などがある。

  • 着床不全

    体外受精において、良好な胚を繰り返し移植しているにも関わらず、妊娠に至らない状態のこと。胚由来、母体由来とさまざまな要因があり、複数の原因によって着床不全が引き起こされているケースもある。

  • 超音波検査

    卵巣内での卵胞の発育状況や子宮内膜の状態を調べるほか、子宮筋腫など婦人科疾患の有無を確認するために行われる検査。

  • チラージン

    甲状腺機能低下症で使われる治療薬。甲状腺ホルモン製剤で一般名は、レボチロキシンナトリウム水和物。

  • 着床

    受精卵・胚が子宮内膜に接着し、子宮内膜の内部層に侵入していくこと、あるいはその過程。

  • 着床不全検査

    着床しない原因を調べる検査の総称で、主に反復着床不成功症例の患者を対象として行われる。子宮鏡や子宮内フローラ検査、ERA検査など。

  • 遅発月経

    15歳を過ぎてから初潮が起こること。

  • チョコレート嚢胞

    子宮内膜症のひとつ。子宮内膜組織が卵巣に異常に発生し、血液が貯留してチョコレート色になった嚢胞を形成した病態。

  • 電気刺激法

    卵子活性化法の一つで、電気刺激によって卵子の活性化を促進し受精の反応を促進させる。

  • 低刺激排卵誘発法

    クロミフェンを、月経周期3日目前後より連日または隔日で投与して卵巣を刺激させて卵胞を発育させる方法。

  • ティーシーアール(TCR)・子宮鏡下手術

    電気メスが付随されているスコープを用いて検査を行い、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫などを電気メスで焼き切る手術法。

  • テストステロン

    男性ホルモン(アンドロゲン)の一種で、男性的な骨格や筋肉を形成するホルモン。

  • DHEA:デヒドロエピアンドロステロン

    男性ホルモンや女性ホルモンの前駆物質となるステロイドホルモンで、副腎で生成される。

  • Duo Stim法(ランダムスタート法)

    一回の治療周期の中で、2回以上の卵巣刺激と採卵を行う方法。

  • 凍結融解胚移植

    体外受精において、培養・発育した良好な胚を一度凍結保存し、採卵を行った周期とは別の周期に胚を融解して子宮内に移植する方法。採卵を行った周期に移植をする新鮮胚移植よりも成績が良いとされる。

  • 透明帯

    卵子の細胞を取り囲む糖タンパク質のことで、卵子の殻(カラ)とも表現される。

  • 透明帯開孔法・透明帯切開法・アシステッドハッチング

    胚移植を実施する前に、胚の透明帯に穴を開け、孵化(ハッチング)を補助する方法。PDZと呼ばれるカッターのようなガラス針で切開する方法や、レーザーを用いて開孔する方法などがある。

  • 倒立顕微鏡

    高倍率の検体を観察する時に使用される顕微鏡。数百倍から数千倍にまで拡大が可能で、顕微授精を実施する際に用いられる。

  • 銅、亜鉛検査

    血中の銅・亜鉛の濃度を測定する検査。銅の比率が高く亜鉛の濃度が低い場合に、着床率が低下する要因となることが報告されている。

  • 凍結受精卵

    -196℃の液体窒素中に凍結保存されている、体外受精または顕微授精によって得られた受精卵。

  • トリソミー

    染色体の数が1本多い状態。

な行

  • 内部細胞塊(ICM;Inner Cell Mass)

    胚盤胞の内側に形成される細胞の塊で、着床後に胎児となる部分。多能性幹細胞が含まれている。

  • ナチュラルキラー細胞(NK細胞)

    子宮内膜に存在する免疫反応を担う細胞で、着床前後に増加・活性化し血管新生や免疫寛容、自然免疫防御などに重要な役割を果たす。

  • 内分泌かく乱物質

    環境中に存在する、生物あるいはヒトに対してホルモンのような影響を与えるものの総称。環境ホルモンとも呼ばれる。

  • 乳酸

    卵子や受精卵の発育の初期段階における主要なエネルギー源で、細胞分裂に重要な役割を果たす。

  • 二段階胚移植法

    分割期胚(受精後2~3日目の初期胚)と胚盤胞(受精後5~6日目の胚)を、同一周期の中でタイミングをずらして2回に分けて移植する方法。

  • 妊娠特異的タンパク質

    胎盤で産生される血漿中に妊娠時にのみ出現する糖タンパク質。SP-1と表記される。

  • 妊孕性温存

    抗がん剤などによる治療によって生殖機能が低下、あるいは消失する可能性がある場合に、将来的に子どもを持つ可能性を残すことを目的として、治療を開始する前に精子・卵子・胚(受精卵)・卵巣組織などを保存しておく方法。

  • 妊孕性

    妊娠する能力、生殖機能のこと。

  • 粘膜下筋腫

    子宮内膜に発生する筋腫で、内腔に突出するように瘤が形成されているもの。不妊症の原因となるほか、流産や早産を引き起こす要因にもなる。

  • 膿精子症

    精液中に白血球が混ざっている病態で、1mlあたりに白血球が100万個以上認められる場合に膿精子症と診断される。淋菌やクラミジアなどに感染している場合に認められることが多い。精子無力症を引き起こし男性不妊の原因となる。

  • 嚢胞性線維化症

    先天的に精管欠損が認められる疾患で、精子が精液に到達することができない病態。嚢胞性線維化症の男性患者のうち、約98%に不妊症が認められる。

は行

  • 受精卵のことを胚という。

  • 媒精

    採卵によって採取した卵子と精子を人の手によって受精させること。媒精には、体外受精と顕微授精の大きく2つがある。

  • 胚移植

    体外受精において、発育した胚を子宮内に戻す方法。採卵した周期に移植する新鮮胚移植と、一度凍結保存をしてから融かして移植をする凍結融解胚移植のほか、胚の発育ステージによって分割胚移植(初期胚移植)や胚盤胞移植などがある。

  • 胚生検・バイオプシー・Biopsy

    胚盤胞の栄養膜細胞(胎盤になる細胞)から、細胞の一部を採取する方法で、胚の染色体の数的異常が無いかどうかを調べる着床前遺伝子診断で行われる。

  • 胚凍結保存

    体外受精において、発育した良好な胚を-196℃の液体窒素中で凍結し保存する方法。

  • ハイパーアクチベーション

    射出された精子が、卵子に到達するまでの過程で運動パターンに変化が起きること。直線的な動きから不規則で激しい運動に変化し、この運動によって卵子の透明帯への通過と侵入を補助すると考えられている。

  • 胚盤胞

    子宮内膜に着床できるステージまで成長した胚のこと。卵子と精子が受精した後、細胞分裂を繰り返しながら成長し、受精後およそ5~6日目の段階で胚盤胞に成長する。

  • 胚盤胞移植

    体外受精または顕微授精によって受精させた受精卵を培養し、胚盤胞というステージまで発育させてから子宮内に移植する方法。

  • 培養液

    受精卵(胚)を培養・発育させるために必要な栄養素が添加された液体のこと。

  • 排卵

    卵巣内で成熟した卵胞から卵子が排出されること。腹腔内に排卵され、排卵された卵子は卵管采に取り込まれる。

  • 排卵障害

    卵巣内で卵胞が発育しなかったり、発育しても排卵ができない状態のこと。女性の不妊原因の約20%を占め、月経不順や無月経などの症状が現れる。

  • 排卵誘発

    不妊治療において、排卵誘発剤を投与することによって卵胞の発育を促進し、排卵を促すこと。

  • ハッチング・Hatching

    胚の胎児になる細胞が透明帯を破って孵化(脱出)する現象。胚は、ハッチングが行われないと子宮内膜に着床することができない。

  • 半数体

    哺乳動物において、精子(父親)由来または卵子(母親)由来のゲノムを1セットのみ持つ細胞のことで、精子や卵子は半数体として存在する。

  • バイアグラ膣錠

    子宮内膜が厚くならない場合の改善方法として、バイアグラ(ジルデナフィル)を膣内投与する方法。

  • バニシングツイン

    双胎の妊娠初期に、いずれか片方の胎児が亡くなること。また、伴ってお腹の中から消失したように見える現象。

  • ヒアルロニダーゼ

    ヒアルロン酸を分解する酵素。顕微授精を実施する前に、卵子を取り囲む細胞層である卵丘細胞を取り除くために用いられる。

  • ヒアルロン酸

    皮膚や関節、目などに存在する保水成分で、粘弾性物質と呼ばれる強い粘性を持つ。胚移植の際に、ヒアルロン酸が含まれている培養液と胚を一緒に子宮内に戻すことで、胚と子宮内膜の接着が促進され着床率の向上が期待されている。

  • ピエゾICSI(Piezo-ICSI)

    顕微授精の手法の一つ。通常の顕微授精では、卵子を細いガラス針で穿刺することによって精子を挿入するが、ピエゾICSIでは微細な振動(パルス)をかけることで卵子の透明帯に穴を開け、細胞質膜を破ることで精子を細胞内に挿入する。

  • 必須アミノ酸

    タンパク質を構成するアミノ酸のうち、体内で合成できないもの。20種類のアミノ酸のうち9種類が必須アミノ酸に分類される。体内で合成できないため食事から摂取する必要がある。

  • 非必須アミノ酸

    タンパク質を構成するアミノ酸のうち、体内で合成できるもの。

  • ヒト絨毛性ゴナドトロピン・hCG

    性腺刺激ホルモンの一つで、妊娠した時に胎盤から分泌される。妊娠判定はhCGの数値を測定することで行われる。

  • ヒト免疫不全ウイルス感染症・HIV・エイズ

    ヒトの免疫細胞に感染して細胞を破壊し、後天性免疫不全症候群を発症させるウイルス感染症。ウイルスに感染した細胞を含む体液(血液や精液など)に接触することで感染する。

  • hMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)

    性腺刺激ホルモンの一つで、妊娠した時に胎盤から分泌される。妊娠判定はhCGの数値を測定することで行われる。

  • ピノポード

    子宮内膜表層上皮に認められる細胞膜の突出構造で、出現時期が着床窓(インプランテーション)のタイミングと関連性があり、着床において重要な役割を担っていると考えられている。

  • 非閉塞性無精子症

    男性不妊の原因の1つで、精巣内の造精機能に障害があることで、精液中に精子が存在していない病態。

  • ビタミンD検査

    血中のビタミンDの濃度を測定する検査。ビタミンDが不足すると、不妊症や不育症のリスクを上昇させることが指摘されているほか、妊娠中に胎児の成長にも影響を与える可能性が報告されている。

  • ピルビン酸

    胚の発育の初期段階(主に4細胞期から8細胞期)に必要となるエネルギー源で、細胞分裂や発生に寄与している。

  • ヒポクラテスの誓い

    医療従事者の倫理や任務に関する誓約文のことで、古代ギリシャにおいてヒポクラテスが作成したとされる。人命の尊重、患者の秘密厳守などが書かれている。

  • ピックアップ障害

    本来、卵巣からの排卵時に卵管采で取り込まれるはずの卵子がうまく取り込まれず、卵管内へ移動することができていない状態。

  • 非配偶者間人工授精(AID)

    第三者の提供精子を用いて行う人工授精のこと。

  • 頻発月経

    月経周期が25日よりも短い状態。(月経が開始してから24日以内に次の月経が開始する)

  • BMI

    身長と体重から算出する『肥満度』を示す指標となる数値で、国際的に広く使われている。Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略。

  • PICSI:ピクシー

    生理学的精子選択術のこと。成熟精子がヒアルロン酸に吸着する性質を利用して、成熟精子を選別する方法。

  • PPESA:経皮的精巣上体精子吸引術

    精巣を切開せずに、経皮的に針を穿刺することで、精巣上体から直接精子を吸引する方法。

  • PPOS法:黄体ホルモン併用卵巣刺激法

    卵巣刺激を行う際に、黄体ホルモン剤を併用しながら刺激を行う方法。卵巣刺激の中では比較的新しい方法。

  • 孵化

    胚が透明帯(卵子の殻)を破って外に出てくること。孵化のステップを経なければ、胚は子宮内膜に着床することができない。

  • 腹腔鏡検査

    腹部に内視鏡を挿入するための小さな穴を開け、子宮・卵巣・卵管などの腹腔内の臓器を直接観察することで、婦人科疾患の有無を調べる検査。

  • フラグメント・フラグメンテーション

    受精卵の胚発生・細胞分裂の過程でできる細胞質の断片のこと。フラグメントの量や割合によって、胚の評価(グレード)が行われる。

  • プラダ―・ウィリー症候群

    先天性異常の一つで、15番染色体長腕の異常による疾患。肥満、低身長、発達遅滞などの他、男女とも性腺機能の低下が認められ、性器形成不全や思春期発達の不全などによる不妊症が起こる。

  • プロゲスチン製剤

    プロゲステロン(黄体ホルモン)に類似する物質であるプロゲスチンを主成分とした薬剤で、月経困難症やホルモン補充療法などで使用される。

  • プロゲステロン・P4

    女性ホルモンの一つで、排卵後に子宮内膜を厚くしたり、妊娠の維持に働く。P4と表記される。

  • プロスタグランジン

    ホルモンに似た構造を持つ生理活性物質で、妊娠後期に子宮収縮を促進して陣痛を誘発するなど、女性の生殖プロセスに寄与する物質。

  • フーナーテスト(性交後試験)

    排卵日を予測してタイミングをとってもらい、性交後に来院して頸管粘液中の運動精子を測定する。ヒューナーテストとも呼ばれる。

  • 不育症

    抗リン脂質抗体
    細胞膜の自己抗体で、陽性の場合は、不育症の原因となる。
    ループスアンチコアグラント(LAC)
    全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患に関係し、習慣流産の原因となる。
    低用量アスピリン・ヘパリン療法
    不育症の治療。抗凝固系異常、抗リン脂質抗体、自己免疫疾患などによる血液凝固亢進の場合の治療として使用される。

  • 不妊症

    挙児を希望して避妊をせすに性交しているにもかかわらず、1年以上妊娠にいたらない状態。

  • 腹腔鏡下筋腫核出術(LM)

    妊孕性温存の観点から、子宮の機能を残しながら筋腫のみを取り除く手術。

  • プレコンセプションケア

    将来の妊娠を視野に入れながら、女性またはカップルが自分たちの生活や健康に向き合い人生設計・ライフプランニングを行うための教育。

  • プロラクチン(PRL)

    乳汁分泌を担う働きを持つホルモンで、下垂体前葉から分泌される。

  • 閉鎖卵胞

    途中で発育が停止して消失する卵胞のこと。

  • 閉塞性無精子症

    男性不妊の原因の1つで、精巣内の造精機能には問題が無いものの、精路(精子が体外に射出されるまでの通り道)に障害があるため造られた精子が体外に射出されない状態。

  • 鞭毛・鞭毛運動

    精子の尾部のこと。鞭毛の中には微小管と呼ばれる繊維構造があり、ダイニンという分子モーターが動力を供給することで運動する。

  • 放射冠細胞

    透明帯に沿うように卵子を取り囲む細胞の層。

  • 胞状卵胞・Antral Follicle(AFC)

    月経周期の2〜4日目における、その周期に発育する可能性のある卵胞のことで、両卵巣の2~10mmの卵胞数の合計を数える。Antral Follicleと呼ぶ

  • 紡錘体・Spindle

    卵子の細胞内に存在する細胞内小器官のことで、細胞分裂をする際に、染色体をそれぞれの細胞に分配する役割を担っている。通常、卵子極体の下部に形成される。

  • ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)

    温度変化によってDNAの分離と合成を行うことで、特定のDNA配列を短時間で増幅させる方法。胚や胎児の遺伝子異常の検査を行う際に用いられる。

  • ホルモン補充周期(HR周期)

    胚移植周期において、人為的にホルモン剤を投与することによって、子宮内を着床に適した状態にコントロールして胚移植を行う方法。

  • 胞状卵胞

    月経周期の2〜4日目における、その周期に発育する可能性のある卵胞のことで、両卵巣の2~10mmの卵胞数の合計を数える。Antral Follicleと呼ぶ

  • 乏精子症

    精液1mlあたりの精子濃度が、WHOの基準値以下(16.0×10の6乗/ml未満)の状態を指す。

ま行

  • マクラ―・マクラ―チャンバー

    精液検査で一般的に用いられる機器で、精子数のカウントや運動性評価などを行う。

  • マニピュレーター

    顕微授精など、卵子や精子の高度な操作に用いられる精密機器。

  • マイコプラズマ・マイコプラズマ検査

    性感染症の一つで、流産や早産のリスク因子となるほか、卵管・子宮頚管炎や骨盤腹膜炎など不妊症の原因となる。感染しても自覚症状がほとんど無い一方で、感染性の高い病気。

  • 慢性子宮内膜炎検査

    子宮内膜組織を採取して染色を行い、顕微鏡下で形質細胞の有無を確認する検査。CD138免疫組織染色検査を指す。反復性着床不全、粘膜下筋腫の患者で多く認められる。

  • ミトコンドリア・ミトコンドリア病

    遺伝性疾患の一つで、細胞内でエネルギーの生成を担うミトコンドリアの機能不全によって引き起こされる。ミトコンドリアの機能不全により、生殖細胞の正常な機能が阻害されることで不妊症の原因となる。

  • ミネラルオイル

    胚・卵子の操作や培養を行う際に使用する。培養液に被せるようにミネラルオイルを重層することで、培養液の水分の蒸発を抑え、pHや浸透圧など培養環境の変化を抑制する。

  • ミュラー管

    胎児の発育初期に存在する女性の生殖器となる両側の管。

  • 無精子症

    精液中に精子が全く認められないか、極めて少数しか認められない病態のこと。 造精機能そのものに障害がある非閉塞性無精子症と、精子が射出される通り道(精路)に障害のある閉塞性無精子症がある。男性の約100人1人の割合で認められるとされる。

  • 無月経

    月経(生理)が来ない病態。原発性無月経(思春期を過ぎても月経が来ない状態)、続発性無月経(月経が3か月以上来ない状態)、生理的無月経(妊娠や産後、閉経に伴って月経が来ない状態)がある。

  • 無射精症(射出不能症)

    精漿を作る精嚢や前立腺などが障害を受けることによって、精液を作れなかったり、精液を射出する神経が障害を受けて、精液を体外に射出することが難しい病態。

  • ムンプスウイルス

    流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の原因となるウイルス。思春期以降にかかるとムンプス精巣炎を起こし、両方の精巣が萎縮してしまった場合には無精子症になることがある。

  • ムンプス精巣炎

    流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の原因ウイルスであるムンプスウイルスに感染することによって、精巣で炎症が引き起こされる病態。男性不妊症の原因となることがある。

  • メトホルミン・メトフォルミン

    一般的には、二型糖尿病の治療薬として用いられているが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)によるインスリン抵抗性を改善し排卵障害を改善する効果があるため、不妊治療にも用いらている。

  • 免疫性不妊症

    抗精子抗体(精子を抗原(異物)として免疫の反応を起こす抗体)が原因となり、精子を不活化してしまうことで不妊となっている病態。不妊原因の約10%程度に認められるとされている。

  • メラトニン

    睡眠と覚醒のリズムを調節するホルモンで、恒常性(ホメオスタシス)維持を担っている。

  • モザイク胚

    PGT-A(着床前検査)において、検査した胚の細胞中に、正常な染色体の細胞と異常な染色体の細胞が混在している状態。

  • 羊水検査

    出生前診断の一つで、羊水から胎児の染色体異常や遺伝子疾患の有無を調べる方法。

や行

  • 羊水穿刺法

    超音波によって羊水と胎児の位置を確認しながら腹部に細い針を穿刺して羊水を採取する方法。出生前診断の一つで、羊水中の細胞を培養して染色体の異常を調べる。

  • 余剰胚

    採卵周期に受精した複数の胚のうち、移植されずに残った胚のこと。あるいは、複数の凍結保存胚のうち、移植されずに残っている胚を指す。

ら行

  • ライディッヒ細胞

    精巣に存在する内分泌細胞。男性ホルモンであるテストステロンの産生・分泌を行う。

  • 卵子活性化因子・卵子活性化法

    卵子と精子の受精の反応を開始させる因子のことで、通常、卵子は精子が侵入した際に細胞質内のカルシウムイオンを放出させることで卵子の活性化を促進し受精の反応をスタートさせる。この卵子の活性が不十分な場合、精子が侵入していても受精の反応が見られない(受精障害)ことがある。Caイオノフォアなどの薬剤を用いて外部から刺激を与えることで卵子の活性化を助ける。

  • 卵管鏡下卵管形成術(FT)

    卵管狭窄や閉塞が認められる症例で、カテーテルに内蔵されたバルーンを用いて、卵管内の狭窄・閉塞部位を開通させる手術のこと。

  • 卵管性不妊症

    卵管狭窄や閉塞によって、卵子と精子が受精阻害され不妊となっている状態。女性側の不妊原因の約30%が卵管性不妊症とも言われている。

  • 卵管疎通性検査

    子宮頸管から造影剤や生理食塩水を流して、卵管の詰まりの有無や通過性を調べる検査。

  • 卵管通水検査

    子宮の中に生理食塩水を注入して、卵管の詰まりの有無を調べる検査。不妊治療の初期に行われることが多い。

  • 卵丘細胞(Cumulus Cell)

    卵子を取り囲んでいる細胞の層で、卵子の成熟や精子との受精を補助する機構を持つ。キュムラスセルとも呼ばれる。

  • 卵細胞質内高倍率下精子選択注入法(IMSI)

    顕微授精を実施する際に、1000倍以上の高倍率で精子の形態を観察し、より良好な精子を選別して顕微授精を行う方法。

  • 卵細胞質内精子注入法(ICSI)

    高度生殖医療における媒精方法の一つで、顕微授精と呼ばれる。顕微鏡下で精子を選別し、細いガラスの針を使って卵子の細胞に直接精子を挿入する方法。ICSIと表記される。

  • 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

    排卵誘発剤の投与によって過剰に卵巣が刺激されることで、卵巣の腫大や腹水などの症状が引き起こされる病気。重症化したケースでは、血栓症や腎不全といった合併症が認められることもある。

  • 卵巣刺激法

    人工授精や体外受精において、排卵誘発剤を投与することで卵巣を刺激して卵胞を発育させる方法。

  • 卵巣ホルモン

    卵巣で分泌されるホルモンのことで、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンを指す。

  • 卵巣予備能

    卵巣内にどのくらい卵子が残っているのか、その目安のことをいう。卵巣予備能は年齢とともに顕著に低下し、不妊の直接的な原因の一つとなる。AMH検査(Anti Mullerian Hormone;抗ミュラー管ホルモン)によって卵巣予備能を測定できる。

  • 卵胞

    卵巣内に存在する卵子が入っている袋状の構造物。卵子に栄養を供給し細胞を成熟させる。

  • 卵胞液

    卵巣内に存在する卵胞という袋状の構造物の中に入っている液体で、卵子を取り囲んでいる。

  • 卵胞期

    月経が終わってから排卵するまでおよそ1週間を卵胞期と呼び、卵巣内で卵胞が成長しエストロゲンの分泌が増加する。

  • 卵胞刺激ホルモン・FSH

    卵巣を刺激して、卵巣内での卵胞の発育・成熟を働きかけるホルモン。脳の下垂体前葉から分泌される。FSHと表記される。

  • 卵子凍結

    将来の妊娠に備えて、卵子を採取して凍結保存しておくこと「医学的適応(がん治療などを行う前に卵子を採取して凍結保存しておく)」と「社会的適応(年齢の若いうちに質の良い卵子を採取して凍結保存しておく)」の2つがある。

  • ラクトバチルス

    乳酸菌の一種で、ヒトの口腔や腸内、腔・子宮内に存在する。子宮内において、ラクトバチルスが優位な環境を作ることで、細菌性腟症や子宮内膜炎などのリスクを減少させ着床に寄与すると考えられている。

  • ラクトフェリン

    母乳に含まれる栄養素で、子宮内ではラクトバチルスの増殖に働き、子宮内環境の改善に効果があるとされている。

  • 卵黄嚢(YS)

    妊娠の初期に、胎児に栄養を与えるために形成される組織。

  • 卵管

    子宮から伸びる管のことで、排卵期に卵巣から排卵された卵子を採り込む。

  • 卵管造影:HSG

    子宮の形や卵管の通過性を調べるために、X線透視下で造影剤を子宮から卵管に注入して行われる検査。

  • 卵子提供

    生殖補助医療の一部、または医学的な研究に利用することを目的として、女性が卵子を提供するプロセスこと。

  • 卵子

    女性の卵巣に存在する生殖細胞のこと。精子と受精することで受精卵を形成する。

  • 卵巣

    女性の体の中で卵子を貯蔵している臓器で、楕円形で子宮に沿うように左右1つずつ存在する。

  • 卵巣予備能低下(DOR)

    卵巣機能の低下に伴い、卵子の数や卵子の質が低下することによって、生殖能力の低下が引き起こされている状態。

  • 卵巣茎捻転

    子宮と卵巣をつないでいる茎の部分が捻転(ねじれ)を起こすことで、卵巣への血流が阻害されている状態。下腹部に強い痛みを伴い、放置すると卵巣が壊死してしまう危険性がある。

  • 卵巣性無月経

    卵巣そのものの機能異常によって、女性ホルモンが正常に分泌されずに無月経が引き起こされる状態。

  • リコンビナントFSH・rFSH

    卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤の一つで、遺伝子組み換え型の製剤。体外受精において排卵誘発に用いられる。

  • リン酸

    受精卵の発育の初期に必要不可欠な栄養素で、タンパク質の合成やエネルギー代謝などに寄与している。

  • リコンビナントLH製剤

    遺伝子組み換え技術を用いて製造されたLH製剤のこと。オビドレルなど。

  • 流産

    切迫流産
    下腹痛、出血などの流産兆候があるが妊娠が継続している。
    稽留流産
    妊娠嚢が存在するが、胎児および胎児心拍がない状態で、すでに妊娠が中断している。
    反復流産
    2回連続で流産すること。
    習慣流産
    3回連続で流産すること。

  • 臨床妊娠率

    胚移植を実施した後、胎嚢が確認できた症例の割合。

  • レーザーアシステッドハッチング・レーザー開孔法

    胚移植を実施する前に、レーザーを用いて胚の透明帯に穴を開け、孵化(ハッチング)を補助する方法。子宮内膜に胚が着床するのを助け、着床率を向上させる。

  • レゼクト(TCR)

    電気メスが付随されているスコープを用いて検査を行い、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫などを電気メスで焼き切る手術法。

  • ロバートソン転座

    染色体の13・14・15・21・22番目の、短腕が短い染色体(アクロセントリック染色体)が短腕を失い、長腕同士が結合してしまう染色体転座のこと。不妊や流産の原因となり、不妊症の夫婦では通常の約7倍、乏精子症の男性患者では約13倍という高い頻度で認められる。

  • ロング法

    卵巣刺激法の一つ。GnRHアゴニストの点鼻薬を前周期の段階から使用して、排卵を抑えながら卵胞を発育させて採卵を行う。

数字

  • 13トリソミー

    染色体異常の一つで、13番目の染色体が1本多く存在する疾患。パトウ症候群とも呼ばれる。

  • 18トリソミー

    染色体異常の一つで、18番目の染色体が1本多く存在する疾患。エドワーズ症候群とも呼ばれる。

  • 21トリソミー

    染色体異常の一つで、21番目の染色体が1本多く存在する疾患。ダウン症候群とも呼ばれる。

  • 2PN

    正常に受精していることを示す。受精卵の細胞内に雌性前核と雄性前核の2つの前核(PN)が認められている状態。

英字

  • AID

    第三者の提供精子を用いて行う人工授精のこと。

  • AIH

    女性の排卵のタイミングに合わせて、パートナーの精子を子宮内に直接注入することで妊娠を図る方法。卵胞の発育状況によって投薬を行う場合もある。AIH:Artificial Insemination of Husbandと表記する。

  • AMH

    発育過程にある初期の卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣の機能や卵巣の予備能(卵巣年齢)を評価する指標となる。

  • ART

    生殖補助医療のこと。Assisted Reproductive Technologyの略。

  • BBT

    基礎体温のこと。Basal Body Temperatureの略。

  • c-IVF

    媒精方法としての体外受精のこと。採卵によって採取した卵子と、精製した精子を同じ培養液で培養して受精を図る方法。ふりかけ法とも呼ばれる。Conventional In Vitro Fertilizationの略。

  • ET

    体外受精において、発育した胚を子宮内に戻す方法。採卵した周期に移植する新鮮胚移植と、一度凍結保存をしてから融かして移植をする凍結融解胚移植のほか、胚の発育ステージによって分割胚移植(初期胚移植)や胚盤胞移植などがある。

  • FSH

    卵巣を刺激して、卵巣内での卵胞の発育・成熟を働きかけるホルモン。脳の下垂体前葉から分泌される。FSHと表記される。

  • GIFT

    体外で受精をさせずに、採取した卵子と精子を卵管の中に移植する方法。現在は、ほとんど行われていない。

  • GnRHアゴニスト

    GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)を模倣して造られた薬剤。スプレキュア、リュープリンなど。

  • GnRHアンタゴニスト

    GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の作用を阻害する薬剤。レルミナ、セトロタイドなど。

  • ICSI

    顕微授精のこと。Intracytoplasmic sperm injectionの略。

  • IVF

    体外受精のこと。In Vitro Fertilizationの略。媒精方法としての体外受精では無く、高度生殖医療を指す。

  • IUI

    女性の排卵のタイミングに合わせて、精子精製を行い回収した良好な精子を子宮内に直接注入することで妊娠を図る方法。卵胞の発育状況によって投薬を行う場合もある。

  • IMSI

    顕微授精を実施する際に、1000倍以上の高倍率で精子の形態を観察し、より良好な精子を選別して顕微授精を行う方法。

  • LH

    脳下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンの一つで、卵巣に作用し排卵を促す。LHと表記される。

  • MRI

    体内の組織や構造、状態などを画像化する検査のこと。X線を使わず、強い磁力と電波を用いて行うため放射線被曝のリスクが無い。

  • OHSS

    排卵誘発剤の投与によって過剰に卵巣が刺激されることで、卵巣の腫大や腹水などの症状が引き起こされる病気。重症化したケースでは、血栓症や腎不全といった合併症が認められることもある。Ovarian Hyperstimulation Syndromeの略。

  • PESA

    精巣を切開せずに、経皮的に針を穿刺することで、精巣上体から直接精子を吸引する方法。

  • POF

    卵巣機能が低下し、40歳未満であるにも関わらず月経が3ヶ月以上無い無月経の状態。

  • PRL

    乳汁分泌を担う働きを持つホルモンで、下垂体前葉から分泌される。

  • TESE-ICSI

    精巣組織から直接的に採取した精子を用いて行う顕微授精のこと。

  • Vitrification

    細胞や組織を凍結保存する方法のことでガラス化と呼ばれる。

  • Th1/Th2検査

    反復着床不全や不育症の原因を調べるために行われる検査で、ヘルパーT細胞のTh1細胞とTh2細胞のバランスを測定する。Th1細胞の比率が高い場合には、胎児・胎盤に対して免疫の反応が働き着床不全や流産を引き起こす原因となる。

  • LHサージ

    排卵期の前に、LH(黄体形成ホルモン)が一時的に急激に増加する現象のことで、LHサージが起こるによって排卵が誘起される。

  • LLLT

    低出力レーザー治療のこと。主に、筋肉痛、関節痛、肩こり、リウマチなどの痛みをやわらげる疼痛治療に用いられるが、不妊領域においては、子宮や卵巣などへの血流を改善し妊娠に寄与する効果が期待されている。

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